アイコン バイデン米政権 他国の半導体メーカーに売上資料要求 これでは中国と同じではないか

Posted:[ 2021年10月23日 ]

米政府は、世界的な半導体不足が一向に解消されない状況から商務省が主導して、台湾や韓国の半導体メーカーに対して売上先・売上高・売上内容など詳細資料を45日以内に提供するよう要求している。半導体メーカーは顧客情報については一切明らかにしないのが鉄則となっている。
台湾当局は、世界一のファンドリーメーカーの台湾積体電路製造(TSMC)などを抱え、顧客との機密保持から即座に拒否を表明している。TSMCはファーウェイからの受注を米国からの圧力でいち早く撤退した経緯もある。

一方、韓国当局は両国の高官協議でやんわり拒否しているものの、中国にある半導体工場を拡張するなど中国での生産を拡大していることもあり、台湾のように強く拒絶できない立場のようだ。
(SKハイニックスは無錫市の半導体工場を2019年に大規模拡張し、今年10月にはさらに拡張する計画を無錫市が発表したばかり、サムスン電子は半導体の西安工場に第2工場を開設し、2020年に操業を開始したばかり、その第2工場はすでに拡張計画を有し、第2工場の2期拡張計画だけでも総投資額は150億ドルに達する。トランプ政権が中国制裁する中で2社は堂々と中国で巨額投資するしたたかさがある)



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今日の半導体不足は、台湾当局が発表したように半導体の生産はある程度回復しているものの、各種半導体を組み込みパッケージ化するセットメーカー(最大はマレーシア企業)が、新コロナの感染拡大により国がロックダウンしたことにより、生産が大幅に停滞し、顧客に対応したパッケージ製品の納品が大幅に遅れ、自動車などの製品メーカーが生産停止に追い込まれていることははっきりしている。
米政権の情報開示要求はほかに目的があるようでもある。自発的提出としているものの、非協力企業には強制的に収集できる手段があるとの警告までしている。

これでは、中国で仕事するならば設計図面を開示せよと中国進出企業に要求した知的財産権問題の中国政権とまったく同じになってしまう。

トランプ時代に引き続き何か米政権はおかしくなってきている。それもトランプ政権はスタッフが保守派で対中国強硬派の経済・金融・外交の力を持ったベテランたちを配置し、筋が通っていた。しかし、バイデン政権はそうした面からはスタッフの力量は大きく落ちる。

そうしたことから、米企業が生産停止に追い込まれ短絡的に要求した可能性と、中国やロシアなどの敵対国に対する国の企業への売上先・内容等の詳細情報を開示するよう要求しているとしか思えない。それならば、次にくるのは提出した半導体メーカーへの米制裁しかなくなる。
米政権は、中国の人民解放軍とのつながりやウイグルでの生産に関与している企業につき、多くの中国企業を制裁している。
そうした企業に対して、半導体メーカーがどれほど納品し関与しているのか知ろうとしているのかもしれない。
米政権は安全保障面から躊躇することなくはっきりリストを示し、台湾・韓国の半導体メーカーに納品するなと勧告すれば済むことでもある。
TSMCにしてもこの間拡張はしていないものの中国でも生産している。米IT製品メーカーにしても、iPhoneやDELLのようにそのほとんどを直接・間接、中国で生産しているのが実情でもある。
APPLE製品は使用している部品部材メーカーさえ秘密にしていることでもある。
自動車にしてもGMは米国より中国での販売台数が多いのが現実でもある。

TSMCにしても、サムスン電子、LG、SKなど韓国勢にしろ、米国で巨大工場を新規に建設しており、これ以上の欲はいただけない。
バイデン政権に金の玉があるのならば、イランやロシア、中国の制裁リストに対象企業を挙げ、米国企業と取引するならば、それらの企業と取引するなと警告すれば済むことではないだろうか。


 

 


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