アイコン 家計直撃へ 食品値上げ8000品目の衝撃 平均12%値上げ 


帝国データバンクは5月、主な食品や飲料のメーカーの国内105社を対象に調査を行い、穀物などの原材料価格の国際相場と高騰と円安を受け、国内の主な食品や飲料のメーカーが今年に入ってすでに値上げしたか、今後値上げする予定の商品が8300品目以上に上ることが分かった。4月の調査時点より2000品目以上増加している。
値上げ予定の商品は6月と7月だけでも3000品目を超え、今年は空前の「値上げの夏」になる。
今年すでに6割に当たる68社が値上げしたか、今後値上げする予定があると回答した。
平均の値上げ幅は12%に上っている。

(1)品目別では、
カップラーメンやハム、冷凍食品などの「加工食品」が最も多く、小麦や食用油の高騰を背景に、約3600品目、平均13%の値上げとなる。
また、「酒類・飲料」は麦芽やトウモロコシ、それに原油高によるペットボトルの原料の高騰で、ビールやジュースが値上げされるほか、円安でワインなどの輸入コストが嵩み、約1100品目で平均15%の値上げとなる。

(2)値上げ予定の商品は、
6月と7月だけで約3100品目に上っており、量を減らして値段を据え置くいわゆる『ステルス値上げ』でしのいできた企業が、大幅な値上げを余儀なくされるケースも見られ、今後、さらに原材料価格が高騰すれば、秋以降も『値上げラッシュ』が続く可能性がある」としている。
すでに今年だけで2回値上げし、3回目を予定は手いる食材もある。

 

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(3)値上げ対象品目は、
1、最も多い加工食品は、約3600品目で平均13%値上げ。
小麦や食用油の高騰のほか、肉類や魚介類の価格上昇を背景に、カップラーメンやハム・ソーセージ、冷凍食品などが値上げとなっている。

2、調味料は、約1700品目で平均10%値上げ。
菜種油など食用油の高騰や、トマトなどの野菜価格の上昇で、ドレッシングやマヨネーズ、カレーのルー・香辛料などが値上げとなっている。

3、酒類・飲料は、約1100品目で平均15%値上げ。
麦芽やトウモロコシの高騰に加え円安で輸入コストが嵩んだ影響で、焼酎・チューハイや輸入ワイン、ビール・発泡酒などが値上げとなっている。

4、菓子類は、約500品目で平均11%値上げ。
ジャガイモの不作のほか、食用油の高騰、砂糖の価格上昇などで、スナック菓子やチョコレート菓子、アイスクリームなどが値上げとなっている。

5、パン類は、約400品目で平均9%値上げ。
小麦の高騰や包装資材の価格上昇で、食パンや菓子パン、業務用パンなどが値上げとなっている。
以上、

<価格高騰原因>
1、新コロナからの経済回復による資源・エネルギー、穀物の国際相場高騰、
2、次にロシアのウクライナ侵攻、3月7日の露制裁による穀物等の高騰
3、3月10日からの円安による輸入価格の高騰、昨年108円~110円→今年116円~130円
4、船賃等物流経費の高騰、
5、ガス代など燃料費や電気代など光熱費高騰が生産原価押し上げ。
こうした5要因が上昇原因、食品価格などの上昇となっている。

露制裁と露によるウクライナの港湾封鎖により、ロシアとウクライナが生産し輸出している小麦、トウモロコシ、ひまわり種油などの輸出が制限され、もともと需給バランスがとれていたこうした作物の輸出が滞り、競ってほかの産地からの買い付けにより、産地の価格が高騰している。
食糧安保の観点から、インドネシアはパーム油(やし油)の国内用重視のため輸出禁止規制、インドは小麦と砂糖の輸出を禁止などはじまっている。

<今後の見通し>
 中国、現在、中国は新コロナ感染拡大から最大の商業都市上海市(2500万人)のロックダウン(6月全面解除予定)、北京市でも部分ロックダウン、ほかの都市への波及拡大も懸念されている。こうしたロックダウンが解除され落ち着けば、食料の大量需要が予想され、食料価格がさらに高騰する可能性が高い。

また、ロシア制裁(食糧は制裁対象ではないが、SWIFT制裁で国際間での支払い・決済問題があり輸出入が現実できない)は長期化が予想され、価格は需給バランスが崩れ高騰し続けることになる。

さらに、ロシアから肥料や飼料の原材料が世界に向け大量に輸出されており、すでに肥料も飼料も高騰、今後、作物や家禽・畜産物の生産原価が大幅上昇、今後とも農作物や家禽・畜産物価格は高騰し続けることになる。

物流経費は、露制裁で船舶需要が増し、バラ積船もコンテナ船も高騰し続けている。中国が本格回復すれば、このままでは船賃も暴騰することになる。(ただ、今後、新コロナでの物流停滞=船舶の港湾荷揚げ停滞が解消され、その後は落ち着くものと見られるが、燃料費が下支えする可能性は高い)

<米国>
小麦、大豆、畜産物の輸出国、
ウッドショック・木材輸出国、
原油・天然ガスの世界最大の産出国
・・・資源のない国と異なり、資源・エネルギー、穀物がいくら暴騰しても腹はまったく痛まない。単に国内でインフレになるだけ。
・・・米国では銃乱射事件が発生すれば、飛ぶように銃が売れる。3.3億中の人口に比し3.9億丁の銃を米国民は所持している。
どこかの国で戦争が生じたり、軍拡が脅威となれば、周辺国は自国の軍事力を強化する。世界最大の武器輸出国はダントツで米国だ。現在はどっかの国に供与しているが、近い将来莫大な需要が生じる。

