厚労省が7日、従業員5人以上の全国3万余りの事業所を対象にした「毎月勤労統計調査」の4月速報値を公表した。
それによると、基本給や残業代などを合わせた、パート含む働く人、1人当たりの今年4月の現金給与総額は平均で28万3475円と、昨年4月比で1.7%増加した。
現金給与総額がプラスとなるのは4ヶ月連続。
また、残業代などの所定外給与は1万9924円と、昨年4月より5.9%増で、13ヶ月連続してプラスとなった。
一方で、物価の変動分を反映させて、働く人が受け取った賃金で、実際に物品やサービスをどれだけ購入できるのかを示す、今年4月の実質賃金は昨年4月を▲1.2%下回った。
2020年を100とした指数では87.5とまだまだ低い状態となった。
厚労省は「基本給などの引き上げや、経済活動の再開による残業代の増加で、現金給与総額はプラスとなっている。一方で物価の上昇に賃金の伸びは追いついておらず、実質賃金はマイナスとなっていて、家計の負担は増している」としている。
賃金(一人平均/調査対象は従業員数5人以上の事業所)
(1) パート含む現金給与総額(就業形態計) 283,475 円(1.7%増)
・きまって支給する給与 271,341 円(1.5%増)
(うち、所定内給与は 251,417 円(1.1%増)、所定外給与は 19,924 円(5.9%増))
・特別に支払われた給与 12,134 円(7.2%増)
(2) 一般労働者の現金給与総額 365,411 円(1.9%増)
・きまって支給する給与 348,252 円(1.6%増)
(うち、所定内給与は 320,694 円(1.2%増)、所定外給与は 27,558 円(5.5%増))
・特別に支払われた給与 17,159 円(8.5%増)
(3) パートタイム労働者の現金給与総額 100,852 円(1.0%増)
・きまって支給する給与 99,919 円(1.4%増)
(うち、所定内給与は 97,009 円(1.0%増)、所定外給与は 2,910 円(15.6%増))
※ 時間当たり給与(所定内給与) 1,226 円(1.2%増)
(4) 実質賃金指数(令和2年平均=100)
・現金給与総額 87.5(▲1.2%減)
・きまって支給する給与 101.6(▲1.4%減)
(参考)消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)の前年同月比は3.0%上昇
(5) 共通事業所による現金給与総額(前年同月比) 1.5%増
・きまって支給する給与 1.3%増
・特別に支払われた給与 6.5%増
スクロール→
4月の月間現金給与額/厚労省
|
業種別支給額ランキング
|
調査対象:従業員5人以上の事業所
|
パート含まず/所定外+特別至急分含む
|
|
2022年4月
|
現金支給総額
|
前年比
|
1
|
電気・ガス業
|
473,465
|
-0.6%
|
2
|
情報通信業
|
456,800
|
3.9%
|
3
|
学術研究等
|
446,042
|
2.6%
|
4
|
金融業,保険業
|
425,672
|
2.7%
|
5
|
教育,学習支援業
|
416,571
|
2.3%
|
6
|
建設業
|
393,191
|
4.3%
|
7
|
不動産・物品賃貸業
|
391,508
|
0.2%
|
8
|
鉱業,採石業等
|
378,757
|
9.1%
|
9
|
卸売業・小売業
|
376,124
|
2.0%
|
10
|
製造業
|
359,059
|
1.7%
|
11
|
運輸業・郵便業
|
356,715
|
1.4%
|
12
|
医療,福祉
|
335,911
|
1.2%
|
13
|
複合サービス事業
|
324,647
|
-6.0%
|
14
|
生活関連サービス等
|
295,353
|
1.9%
|
15
|
その他のサービス業
|
294,889
|
0.7%
|
16
|
飲食サービス業等
|
274,786
|
4.9%
|
|
調査産業平均
|
365,411
|
1.9%
|
・公務員が入っていない。
|