アイコン 中国医薬品市場を食い物にした欧米医薬品企業 贈収賄摘発相次ぐ グラクソほか

中国政府が、医薬品の高価格(ボッタクリ)や業界の不正に厳しい姿勢で臨んでいる。
中国国家発展改革委員会(NDRC)は、英製薬大手グラクソ・スミスクラインの中国事業部門や中国上場企業など60社を対象に生産コストや、外資企業が輸入し中国国内で販売している製品価格と、他市場での販売価格を比較する調査した。
その過程で浮上したのが、スイスの食品大手ネスレやフランスの同業ダノンなどインスタントミルクの粉末を製造する5社が、高価格の価格操作や非競争的行為の疑いがあった。
また、欧米の医薬品会社が、賄賂攻勢により価格を吊り上げ、ボッタクっていたとして、当局が製薬会社や医療関係者の大がかりな摘発を急いでいる。

<グラクソ・スミスクライン>
7月11日中国公安省は、警察による初期の取り調べで英製薬大手グラクソ・スミスクラインの幹部が中国において贈賄と、税金に関する法律違反を犯したと話したことを明らかにした。
7月15日中国公安当局は、英製薬大手グラクソ・スミスクラインが旅行代理店やコンサルタントを媒介者として、「政府高官や医師に賄賂を贈り、不法に価格をつり上げていた」と公表し、同社中国法人の幹部4人を拘束したと発表した。
7月26日、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)の中国法人が絡んだ贈賄事件に関与したとして、さらに18人が中国で拘束された。

<アストラゼネカ>
7月23日中国当局は、英・スウェーデン系アストラゼネカの現地社員2人が新たに聴取されたのに続き、米国人が身柄を拘束された。製薬会社から賄賂を受け取った病院職員の処分も発表した。
衛生省は、製薬2社から賄賂を受け取ったとして、病院職員39人を処分すると発表した。2社の名前は明らかになっていない

<ノボ・ノルディスク>
8月8日、世界最大のインスリンメーカーであるデンマークのノボ・ノルディスクは、天津の生産施設で、8月1日に地元の工商行政管理局(AIC)から訪問を受けたと明らかにした。
同社のジェスパー・ブランガード最高財務責任者(CFO)は「当社の中国事業に関する情報提供を求められた」、「これが通常の視察なのか、伝えられている英グラクソ・スミスクライン事件に端を発する調査の一環なのかは不明」と述べたという。

<ルンドベック>
8月8日、デンマークの医薬品大手ルンドベックも、北京の現地部門が当局の訪問を受けたとしている。

<サノフィ・アベンティス>
中国のメディアは8月8日、仏サノフィ・アベンティスが2007年に、中国で500人以上の医師に対し総額170万元(27万6200ドル)の賄賂を支払っていたと報じた。
サノフィは贈賄疑惑報道について「真剣に受け止めている」としている。

こうした当局の取り締まり強化から、外資系製薬会社の中国販売での伸び率は、これまでの20%から10%程度まで落ちるとされている。

同じことは、日本でのノバルティス(スイス、世界第2位の製薬会社)にも言え、日本の製薬会社の医者や学者らへのこうした悪しき賄賂慣行が、ノバルティスのディオバンで表面化しただけだともいえる。
 

[ 2013年8月 9日 ]
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