ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アーム(ARM)は、中国の合弁会社のアレン・ウー最高経営責任者(CEO)が解任されたと発表した。利益相反の開示を怠るなど不適切な行為が確認されたことによるもの。
これに対し、合弁会社の中国ARM社はウー氏の解任を否定、説明が食い違っている。
経営を巡り内部対立が深まっている可能性がある。

アーム社は9日、中国の合弁会社であるアーム・チャイナの取締役会がウー氏の解任を賛成多数で決め、2人の共同CEOを暫定で任命したと発表した。
アーム社によると、ウー氏は「従業員規則に反し、利益相反の開示を怠るなど深刻な不適切行為」が確認された。

だがアーム・チャイナ社は10日、SNS(交流サイト)上で反対声明を発表した。
「アーム・チャイナは、中国の法律に基づき登記された独立した会社であり、ウー氏は職務を続ける。全ての業務は通常通りで、中国の顧客企業にサービスを提供する」と説明した。
取締役会で決まったトップ人事を巡って認識が食い違うのは異例な事態が生じている。
アーム・チャイナの内部や株主間で対立が深まっている可能性がある。

sponsored


英国を拠点とするアーム社は、モバイル機器向けプロセッサーの中核を担う「コア」の設計情報で世界シェアの9割超を握る。
ソフトバンクグループが2016年に約3兆円で買収した。

アーム社は中国に100%子会社を持っていたが、買収したソフトバンクの主導で、2018年に51%を現地企業側に売却した。
ただ、現地企業とは中国投資(CIC)やシルクロード基金など政府系ファンドが実質株主の会社であった。

ソフトバンクG+アーム社には、中国での商習慣に対応して巨大市場を攻める狙いがあったと見られる。
だが、売却先が中国政府系であったことから、技術流出の可能性などを念頭に当時、米国の対米外国投資委員会(CFIUS)が懸念を示していたとされる。

アーム・チャイナの主要顧客は、通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)傘下の半導体メーカー、海思半導体(ハイシリコン)。
同社はアーム社の技術を基に、CPU(中央演算処理装置)を開発している。
以上、

パテント使用料などの収益はこれまでどおり、アーム社本体に転がり込むことになっているが、問題は51%の株式を中国側に売り払ったこと。いくら孫氏のやり方でも理解に苦しむものだった。
株式の売却は2018年6月、トランプ米大統領が中国ZTEに対してナン癖を付け、血祭りに上げたのが同年4月末であり、その後だった。

トランプはその後、ファーウェイの制裁に入っているが、今では中国の電子産業を全体をターゲットにしている。
ARM社=ソフトバンクはARM-CHINAの49%しか株を保有していないことで、姑息にもトランプ制裁を逃れることを計算したのだろうか。

ARMの回路設計技術にしても米企業のソフトも入っており、間接的にファーウェイ制裁に抵触することになる(ファーウェイに納品するサムスン電子やSKや、多くの日本企業も同様)。
今後はトランプしだい。
ただ、ソフトバンクG=ARM社がCEOを更迭したにもかかわらずARM-CHINAが反旗をあげたことは、中国政府系投資ファンド=中国政府が介在している可能性もあり、トランプ制裁下の中国政府が孫氏の商品価値を捨てた可能性もある。

いくら治外法権国の中国でも、51%の株を持たせることは危険、当時当HPで指摘したが、現実のものになりつつある。(記者が元いた会社は、国営企業との合弁進出で49%の株しか持たず、事業展開のすべてで相手の国営企業の承認が必要となり、苦労し続けた結果、合弁相手に株を売却して撤退した経験がある。)

ARM-CHINAは買収後、国家政策の中国製造2025に基づき、中国全体の半導体製造の需要の高まりから、大増員し、すでに独自の回路設計もいくらでも開発しており、売上高も大幅に伸ばしており、最悪、ARM-CHINAは中国側に乗っ取られる可能性もある。
以上、

孫氏の投資戦略は米国の長期に渡る好況に裏付けられているが、孫氏が世界への投資を加速させた結果、米中貿易戦争により世界経済が低迷しだすと即影響を受け、あちこちで火の手をあげている。おまけに新コロナまで襲っている。

まずは、新コロナと11月3日まで耐え、バイデンに期待するしかないだろう。しかし、民主党は共和党より格段に人権問題を取り上げ、香港問題・ウイグル収容所問題を取り上げてくることは必至、孫氏の中国事業はトランプ政権以上に厳しくなる可能性もある。