<Shock>
COVID-19-Shock
Economic recovery-Shock
OIL・LNG-Shock
WOOD-Shock
FOOD-Shock
LOGISTICS-Shock
Russian+Ukraine -Shock
Time is Money、
Money is everything 
・・・Too sad、
・・・The world that is hard to know

国民は今回の物価上昇に耐えられるのだろうか。
↓、月収の推移
厚生労働省「毎月勤労統計調査」
月収:一人当たりの現金給与総額(決まって支給する給与と特別に支払われた給与の合計額の平均
社会保険料率は増加。直近30年間で負担率が1.5倍(10%前後が15.3%まで上昇している/法人税は減額される一方、国民は消費税を10%徴収されている)になっている。これは高齢化の影響で医療費支出増、労働者の給料が伸び悩み、保険料収入が伸び悩み徴収率を上げていることにある。特に小泉政権の聖域なき削減から、企業も倣い正規雇用を非正規に置き換え、その労働費用の減額で生じた利益を内部留保し、残った従業員にも還元せず、それはアベノミクスで空前の利益を上げてきた現在の企業も従業員還元しないままとなっている。
アベノミクス下で消費税は5%増税され、勤労者の社会保険料も2018年まで上昇し続けたこと、過去の消費税増税時にも価格が上昇(物価上昇=インフレ)していたことから、給与が少々上昇しても実質可処分所得は減少し続けているもの。

バブル時代の四季報には、各社ごとに利益の労働分配率や研究開発費が掲載されていたが、崩壊後、久しく掲載されていない。今や不正までして利益を蓄え株主様用に株主還元率が必要となっている時世。

0530_03.jpg

↓<2段ショックの商品先物市場>
価格高騰 新コロナ経済回復と露ウクライナ侵攻および露制裁
円安は今年5月5日の1ドル130.52円が2002年1月以来の最安値、その後徐々に円高にシフトし5月24日の126.80円、5月27日は127.10円となっている。
国際相場と国際相場に5月26日の前年同月比での円安を考慮した価格との前年比較。高騰の物流経費は含まず。


スクロール→

価格高騰 新コロナ経済回復と露ウクライナ侵攻および露制裁

2022

21/5/31

22

5/26

前年比

1月比

19/12

1年前

1/1

月比

対ドル円

108.9

115.3

127.16

116.8%

10.3%

16.4%

海運指数

2,569

2,289

2,933

14.2%

28.1%

169.1%

国際先物市場価格

原油WTI

66.91

75.85

114.17

70.6%

50.5%

79.9%

天然ガス

3.107

3.81

8.78

182.6%

130.4%

303.3%

ナフサ

559.9

592.95

889.14

58.8%

50.0%

62.3%

石炭

118.9

195

403

238.9%

106.7%

515.3%

鉄鉱石

201.9

116

130

-35.6%

12.1%

41.9%

スチール

4,842

4,579

4,700

-2.9%

2.6%

24.5%

木材

1,309.50

1,112.00

683

-47.8%

-38.6%

68.6%

穀物・食料

小麦

663.5

758

1,147.00

72.9%

51.3%

104.8%

13.3

14.63

17.23

29.5%

17.8%

31.2%

トウモロコシ

659

589.25

765.25

16.1%

29.9%

99.8%

大豆

1,531.00

1,355.50

1,731.30

13.1%

27.7%

89.3%

ヤシ油

3,919.00

4,857.00

6,570.00

67.6%

35.3%

115.3%

採種油

890

1,040.00

1,173.70

31.9%

12.9%

150.7%

牛肉

19.86

21.86

20.58

3.6%

-5.9%

43.1%

鶏肉

7.04

6.54

7.63

8.4%

16.7%

42.6%

赤肉豚

117.25

87.35

111.1

-5.2%

27.2%

57.0%

前年比は21531日の価格比、新コロナ前比は20191231比の価格比/日本の輸入価格は国際相場に海運費用等物流費の増加分が加算され、さらに為替安が掛け算される。

国際先物市場価格

円換算値(5/26日)

 

21/5

1/1

5/26

前年比

 

 

原油WTI

66.91

75.85

133.35

99.3%

 

天然ガス

3.107

3.81

10.26

230.1%

 

ナフサ

559.9

592.95

1038.52

85.5%

 

石炭

118.9

195

470.70

295.9%

 

鉄鉱石

201.9

116

151.84

-24.8%

 

スチール

4,842

4,579

5489.60

13.4%

 

木材

1,309.50

1,112.00

797.74

-39.1%

 

穀物・食料

小麦

663.5

758

1339.70

101.9%

食管

13.3

14.63

20.12

51.3%

食管

トウモロコシ

659

589.25

893.81

35.6%

 

大豆

1,531.00

1,355.50

2022.16

32.1%

 

ヤシ油

3,919.00

4,857.00

7673.76

95.8%

 

採種油

890

1,040.00

1370.88

54.0%

 

牛肉

19.86

21.86

24.04

21.0%

 

鶏肉

7.04

6.54

8.91

26.6%

 

赤肉豚

117.25

87.35

129.76

10.7%

 

対ドル円推移

/1

2/1日

3/1

3/15

4/1

5/1

5/26

115.08

114.7

114.89

118.72

122.49

129.83

127.14

0530_04.jpg

[ 2022年5月30日 ]

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