経済産業省は、前経団連会長輩出の「東レ」の子会社が、中国に輸出していた炭素繊維が、長年にわたって許可なく中国国内のほかの企業に流出していたことがわかり、外国為替法に基づいて警告し、再発防止と輸出管理の徹底を求めた。
炭素繊維は鉄よりも軽くて丈夫で、航空機や自動車などに幅広く使われているが、高性能な製品は、軍事転用も可能なため輸出の際には国の許可を取り、輸出先や使いみちを厳しく管理している。
経産省は、
東レインターナショナルが契約当事者として、戦略物資の外為法の輸出許可を要する貨物に関して、顧客や用途を確認する取引審査を厳格に行うべき立場であったにも関わらず、中国の現地子会社及び現地社員に取引審査を一任していたこと、
輸出先等の取引審査を適切に実施していなかったこと等、内部管理体制のズブズブの不備があったものと判断した。
東レインターナショナルの輸出先から国が許可していない中国国内の複数の会社に数年にわたって流出していたという。
経産省は、東レの子会社に対して行政指導の中で最も重い警告を行い、再発防止と輸出管理の徹底を求めた。
東レは、「子会社に対するコンプライアンスやガバナンス、安全保障貿易管理を会社の優先事項として対応してきたつもりだが、結果として、今回の不祥事を防げなかったことは遺憾だ。子会社に再発防止策を徹底させる」とコメントしている。
以上、