スリランカが、国債金利支払いの猶予期間30日を経過した5月18日、ドル建て債の利払いができず、同国史上初めてデフォルト(債務不履行)に陥った。
経済は急速に悪化、インフレ率は今後数ヶ月で40%に加速する見通しで、国内では抗議デモや政治危機が起きており、さらに深刻化するものと見られる。
ウィーラシンハ中銀総裁は19日、債務再編完了までドル建て債務の支払いを行わない「事前調整型デフォルト」にスリランカが陥ると述べた。
2023年と2028年に満期を迎えるドル建債の利払いは当初、4月18日が期限で7800万ドル(約100億円)相当。30日間の支払い猶予期間は今月18日に終了した。
同国は、食料や燃料など広範な品目の不足を和らげるための輸入代金確保で困難を抱えている。
自国通貨安と経済危機が背景にある。
ウィーラシンハ総裁は、インフレ率が今後数ヶ月で40%に達する見通しで、変動の大きい品目を除いた基調的なインフレの動向を金融当局として監視していると語った。
以上、
問題、
1、中国を主とした一帯一路のインフラ投資に伴う巨額対外債務
2、2019年の対外債務550億ドルから2021年12月には507億ドルまで減少
中国の借款金利は民間銀行も入り高い
3、外貨準備高の枯渇、2019年には80億ドルあった準備高は23億ドルまで減少
4、新コロナにより中国を中心とした観光収入の激減
5、海外への出稼ぎ者の送金が、新コロナで出稼ぎ者数が激減し大幅減少
貿易収支の赤字を観光収入と出稼ぎ労働者の送金で賄う構造が新コロナにより破綻
6、中国傾倒のラージャパクサ兄弟で長期政権運営問題、巨額対外債務問題を演出、元大統領で首相を辞任した兄は、暴動に恐れをなし軍施設に逃げ込んでいる。
7、対ドルスリランカルピーは、3月6日まで275ルピー前後だったが、3月7日の露制裁から暴落開始、その間、米金利上昇もあり、4月末の466ルピーまで60%強下落している。
恨むなら、中国の一帯一路に乗り、巨額対外債務を作ったラージャパクサ兄弟およびプッチン・プーチンを止めなかったバイデン米大統領を憎むべし。すべての利益は米国にあり・・・。
IMFが支援するかどうかは難しい選択
支援金が対外債務の元利金の債務返済に充当される可能性。
主たる債権者は中国。IMFが対外債務の金利減免と元本償還の凍結を、一部債権カットも含め債権国に対して要請し、債権国が応じるかどうかは不透明。パキスタンの例からしてそれが条件となる(パキスタンはIMFに対して西側が強くそれを求めたため、中国がさらに融資してIMF支援を回避した。結果、借金の熟成漬物になっている。ただ、外貨準備高も増加してきている)。
スクロール→
スリランカ デフォルト
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1月
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2月
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3月
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4月
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金利
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5.5%
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5.5%
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6.5%
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13.5%
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対ドルSルピー
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275
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270
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383
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446
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インフレ率
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14.2%
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15.1%
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18.7%
|
29.8%
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食料インフレ率
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25.0%
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25.7%
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30.2%
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GDP
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80.7億ドル
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←2021年
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対外債務(百万$)
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50,724
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←12月
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外貨準備高(百万$)
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2,362
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2,311
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経常収支(百万$)
|
-1,139
|
←12月
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貿易収支(百万$)
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-1,141
|
-781
|
-762
|
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輸出(百万$)
|
1,100
|
1092
|
1,057
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輸入(百万$)
|
2,241
|
1873
|
1,819
|
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観光収入
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148
|
173
|
19年平均月400
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出稼ぎ送金受け入れ
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259
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204
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19年平均月550
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