中国国家統計局は24日、予定より遅れて7~9月期の国内総生産(GDP)をはじめとする経済指標を発表した。GDPは前年同期比3.9%増と、市場予想の3.4%を上回った。4~6月期のGDPは上海などの厳しいゼロコロナ政策=ロックダウン政策の影響で、前年同期比0.4%にとどまっていた。政府は年間の実質成長率として5.5%の目標を掲げているが、達成は困難とみられている。
中国経済は、ゼロコロナ政策のほか、不動産バブル崩壊政策、共同富裕を掲げたIT企業への弾圧に近い規制強化、米中貿易戦争の影響から、内需経済はぐちゃぐちゃになっており、外需も欧米の金利引き上げ、経済低迷の影響を今後さらに受けることから前途多難な様相。
そうした中、政府は公共投資拡大で経済の立て直しを図り、不動産政策も購入に対する規制を大幅に緩和しているが、内需拡大は遅々として進んでいない。
失業問題もこれまで経済成長8%とか6%とで就職難から開放されてきた中国、GDPが4%前後ならば厳しい状況が続いているはずだ。失業者も多くが帰村しており、実質の就職難は統計上の数値(失業者数1100万人)とは大きく異なるようだ。
ただ、外需が停滞すれば、中国経済への影響は計り知れず、内需の動向が今後とも注目される。
一方、政治は、胡錦濤前国家主席を共産党大会の檜舞台の演壇から追い出した習近平独裁政権は、慣例を破り3期目(5年で1期/2期まで)に入り、中央政治局常任委員(6人)も習派一色にし、その独裁色をさらに強めている。
習氏は2012年胡錦濤前国家主席から指名され就任、1期目は腐敗撲滅を旗頭に江沢民一派=政敵を殲滅させ、2期目は米中貿易戦争、就任早々に暴動を起こしたウイグル族を恨みから弾圧=100万人収容所送り、1国2制度の看板を捨て香港弾圧・実質直接統治に。
習独裁政権が、内外で四面楚歌になった場合、一転突破全面展開の策に転じ、長期独裁の悪癖である戦争、台湾侵攻も現実に引き起こされる可能性が非常に高くなってきている。プーチンがそうであるように。独裁の長期政権はロクなことはない。
ただ、日本は、中国が、米国が風邪を引けば、内需も外需もぐちゃぐちゃになり寝込むしかない関係にある。
スクロール→
中国GDP推移 前年同期比
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中国
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Q1
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Q2
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Q3
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Q4
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年率
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2017年
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7.0
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7.0
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6.9
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6.8
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6.9
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2018年
|
6.9
|
6.9
|
6.7
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6.5
|
6.7
|
2019年
|
6.3
|
6.0
|
5.9
|
5.8
|
6.0
|
2020年
|
-6.9
|
3.1
|
4.8
|
6.4
|
5.1
|
2021年
|
18.3
|
7.9
|
4.9
|
4.0
|
2022年
|
4.8
|
0.4
|
3.9
|
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中国GDP推移 前期比
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中国
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Q1
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Q2
|
Q3
|
Q4
|
|
2017年
|
1.8
|
1.7
|
1.6
|
1.6
|
2018年
|
1.9
|
1.7
|
1.4
|
1.4
|
2019年
|
1.7
|
1.4
|
1.3
|
1.1
|
2020年
|
-10.1
|
11.6
|
3.2
|
2.4
|
2021年
|
0.8
|
1.4
|
0.4
|
1.3
|
2022年
|
1.6
|
-2.7
|
3.9
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