アイコン アビガンもレムデシビルも万能薬ではない 副作用も懸念

Posted:[ 2020年5月 6日 ]

RNAポリメラーゼ阻害剤のアビガンもレムデシビルともウイルスの増殖抑制効果を持つ。
アビガンは、富山市民病院が、症状が悪化した高齢感染女性に処方し、アビガンを処方したその日のうちに、手に負えなくなり、ほかの病院に転院させ、女性はそのまま死亡した。
何が原因だったのかなど、その後一切報道されなくなっている。

アビガンは、承認後も臨床投与に参加した医療機関のみ投薬が認められるという。
臨床協力病院による投与は、人体実験でもあり、万全な体制をとって投与してもらいたいものだ。富山市民病院のように容態急悪化に対応できないような病院や投与チームでは逆に危険ということになる。

アビガンについては、中国の医師の研究チームが軽症者の早期回復を実現したと報告している。(アビガン製品名のファビピラビルは1999年に特許が確立し、昨年特許満了で失効、ジェネリック化し、中国の製薬会社も製造している)
開発者の白木公康名誉教授は、中国の論文報告などをもとに、「発症6日までにアビガンを開始すれば、ウイルスの早期消失、咳嗽(せき)の軽減、肺炎の進行や重症化が阻止され、死亡率は激減するはずだ。ウイルス量がピークを過ぎるころから治療を始めても大きな効果は期待できない」と述べている。
ところが、日本は、重症者に対してアビガンを処方しようとしていることも懸念材料である。富山市民病院のような事例は、臨床投与病院にあり、今後、かん口令がしかれ、何があっても公表もされないだろう。

日本では2008年の鳥インフル時の世界大手製薬会社のロシュのタミフルに変わるものとして、2014年9月にアビガンの製造が承認された。しかし、動物実験で奇形など副作用があり、厳しい条件付で認可されている。



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<レムデシビル>
ギリアド社によると、レムデシビルを投与された患者の62%が退院。一方、遅れてレムデシビルを投与された患者では49%が退院。治療の早い段階でレムデシビルを投与すれば、より高い効果がある可能性が示されたと発表している。

国立アレルギー・感染症研究所は4月29日、ギリアド社の新型コロナウイルス感染症治療薬候補「レムデシビル」の臨床試験で、患者の回復が31%早まったとの暫定結果が得られたと明らかにした。

レムデシビルの副作用については、米国ではCDC認可の下、初期(1月下旬から2月始め)に感染した患者に投与開始、投与した7人全てで肝臓の損傷を示すアミノ基転移酵素(アミノトランスファーゼ、ASTおよびALT)の血中濃度の上昇が見られたが、これとレムデシビルの因果関係については結論を述べていない。
最近の臨床ではまったく言及もされていない。
また、38%の残った人たちの容態がその後、どうなったのかも説明されていない。

レムデシビルは、中国研究チームが約200人に対する臨床では何の効果もなかったと英科学誌に発表している(1000人規模で行う予定だったが、200人の臨床で途中中断され、正式な臨床にはなっていない)。

ギリアド社のCEOは投資会社出身なのか、効能を以前から吹聴しまくっている。
エボラ2014年の西アフリカのエボラでは高い効果が期待され、現地で処方されたがほとんど効果は認められなかった。
試験管培養実験の効能と人体実験(臨床)ではまったく異次元の世界。
米CDCもトランプ大統領の発言に前のめりになっているようだ。

追、「イベルメクチン」
オーストラリアにあるモナシュ大の研究チームは4月6日までに、ノーベル受賞者の大村智・北里大特別栄誉教授が開発した抗寄生虫薬「イベルメクチン」が、新型コロナウイルスに対し抑制効果があったと発表した。
チームは、試験管内のウイルスにイベルメクチンを投与したところ、48時間以内にウイルスが増殖しなくなったとしている。
 イベルメクチンは、寄生虫の感染によってアフリカやアジアなどで広がる熱帯病の特効薬の一つで、開発者の大村教授はその功績によりノーベル賞を受賞した。
大村氏が静岡県のゴルフ場で見つけた土壌の細菌が、作り出す物質を基に、米メルク社と共同研究開発した。
同チームは、新型コロナの治療薬としても安全であることを確認するため臨床試験を急ぐ方針。

誰かさんは、アビガンに子供のように飛びついているが、けっして万能薬ではなく、問題がないかどうか、チームを組んで臨床にあたることが望まれる。
 

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