一時133円、為替安は一人旅 各国の為替と金利と長期金利比較表
対ドル円の為替相場は6月7日、これまでの壁131円を突き破り一気に一時133円まで突き進んだ。これは、先週末の米雇用統計を受けて米景気後退懸念が和らいでいるほか、米金利が上昇、10年債長期利回りの差が拡大していることから相場を押し上げている。
米10年債長期利回り3月1日1.707%、5月6日3.123%、6月7日2.975%(一時3.058%)。
また、相棒が抜けたものの政府子会社で独立性0の日本銀行に苔を生やした黒田東彦総裁が、「家計は物価高に対応できる」と発言し、異次元緩和の維持を繰り返し表明したことにも円売りにつながっている。
(家計云々は微妙に本人が修正したが基本変わらず/製造業が国内へ工場投資せず、海外へ工場を移転させてしまった現在も超円安は日本に好景気をもたらすという信念の爺様)。
これまでは米ハゲタカたちは日米の金利差があっても一定の範囲内でしか動かなかった対ドル円相場、120円の壁を突破し131円の壁を形成、それも7日突き破った。ハゲタカたちも米金利上昇で証券市場には妙味がなく、商品市場はすでに手垢が付き仮想通貨同様暴騰暴落の危険性があり、新鮮味にある対ドル円にシフトしている。その理由は日米の金利差との大義により破格の円安誘導している。金利を上げられないのは政府の事情=財政問題からであり、また、好景気のアベノミクス下で給与を上げさせなかった政策に関係している。
ただ、数値を忖度しない限り、インフレはこれまで抑えていた通信費が一巡、3月以降の物価高も生活現場に6月以降に現れることから、どこまでインフレに耐えられるか、政府と子会社の日銀の手腕が問われるものとなる。
気になるのは、
日本が保有する米国債の残高が2月から3月にかけ700億ドル以上減少、その分買いより売却が多かったことを表している。それまで残高は増加の一途だった。
3月末12,324億ドル、2月末13,063億ドル。
当時、円安に動いており、ドルの米国債を売却して円に換金し、対ドル円価をとどめ置いた可能性もある。1月から3月9日まで113円~115円の狭い範囲内でいったりきたりを繰り返していた(露侵攻は2/24日)。
ただ、3月末は、3月7日の露制裁の影響もあり、121.660円まで円安となっていた(これまで長い間、危機はスイスフランと円買いという通説が崩壊した)。
米財務省はまだ4月残高分を発表していない。日本の米国債残が4月・5月に3月より増加していれば意図して円安に誘導したことにもなる。
↓ブルームバーグの表参照
スクロール→
超円安 ほかの国との比較 |
|||||
|
21/6月 |
22年初 |
5/1日 |
6/7日 |
前年比 |
米基準金利 |
0.25% |
0.25% |
0.50% |
1.00% |
|
米10年国債利回り |
1.501% |
1.701% |
3.012% |
2.981% |
|
対ドル円 |
109.09 |
109.46 |
130.14 |
132.82 |
21.8% |
日基準金利 |
-0.10% |
|
|||
日10年国債利回り |
0.057% |
0.106% |
0.232% |
0.240% |
|
韓国ウォン |
1,115 |
1,196 |
1,268 |
1,258 |
12.8% |
韓金利 |
0.50% |
0.50% |
1.50% |
1.75% |
|
豪州ドル |
0.760 |
0.720 |
0.705 |
0.719 |
-5.4% |
豪基準金利 |
0.10% |
0.10% |
0.35% |
0.85% |
|
英国 |
1.414 |
1.335 |
1.249 |
1.246 |
-11.9% |
英基準金利 |
0.10% |
0.25% |
0.75% |
1.00% |
|
ユーロ |
1.216 |
1.129 |
1.050 |
1.067 |
-12.3% |
EU基準金利 |
0.00% |
|
|||
(独10年債利回り) |
-0.155% |
-0.122% |
0.938% |
1.322% |
|
スイスフラン |
0.896 |
0.919 |
0.977 |
0.972 |
8.5% |
ス基準金利 |
-0.75% |
|
|||
ロシアルーブル |
72.25 |
75.72 |
70.67 |
61.016 |
-15.5% |
露基準金利 |
8.00% |
17.00% |
14.00% |
11.00% |
|
インドネシアメピー |
14,242 |
14,336 |
14,497 |
14,461 |
1.5% |
ネシア基準金利 |
3.50% |
|