同社は22年3月決算の部門別状況について次のように説明している。
1、FA部門は、
CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、堅調であった中国に加え、欧米、アジア、日本と世界規模で増加し、工作機械向けの当社のCNCシステムの売上も併せて増加した。また、2022年2月に当社CNCの累計生産台数は500万台に達した。
レーザについては、中国市場および欧州市場で回復基調にあるが、海外メーカとの厳しい競争が継続している。
2、ロボット部門は、
中国でIT関連、EV、重機、建機向けを中心に好調に推移し、米国でも一般産業向けおよびEV関連の需要を取り込んだ自動車産業向けが堅調、欧州でも一般産業向けが好調に推移した。国内でも需要が緩やかな回復傾向にあり、前年同期比で売上が増加した。
3、ロボマシン部門は、
ロボドリル(小型切削加工機)は、中国でパソコン、タブレット市場向けの需要を受け、売上が増加した。
ロボショット(電動射出成形機)は、IT関連、医療市場向けの需要が好調に推移し、売上が増加した。
ロボカット(ワイヤ放電加工機)は、IT関連、自動車部品市場向けの需要が好調に推移し、売上が増加した。
以上、
同社の業績は世界の製造業の設備投資の状況が反映される。日本の製造業大手は、生産性向上投資や最新施設の工場投資はもはや一部のオーナー系企業に限られ、サラリーマン経営者の大手製造企業は身の保全とハゲタカに翻弄され空前の利益を溜め込み、株主還元策で蓄えた利益を費消させ、不正ばかりが報道される時代となっている。
同社の海外販売は85%、円安が定着すれば、同社は今期予想を期中大幅修正する可能性がある。
ただ、気がかりなのは世界経済の動向、中国のロックダウンは、上海は商業都市、北京は政治都市、工業都市でロックダウンともなると影響が同社にも及ぶことになる。上海では港湾物流が停滞し、内陸工業都市への物流も大きな影響を受けている。日本からの現地納品先までの物流期間がこれまでの倍以上になっている。
また、露制裁の影響を受け、高物価高に欧州経済が低迷することが考慮されており、米経済も高いインフレ率と金利高に翻弄され、世界経済が狂ってくることが危惧されている。仕掛け人のバイデン米大統領は直近の記者懇談会でジョークを連発させたという。トランプよりワンマンショーのようだ。
スクロール→
連結/百万円
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売上高
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事業部門
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当期
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前期比
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FA
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310,180
|
51.5%
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ロボット
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268,478
|
27.8%
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ロボットマシン
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144,633
|
26.3%
|
サービス
|
93,732
|
20.9%
|
調整
|
-84,015
|
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合計
|
733,008
|
33.0%
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ファナック
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22年3月期 日本式
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連結/百万円
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売上高
|
営業利益
|
←率
|
経常利益
|
株主利益
|
19/3期
|
635,568
|
163,297
|
25.7%
|
183,459
|
154,163
|
20/3期
|
508,252
|
88,350
|
17.4%
|
102,816
|
73,371
|
21/3期
|
551,287
|
112,514
|
20.4%
|
128,744
|
94,012
|
22/3期
|
733,008
|
183,240
|
25.0%
|
213,395
|
155,273
|
22期/21期比
|
33.0%
|
62.9%
|
|
65.8%
|
65.2%
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23/3期予想
|
825,500
|
197,300
|
23.9%
|
227,400
|
166,200
|
23予/22期比
|
12.6%
|
7.7%
|
|
6.6%
|
7.0%
|