アイコン ドイツ ロシア停止でガス供給警戒レベル引き上げ 価格は6月暴落

Posted:[ 2022年6月24日 ]

ドイツ政府は、ロシアからの天然ガスの供給が大幅に減り、需要が増える冬場に十分な量を確保できないおそれがあるとして、ガスの供給の緊急事態に備える警戒レベルを3段階のうち1段引き上げ2段にすると発表し、国民や企業に節約へのいっそうの協力などを呼びかけた。

ドイツでは、ロシア最大の政府系ガス会社ガスプロムが先週、ドイツ向けの主要なパイプライン「ノルドストリーム1」を通じて供給する天然ガスの量を大幅に減らすと発表したあと、ロシアからのガスの供給量が約60%減少し、警戒感が高まっている。

天然ガスのパイプラインNord Stream1は、ロシアがメンテナンスのため7月11日から21日まで停止するとドイツに一方的に通告した。ドイツ当局はによるとメンテナンスは9月に予定されており、今回のメンテナンスは予定されておらず、一方的な政治的な経済攻撃だと怒っている(すでに削減しているのかは不知)。

国際エネルギー機関のファティ・ビロル会長は、ロシアがヨーロッパへのガス供給を完全に遮断する可能性があり、ヨーロッパは今準備する必要があると警告している。
しかし、現実は、ロシア産天然ガスが完全ストップした場合、ドイツはじめ欧州はパイプラインによって輸入している1,550億立方メートルの天然ガスを、世界でLNGとして出荷されている5,000億立方メートルの市場から購入することになる。

 



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また、天然ガスは液化天然ガス(LNG)にして船舶輸送することから、LNG化のターミナルが必要であり、また、LNGをターミナルで受け入れガス化して送り出す施設も必要で、LNG化施設に3~5年、受け入れ施設でも2年はかかり、目先は異常期間となる。

すでに、米国ではLNG化の巨大施設が開発に入っているが、運用開始は数年先の話である。それもシェールオイル・ガス生産会社が増産することが前提となる。生産会社も生産地からのパイプラインはほとんどなく、増産に応じた巨額投資による施設拡充が必要となる(環境派のバイデン政権は化石燃料のパイプラインの認可はしない)。

ロシアはすでに、ルーブル支払いを拒絶したポーランド、ブルガリア、オランダ、デンマーク、フィンランドへのガス供給を大幅削減もしくは停止している。

輸出パイが限定されているLNG、ドイツなど欧州の大口需要先が市場から購入すれば価格は高騰する。カタールと交渉中とされるが、カタールは10年契約を要求、環境派のドイツは短期契約を望み、締結には至っていないという。また量も不明。イタリーはイスラエル(海底ガス田)などからすでに購入し、ロシア依存度を10%台まで減らしているという。

カタールはLNG船14隻を総額約4000億円で韓国勢3社に発注、サムスン重工業は別途14隻をほかの船主からLNG船を受注している。
カタールは中国へもLNG船を発注見通しだが、日本は蚊帳の外。

日本はカタールからも天然ガスを昔から大量購入しており、もう止めて、安価なシンベリア産天然ガスに切り替えたらいかがだろうか。
ただ、日本の三大海運会社は、今や韓国勢に船舶を建造させていることから、もはや日本の造船業は消滅間際なのだろう。
旧財閥系造船会社は、今では政府がお金に糸目をつけない軍艦や潜水艦など官公庁分だけ受注している。
 日本勢は、価格競争力がないことから、発注がかからず、進化し続ける技術開発も出来なくなっている。

天然ガス価格は、夏の冷房の電力用と冬場の11月~2月までの暖房用と暖房電力用の2需要期がある。
先物価格は一時9.000を超えていたが、現在は6.000台まで下落しており、ロシアのドイツへのガス供給停止に価格はほとんど反応せず落ちてきている。

天然ガス先物相場

NYM

19/12

2.298

21/6

3.663

21/9

5.710

21/12.

3.857

22/1

4.874

22/2

4.402

22/3

5.642

22/4

7.244

22/5

8.145

6/10

8.850

6/15

7.420

6/20

6.694

6/24

6.258

5月までは月末の価格

 

天然ガス先物相場

NYM

21/6.

3.663

21/9.

5.710

21/12.

3.857

22/1

4.874

22/2

4.402

22/3

5.642

22/4

7.244

22/5

8.145

6/10

8.850

6/15

7.420

6/20

6.694

6/24

6.258

 

 


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