アイコン 米バイデンインフレ退治 NY株価4日連続の大幅ダウン 今月0.75%の引き上げも


インフレが沈静化する兆候はない。ベースの先物価格がエネルギー・資源・穀物と広範囲に高騰しており、リーマンショックのような世界同時不況にでもならない限り、挙って下落する状況にない。リーマンショックでは米国でシェールガス・オイル革命があり、米国の経済立て直しを牽引したが、今回はそうした牽引材料もない。それはウクライナ戦争という地政学上の問題も含んでいる。

すでに米国では長期経済低迷が囁かれている。
すべてはバイデン大統領の昨年の1.9兆ドルの新コロナ経済対策に起因している。経済成長率を見る限りトランプ政権時代にすでに回復していたにもかかわらず、250兆円を市場に注ぎ込み、当初から懸念された高いインフレを引き起こした。
昨年秋までに株価は急回復、しかし、インフレも同時進行、FRBの金融引き締め策が台頭、NY株価も昨年11月をピークに下がり続けている。

米国だけの問題ならば、好きにしてぇで終わろうが、米バイデン景気は世界の資源・エネルギー・穀物・食料を高騰させた。

 

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さらに米国の金融引き締めでは米国以外は為替安を引きおこし、経済悪化を招く一因にもなっている。ウクライナ戦争での死者数より、世界の飢餓による死者数が桁違いに多いとされている。

米国の引き締めはテーパーリング(市場に購入していた資産売却・流通資金縮小)により実施開始、今年3月には基準金利も上げたものの、3月からのウクライナ戦争および資源国の露制裁による資源価格高騰の影響が重層的に市場に浸透してきており、インフレ退治は並の政策では乗り越えることができず、5月にも0.5%金利を再上げて1.0%にした。しかし、5月のインフレ率は8.6%に上昇、食料インフレ率は10%を超えている。
今月も0.5%の更なる引き上げ予想されていたがここにきて0.75%も一気に引き上げられる可能性が指摘されている。

元FRB長官のイエレン財務長官は雇用中心主義者、急激に改善されたものの、地域によってバラつきがあり傍観してしまったことにも起因している。
現在では人手不足で仕事口も数多にあり、労働者が条件のよい仕事に付くため自主退職者が急増するほど経済回復、賃金上昇、インフレを加速させる原因ともなっている。

新コロナからのホップ・ステップ・ジャンプの経済回復であろうが、世界の商品価格の同時上昇は3月・4月眠れる獅子だった中国経済の回復しだいでは、ジャンプはこれからかもしれない。

政治も経済も世界がバイデン米大統領の手綱捌きに翻弄されている。
バレンスキー劇場の総支配人兼脚本家がバイデン氏でプッチンプーチンが主役に抜擢されている。愚かな3人組だ。

日本は、財務大臣も日銀総裁も「円安は経済にとって良いことだ」と。
3月からのエネルギー価格などの高騰と、前年比20%を超す円安により、6月から消費市場ではさらに急激な値上かりが待ち構えており、岸田インフレは、今後加速するおそれが高い。しばらくすれば携帯電話代のマイナス因子もなくなる。

金利を上げれば国債発行金利が上がり、国債残1000兆円、1%上昇ごとに10兆円上昇、2022年度の政府予算は107兆円、国家歳入は65兆円(計画)しかなく、国債という借金の紙切れを36.9兆円新規発行(借り換え分は別)して切り回している国家財政、さらに紙切れを10兆円上乗せして発行するしか術がない。
今でも借金は雪だるま、ガンダムの実物大まで大きくなるしかない。
日本の政治家は化け物の錬金術師たちばかり、少子化が進む20年・30年後の将来の働く世代をまったく考えず、紙切れを湯水のように垂れ流しつづけている。財政を真剣に見直す必要があるのではなかろうか。
みなで渡れば怖くない。蔦で作られた吊り橋の国の懐、みなで渡るからこと怖い。怖いもの知らずではなく、票に直結する現世のご利益主義者ばかりで問題を先送りし続けている。

勢いを増した現代貨幣理論「MMT」、基軸通貨国でさえ、健全な国家財政の国や目指す国と、目指さない国では不平等が発生し、それが現在、これまで米金利上昇と連動しなかった円安が極単純な金利差から生じている。今回の円安はMMT論が台頭して初めての経験でもある。
日本政府の来世は、借金チャラのデノミでも視野に入れているのだろう。

ただ、米経済がリーマンショックのように破綻すれば、各商品の国債相場は下がり、金利も再度下がり、過度な円安も解消される。ただ、米経済が巨大なだけ破綻すれば世界経済も道連れとなる。リーマンショック再来の第2次新コロナショック到来近し?か。


スクロール→

米株価4日連続下落 NYダウ計8.1%ダウン

 

NYダウ

前比

NASDAQ

前比

長期金利

インフレ率

21/1

30,716

 

12,905

 

1.018

当月

21/6

34,524

12.4%

13,961

8.2%

1.501

5.4%

11/15

35,926

4.1%

15,960

14.3%

1.597

6.8%

22/1/3

36,451

1.5%

15,832

-0.8%

1.701

7.5%

2/1

35,405

-2.9%

14,346

-9.4%

1.800

7.9%

3/1

33,294

-6.0%

13,532

-5.7%

1.707

8.5%

4/1

34,818

4.6%

14,261

5.4%

2.377

8.3%

5/2

33,061

-5.0%

12,536

-12.1%

2.996

8.6%

6/1

32,813

-0.8%

11,994

-4.3%

2.931

 

6/7

33,180

1.1%

12,175

1.5%

2.972

 

6/8

32,910

-0.8%

12,086

-0.7%

3.029

 

6/9

32,272

-1.9%

11,754

-2.7%

3.044

 

6/10

31,392

-2.7%

11,340

-3.5%

3.156

 

6/13

30,516

-2.8%

10,809

-4.7%

3.362

 

・長期金利は米国債10年物利回り金利を掲載。金利差が円安の主な原因。

 

[ 2022年6月14日 ]

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