アイコン 米国 ソーラー発電機器製造に「国防生産法」適用 本格化へ


バイデン米大統領は6日、米国のソーラーセクターを支援する大統領令を発令した。貿易紛争で停滞しているクリーンエネルギープロジェクトを復活させ、国内生産を拡大することを狙い、気候変動に関する取り組みにおける国外サプライヤーへの依存低下を図る。
バイデン氏は、東南アジア4ヶ国からのソーラー機器を対象に新たな輸入関税を2年間停止し、全米で再生可能エネルギープロジェクト建設を凍結させていた遡及的な関税適用の脅威を取り除く。
同時に、ソーラーパネルなど国内のクリーンエネルギー関連生産業者を支援するため「国防生産法」を発動する。
今回の動きは、気候変動との闘いと、安い輸入品との競争で苦戦してきた国内ソーラー関連製造業の育成という、しばしば相反する政治的優先事項を後押しすることを目指している。バイデン氏の行動は同時に両方に取り組む可能性を意味する。
以上、

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韓国のハンファはすでに米国で傘下のハンファQセルズ(破綻した独社のQセルズを買収)の工場をジョージア州に持ち、さらに今年に入り新工場を同州に建設すると発表している。
日本もかつて世界一のソーラー発電機器の製造国であったが今は造船や半導体同様失楽園。

バイデン大統領は化石燃料を目の敵にしており、ソーラー発電での電力を本格的に普及させる。米国ならば集光型太陽光発電を狙ってほしいものだが、ありきたりなソーラー発電では欧州や日中韓にも後れを取っている。

こうした動きは眼下、シェールオイル・ガス生産団体がいっそうバイデン政権に対して態度を硬化させることになり、原油価格も天然ガス価格も下がりそうにない。中間選挙向けに環境派を取り込む方策だと見られる。
米国のインフレは続き、特に食料インフレは深刻な状況、露制裁により米国では穀物を育てる肥料が3倍に高騰している。中間選挙の秋までこうした事態が続けば、いくら米国人でも、高額所得者を除けば環境より目先の生活が優先だと動く人たちも多くなるものと見られる(4月の食料インフレ率は9.4%)。

米国の足元では、電力発電会社は環境面からこれまでに石炭火力から天然ガス火力に切り替えていた。しかし、昨年から天然ガス価格が暴騰(新コロナ前の19年12月の価格から22年6月は4倍に暴騰)に悲鳴を上げ、石炭火力に再度切り替えている。そんなこんなで石炭価格も暴騰している。
バイデン政権はシェールオイル・ガス生産者団体に大統領就任早々喧嘩を売ったため増産要請することもできない。欧州はノルウェーなど一部しか原油や天然ガスは取れない。
世界では需給バランスが取れた産出量、露制裁は露産原油の輸出量810万バレル/日が対象、しかし、ロシアは3月は制裁を受け大幅に落ち込んだものの4月には810万バレルを回復させている。新コロナ以前より世界の生産量は15%ほど低く、経済回復は上海ロックダウ解除の中国も含め本格化させており、需給バランスが崩れ高騰している。2015~2019年までの世界の原油生産量は9500万バレル/日、前後で推移していた。
頑固爺のバイデンの失策とサウジのムハンマド皇太子の罠なのだろう。


スクロール→

燃料別二酸化炭素排出量 排出係数

一般炭

0.0247 C/GJ

A重油

0.0189 C/GJ

液化天然ガス

0.0135 C/GJ

石炭10:重油7.5:天然ガス(LNG)5.5

 

↓ここまでエネルギー資源価格が高騰すれば、ソーラー発電力との価格差は消えるのではなかろうか。

商品先物価格推移 原油WTI 天然ガスNYM 石炭USD/T

 

原油

天然ガス

石炭

備考

19/12

59.80

2.292

67.50

新コロナ前

20/4

16.71

1.790

51.25

新コロナショック

21/6

71.40

3.274

128.55

1年前

21/10

81.05

5.578

223.45

 

22/1/1

75.78

3.715

222.75

年初

2/1

88.20

4.751

274.50

 

3/1

103.41

4.573

264.00

2/24、露ウクライナ侵攻

3/8

123.70

4.527

405.00

3/7、露制裁

4/1

99.27

5.720

258.75

 

4/8

98.26

6.280

291.60

IEA備蓄放出決定

5/1

104.02

7.476

299.80

 

5/10

99.76

7.385

377.50

 

5/20

113.23

8.080

417.25

 

5/30

118.18

8.709

401.00

EU9割輸入停止

6/1

115.26

8.696

412.00

上海ロックダウン解除

6/6

118.27

9.256

415.25

 

6/6価格の上昇率

新コロナ以前比

97.8%

303.8%

515.1%

新コロナ以前比で原油は約2倍、天然ガスは約4倍強、石炭は6倍超に暴騰

1年前比

65.6%

182.7%

223.0%

年初比

56.1%

149.2%

86.4%

 

[ 2022年6月 7日 ]

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