アイコン 慈恵医大/データ捏造事件認める ノバルティスの高血圧降圧剤ディオバン

慈恵医大、研究チームの教授の責任は極めて重いと。
大手製薬会社 「ノバルティスファーマ」の高血圧症薬「ディオバン」の効果を調べた複数の大学の臨床研究に、この会社の社員で大阪市立医科大に講師として潜り込ませてい た人物が関与していた問題で、京都府立医科大学に続き、東京慈恵会医科大学の調査委員会は30日、論文に記載された血圧のデータに人為的な操作が相当数、 加えられていたという中間報告を発表した。

この問題は、ノバルティスファーマが販売する高血圧症の治療薬「ディオバン」の効果を調べた複数の大学の臨床研究に、この会社の当時の社員が関与していたもので、このうち京都府立医科大学は、論文のデータには人為的な操作があり、ほかの薬より脳卒中や狭心症を減らせるとした臨床研究の結果には誤りがあった可能性が高い、他社の高血圧症薬と効能は変わらないとする調査結果を発表していた。
30日、東京慈恵会医科大学の調査委員会が発表した中間報告によると、大学の研究グループが行った臨床研究の論文には、患者の血圧のデータにカルテの記載と異なるものが相当数あり、人為的なデータの操作があったとしている。
これについて調査委員会は、データの操作は、大学の研究者が行ったものではなくデータの解析の段階で行われたとみられるとしている。
そのうえでデータの解析は、ノバルティスファーマの当時の社員に委ねられていたにもかかわらず、論文にはノバルティスファーマは関与していないと事実に反する記載があり、研究チームの教授の責任は極めて重いとしている。
以上。

高血圧薬のディオバンはこうした臨床研究の結果の論文を宣伝文書に使用して販売促進、年間1000億円以上を売り上げる超大型薬品に作り上げていた。
臨床試験には、東京慈恵会医大、 滋賀医科大、千葉大、名古屋大、京都府立医科大学などが関係、高血圧症薬ディオバンは、各関係者は、高血圧薬のディオバンは心臓や脳、腎臓などを守る効果が高いとする論文を07~12年にかけ発表していた。

 慈恵医大チームの臨床試験は、高血圧患者約3000人を対象に2002年開始。バルサルタン(薬剤名:ディオバン)を別の降圧剤と併用して服用すると、バルサルタンを併用しない場合より脳卒中が4割減少したという臨床論文を発表していた。

<問題発覚の発端>
京都大学病院の由井芳樹医師が2012年4月、臨床試験を巡って、ランセット誌で「薬を使った患者と使わなかった患者の群で、試験終了時に、血圧の平均値や(データのばらつきを示す)分散値が一致しているのは奇妙だ」と複数の大学の論文について問題を指摘したことからクローズアップされ、今日に至っている。
京都府立医大は、すでに当研究チームの6論文全てを学術誌から撤回した。

<悪用された医学誌ランセット>
医学誌「ランセット」は世界で最もよく知られ、最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つであり、編集室をロンドンとNYにもつ(出版国はオランダ)。世界に180万人以上の登録ユーザーを有している。2012年のジャーナル・サイテーション・レポートでは、一般医学雑誌のなかで『ランセット』のインパクトファクターは30.06であり、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』の53.48に次ぐ2位に位置づけられている。
今回は、ノバルティスと癒着した当該の各大学医学部の教授たちは、臨床論文の発表の場としてランセットを利用して掲載させ、学術論文としての高い評価を勝ち取り、ディオバンを超大型作品に作り上げた。

<追報:ディオバンで皮膚のただれ>
厚労省などは2013年7月29日、ノバルティスファーマの高血圧治療薬ディオバン(バルサルタン)を服用後、皮膚の広範囲が、ただれるなどの重い症状が出たとの報告があるとして調査を始めている。

 

0731_02.jpgディオバン捏造データ、ノバルティスお抱え教授たちと称される人たち
1、白橋伸雄(臨床データを改ざんしたノバルティスファーマ社の社員:身分を隠し臨床研究の統計解析に関与、当時大阪市立大学非常勤講師であった)

1、松原弘明(京都府立医科大学循環器内科教授:Kyoto Heart Studyの統括責任者、基礎研究でも研究不正疑惑)。昨年3月米国心臓協会(AHA)は、複数の論文で疑惑を指摘した。今年2月に問題なり、論文責任者であったことから退職した。

1、小室一成(千葉大学、大阪大学、東京大学循環器内科教授:バルサルタンの医師主導臨床研究「VART」の関係者、基礎研究論文でも疑惑)ディオバンの臨床試験の代表を務めていた。

1、光山勝慶(熊本大学大学院生命科学研究部生体機能薬理学分野教授:Kyoto Heart StudyのEndopint committee member、元 大阪市立大学医学部・医学研究科所属、基礎研究論文でも疑惑)

1、森下竜一(大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学教授:日本高血圧学会理事、小室・光山・堀内氏らとディオバン宣伝のため何度も座談会に参加、基礎研究論文でも疑惑)
萩原俊男(大阪大学大学院医学系研究科 老年・腎臓内科学教授:Jikei Heart Studyに賞賛のコメント、基礎研究論文でも疑惑)

1、望月正武(Jikei Heart Study統括責任者、元東京慈恵医科大学教授、武蔵野大学メディカルセンター現院長)

1、堀内正嗣(日本高血圧学会理事長、 小室・光山・森下氏らとディオバン宣伝のため何度も座談会・シンポジウムに参加していた)

日本高血圧学会そのものがノバルティス社と癒着していたのか、理事長派の連中が癒着していたのか・・・

ノバルティス側からの巨額なあの手この手の寄付行為や内輪の医学書への単独広告掲載が、大学や当該教授らの目も心も曇らせた。

 

[ 2013年7月31日 ]
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