アイコン 日本の造船業界を蝕む韓国造船業界の安値受注合戦

先般、バラ積船が得意な佐世保重工業が、世界的な不況の影響を受け、受注減で赤字となり、希望退職者を募集する記事を掲載した。
こうしたなか、今や世界一となっている韓国の造船業界について、次のように朝鮮日報が掲載している。以下、引用。
受 注不足に苦しむ韓国造船業界で、安値による受注競争が再発している。大手3社の現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋が年初来、受注確保に向け、攻撃 的な営業を展開したためだ。専門家は、安値による受注競争は当面の受注確保にはつながるが、長期的な収益性の低下につながることを懸念している。

<ライバル中国 受注済みの船舶価格も値下げ>
 大宇造船海洋は最近、デンマーク海運大手のマースクから2011年2月、6月に受注した超大型コンテナ船計20隻の価格を一部値下げした。造船業界が受注済みの船舶の値下げに応じるのは異例だ。
 マースクは当初、大宇造船海洋に1万8000TEU(20フィート標準コンテナ換算)のコンテナ船を1隻当たり1億8500万ドル(約189億円)で発注した。
 大宇造船海洋が値下げに応じたのは、現代重工業が今月初め、中国の中海集装箱運輸(チャイナ・シッピング・コンテナ・ラインズ、CSCL)から1万8400TEU級のコンテナ船5隻を総額7億ドル(約716億円)、1隻当たり1億4000万ドル(約143億円)で受注したことが影響を与えた結果とみられる。CSCLが発注したコンテナ船は、マースクが発注したものに比べ、輸送能力がほぼ同じでも価格が25%割安だ。CSCLは外国メディアの取材に対し「魅力的な価格で発注できた」と満足を表明した。
 マースクは、大宇造船海洋に1隻当たり500万ドル(約5億1000万円)、総額1億ドル(約102億円)の値下げを要求したとされる。大宇造船海洋は今月からコンテナ船を順次引き渡す段階だが、マースクの要求を受け入れざるを得ず、20隻のうち後期受注分10隻を1隻当たり100万ドル(約1億円)、総額1000万ドル(約10億2000万円)の値引きに応じた。大宇造船海洋の関係者は「船舶の部品を一部変更し、価格を見直したのは事実だが、値下げに応じたわけではない」と説明した。

<韓国勢共喰い 同じ規格で価格差9億円>
 業界では、サムスン重工業と現代重工業が先月、ナイジェリアの船会社から受注した液化天然ガス(LNG)タンカー(輸送能力17万5000立方メートル)の価格にも疑問を投げ掛けている。
1隻当たりの受注価格は、4隻を受注したサムスン重工業が2億2500万ドル(約230億円)、現代重工業は2億1700万ドル(約221億円)だった。
 現代重工業は「基本的な規格は同じだが、船舶に使われるオプションに違いがある。同じクラスの自動車でもオプション次第で価格差があるのと同じだ」と説明した。しかし、業界からは同じ基本仕様で価格に9億円も差があるのは、安値受注競争による影響だとの分析が有力だ。
 問題は今後の大口の船舶入札で、韓国の造船メーカー同士が過当競争に陥ることだ。中東のユナイテッド・アラブ・シッピング(UASC)が来月半ばに実施する1万8000TEU級コンテナ船5隻の造船入札では、韓国メーカー同士が激しい競争を展開する見通しだ。
 イートレード証券のパク・ムヒョン研究員は「造船業界はドックの回転率を高めることが重要だ。受注がなくドックを遊休状態のままにするよりは、人件費などの基本的な運転資金を稼ぐため、攻撃的な受注に取り組まなければならない面がある」と分析した。
 しかし、攻撃的な受注は、収益性の低下と表裏一体だ。攻撃的な受注は安値受注を招き、安値受注は1-2年後に船舶を引き渡す時点での収益性低下につながる。
業界関係者は「安値受注競争は結局、韓国メーカーの共食い状態となる。市場全体で船舶価格が反発し、船舶発注量が増えるまで、安値受注が続く可能性が高い」と指摘した。

韓国造船

以上引用。
中国の造船業界の急成長が、韓国勢を脅かしている。背景には、中国の鉄鋼業界の急成長があり、欧州経済の不調により荷動きが減じている中、中国では不況に喘ぐ鉄鋼業界に支えられた造船業界が破格値で受注に動いている。先般は第2タイタニック号の受注(豪州企業発注)に成功、客船技術を持たない韓国勢を驚かせるほど、中国の造船技術もまた進歩してきている。

韓国の建設業界がリーマン・ショック後世界の大型プラント工事を安値受注して取り捲ったツケが現在、韓国の建設業界の業績に出てきている。造船業界もいずれ同じ轍を踏むことになるのであろう。
造船業界を見れば、今や中韓は世界の海運会社に対して安値受注合戦を繰り広げているのが実情だ。 前門の中国、後門の円安日本、どうする韓国。
 

[ 2013年5月21日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサード リンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索