アイコン 米FDA 殺菌剤成分トリクロサン殺菌効果なし・免疫にダメージと 日本は大量使用

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昨年6月、欧州では薬用石鹸など殺菌剤へのトリクロカルバン(triclocarban)やトリクロサン(triclosan)成分使用を禁止している。

米食品医薬品局(FDA)は2016年9月2日、19種類の殺菌剤を含有する抗菌せっけんなどの販売を禁止すると発表した。
通常のせっけんと比べて優れた殺菌効果があるとは言えず、健康に悪影響を及ぼすリスクがあると警告している。

19種類の殺菌剤のうちトリクロサンとトリクロカルバンは、抗菌効果をうたう固形せっけんや液体せっけんに広く使用されているが、免疫系に打撃を与える恐れがあるという。(FDA原文・・・耐菌性や環境ホルモンの影響から健康リスクをもたらす危険性がある)
(なお、環境ホルモンは、甲状腺ホルモン、男性ホルモン、女性ホルモンをかく乱する作用が指摘されている)

FDA医薬品部のジャネット・ウッドコック(Janet Woodcock)氏は、「抗菌せっけんには細菌増殖を防ぐ効果があると消費者は考えているかも知れないが、通常のせっけんと水で洗うよりも有効であることを裏付ける科学的根拠はない」と明言した。
その上で「殺菌剤が長期的には益より害になる可能性を示したデータもある」と説明した。

今回の販売禁止対象には、病院などの医療機関で使用されている手の消毒薬などは含まれていない。
抗菌せっけんのメーカーには1年以内の対応が義務付けられるが、問題となった殺菌剤の使用をやめる動きも既に始まっている。

FDAは「通常の石鹸と流水で洗うことは疾病を予防し、感染拡大を防ぐ上で最も効果的な方法の一つだ」と述べている。
また、石鹸と水がない場合には、アルコール濃度が60%以上の消毒薬を使ってもよいと付け加えた。
以上、AFP、FDA参照
追、ほかの塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロキシレノール(PCMX)などが指摘されている。

FDA原文(英語)
http://www.fda.gov/


<2012年までに問題は指摘されていた>数十年前から問題指摘
米FDAは2013年12月、薬用石鹸類に使用されるトリクロカルバン(triclocarban)やトリクロサン(triclosan)は問題ありと見て、いわゆる「除菌」をうたう石けんやボディソープなどの製品について、実際の効果や長期使用にともなう安全性などを実証した臨床データの堤出を義務付ける規則案を発表していた。(FDAは薬用石鹸に使用される両成分について2010年から、見直すための作業を行っていた。)
当発表により、除菌成分を含む石けんやボディソープの販売を行っている業者は、これらの製品の効能や安全性を示す臨床データを2014年末までにFDAに堤出を求めた。

今回の決定は、当報告に基づいて行われたと見られる。
トリクロカルバン(triclocarban)やトリクロサン(triclosan)は、大腸菌やブドウ球菌などのグラム陽性菌に対して特に顕著な制菌作用を示す除菌(もしくは抗菌)剤で、薬用石鹸や化粧品、除菌ソープなどの添加剤として世界中で広く使われている物質です。トリクロカルバンは主に固形石けんに、トリクロサンは主に液体石けんなどに配合されている。

しかし、これらの成分は、細菌に薬剤抵抗性を与えてしまう可能性に加え、健康上好ましくない影響をおよぼすことが米国を中心に数十年前から指摘されつづけている。

近年の報告として、例えば2008年にはラットへのトリクロサン暴露によって甲状腺ホルモンが減少したとする研究が発表されている。
また、2010年にはフロリダ大学のMargaret James氏らが、妊娠中の女性へのトリクロサン暴露がエストロゲンの分泌異常を引き起こし、胎児に悪影響を与える可能性があると発表している。

2012年には、カリフォルニア大学デービス校のグループがトリクロサンへの暴露が魚類およびマウスの筋肉の活動性低下を引き起こしたとする発表もしており、海外では成分自体の安全性を疑問視する声が多く挙がっている。

<欧州では昨年使用禁止、ミネソタでは2017年から販売禁止>
2015年6月25日、欧州連合の欧州化学機関(ECHA)が、に、人の肌や頭皮の殺菌効果を目的とする衛生用品へのトリクロサンの使用を禁止する決定を下した。

今回のFDAの決定以前にミネソタ州では、2017年1月からトリクロサンを含む衛生商品販売を禁止する法律が施行されることが決定している。

<平和な国、日本では・・・>消費者庁も厚労省もあてにならず
日本ではトリクロサンは、防腐剤、消臭剤、抗菌剤として広く使用され過ぎており、使用禁止卒にはかなりの時間を要するものと見られる。
厚労省は業界の繁栄に寄与することが主な仕事なため、トリクロサンを何ら規制しないどころか、今では薬用石鹸どころか化粧品などへ使用が拡散している。
(日本の行政は、業界に配慮して、常に安価に手に入る代替成分が見つかるまで規制しないのが慣習となっている)

 

[ 2016年9月 5日 ]
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