アイコン 上半期の貿易赤字▲11兆円 経常でも▲2兆円赤字  ドルで見た輸出とGDP推移


財務省が発表した、今年4~9月までの今年度上半期の貿易統計は、原油などエネルギー価格の上昇や円安の影響で輸入額が膨らんだことから、貿易収支は▲11兆75億円となり、過去最大の貿易赤字となった。
赤字額は、前年同期よりも10兆円余り増え、比較が可能な1979年以降で、年度の半期としては過去最大となった。

輸入額が前年同期間比44.5%増の60兆5838億円と過去最大。原油や液化天然ガスなどエネルギー価格の高騰に加えて、同期間での20%あまりの円安より輸入額の増加につながった。

一方、輸出額は19.6%増の49兆5763億円。自動車や鉄鋼半導体電子部品などが伸び、過去最大となったが、輸入の急増を補うことはできず、結果として貿易赤字が急拡大した。

また、同時に発表された先月の貿易収支は、2兆940億円の赤字となった。
赤字額は前年同期比3倍余りに増え、貿易赤字の増加に歯止めがかからない状況が続いている。
以上、

 

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日銀黒田氏が円安推奨の根拠とする輸出は、過去最大としながら、円安率を換算すれば、一切増加していない。
そうした輸出企業にしても、資源・材料・部品部材を輸入し、加工して輸出しており、付加価値分を除けば、円安輸出分が全部利益に直結するという馬鹿げたことは無い。
ましてや、エネルギー・資源・材料・部品代・穀物・食料は国際相場が高騰しており、20%の円安とともに輸入額を押し上げている。原油・天然ガスだけの問題ではない。
今後、米経済等がインフレ退治により悪化すれば、中国経済もさらに低迷し、日本からの輸出量が減り、米国のインフレ退治は向こう1年は続くとみられ、日本が金利を上昇させない限り、その金利差により、為替安は1年以上定着することが予想される。

欧米国は経済を犠牲にしてもインフレ退治の動きであるが、日本はインフレを抑えるため、賃金抑制策と、政府が紙切れを切っての補助金支出や政府支出の食管制度を利用してインフレを押さえ込んでいる。一国経済ならばそれは通用しようが、世界経済の渦中では治外法権的な動きとなっており、その政策が批判され、大幅な円安となり、投機対象に晒されている。

失業率が超低位にありながら、賃金が上がらない、賃金を上げさせないのは不思議過ぎる日本國の統制経済だろうが、世界には通用しない。そのお叱りが超円安ということだろうか。このままでは崩壊する。
すでにMMT経済の真っ只中にある日本國、安直に追随する奈良の化け猫ら政権者たち、現在の世界経済体制からいくら逸脱してもMMTでも限度があり、世界経済が日本経済の評価において、その修正を強制しているのが今日の超円安なのかも知れない。

2013年、2年で物価を2%にするとして導入した大金融緩和政策のアベノミクス、達成できず、その原因と検証と修正もせず、2017年には完全に破綻したにもかかわらず、大盤振る舞いし続けたのは、単に統一教会を選挙でフルに利用してきたのと同様、選挙で勝利するための道具してきたことによるものだろうか。
2020年までにGDPを600兆円にすると豪語したその人も達成には程遠いまま過去の人になっている。

経済再建を輸出に求め、循環経済を第一目標にしなかったことから、今では3本の矢の主矢がすべてへし折れている。
インバウンドでごまかし続けても、国民の延宿泊数は、家計所得が増えない中での増税を続けた消費不況により減り続け、そのインバウンドすら新コロナに奪い去られている。

輸出は単に円安効果で増加しているにもかかわらず、輸出量は15年前から増加していないにもかかわらず、輸出増で経済は再建されると日銀総裁すら嬉々しているのは滑稽としか言いようがない。
威勢の良かった鯉、料理もせず、包丁も研がず、死ぬまでまな板に乗せ続けるのだろうか。

円に対する国際評価は、輸出額・輸出力でも評価される。当然ドル換算値によるものだ。2010年から、世界経済は毎年平均して3.8%前後経済成長(膨張)しているのだが・・・。世界が求める輸出品が2010年からまったく増加していないということではないだろうか。
それは未来投資さえ削減し続けている聖域なき削減のマイナス効果および、アベノミクス下、企業は空前の利益を出したにもかかわらず、従業員にも利益還元もせず、開発投資・生産性向上のための投資にも回さず、内部留保と株主還元策に全精力を使い果たし続けた今時のサラリーマン社長たちの悲しい性(サガ)の結果でもあろうか。


スクロール→

ドル換算の日本の輸出額とGDPの推移

 

輸出額

GDP

備考

2007

714.33

4,579.75

 

2008

781.41

5,106.68

 

2009

580.72

5,289.49

リーマンショック

2010

769.77

5,759.07

 

2011

823.18

6,233.15

東日本大震災

2012

798.57

6,272.36

 

2013

714.61

5,212.33

アベノミクス

2014

690.20

4,897.00

2015

624.92

4,444.93

2016

645.05

5,003.68

2017

698.33

4,930.84

2018

738.14

5,040.89

2019

705.56

5,120.31

2020

641.32

5,031.62

新コロナパンデミック

2021

756.03

4,932.56

・輸出は国連、GDPはIMF/単位は10億ドル

 

[ 2022年10月20日 ]

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