現在の対ドル円は前年同月比30%を超える円安となっており、国際商品価格が米バイデンとぷっちんプーチンのウクライナ侵攻などなく、昨年の価格であったとしても日本円での輸入価格は30%超高く購入せざるを得なくなっている。
相棒がいなくなった日銀黒田氏は、習近平並みに審議員全員を、自らに迎合する親近者ばかりにして、「大金融緩和は日本に必要だ」と言い続けている。
自らの大金融緩和策導入に当たっての公約は「2年で物価上昇2%」であったが、とっくの昔に破綻しているにもかかわらず、長期に渡ったことから、すでに手が付けられなくなっており、大金融緩和の修正はほとんど不可能になっている。
しかし、黒田氏はマイナス金利という大金融緩和策を執行するからには、パンデミックという外的要因にも幾分対処できる方策も準備が必要であったろうが、スッポンポン、何も用意・準備もせず、外的要因の円安だけで輸入価格は30%上昇、全体のインフレ率も3.0%上昇させ、「デフレは終わった」と茶番発言に終始している。
目の前には不況下の物価高=スタフグレーションの脅威が待ち構えているにもかかわらず。
黒田氏は目立ちがり屋、自らの正当性を自らに言い聞かせるように、最近でもNY出張でも・国内での講演でも持論を公表し続けている。そのたびにドルの安心買いが進み、ハゲタカの餌食になり、円安を加速させている。
一方、鈴木財務大臣も、125円段階では誰が言ったのか受け売り発言で円安は日本経済にとって良いことだと発言、当時、金融トップ2人の発言だけに円安を加速させた。
ただ、130円台になると鈴木財務大臣は過度な円安はと軌道修正した。
配下の神田財務官は過度な円安、急速な円安に対して、ドル買いで対処すると宣言、今では「ドル買い資金に限界はない」と、いくらでもあると豪語し、21日に151円を突破した対ドル円は、米国債10年物の利回りが若干弱含みしたことも加え、神田財務官様の強烈なドル買いで10月22日現在147円台まで買い戻されている。
日本の輸出は9月過去最高になったと言っても30%も円安に触れた効果であり、ドル値では増加しておらず、外貨準備高は輸入や国際間決済に伴う通貨の信用のためのものであり、主たる輸出も増加せず、輸入もすでに国際価格では原油は一時より大幅に値下がりしており、天然ガスや小麦などの価格が高止まりしているに過ぎず、米経済が低迷することから、総じて国際価格は下がり、すでに弾薬不足・ミサイル不足に陥っているロシアもこのまま肉弾戦でウクライナ侵攻を続けるわけには行かず、落ち着くところに落ち着く。
インフレ退治の米金利はまだ上昇し、対ドル円も155~160円に達しようが、米経済が悪化して、今年2月には7.9%のインフレを見ており、来年2月には前年比のインフレ率は大きく下がることになる。
輸入価格が市場に反映するには2~3ヶ月のタイムラグがあり、また労働者数の減少、賃金上昇がストップすればも現在強い購買力の消費者の購買も鈍化し、価格も下がり、振り返し根絶のためしばらくは高金利が続こうが、来年の今頃は、米金利は若干下げに転じているものと見られる。そうした流れは長期債権利回りに敏感に反応し、円安も調整され、120~130円まで円高になると見られる。
(ただし、プーチンがプッチンして核でも使用すれば、再び国際商品価格は急騰するものと見られる。)
インフレ退治の米金利上昇は米経済が悪化することを意味し、中国の経済回復の足かせとなり、日本からの米・中・韓向け輸出は低迷することになる。
日本の国債保有残高は今年3月、露制裁による国際商品先物価格暴騰、インフレ退治の米金利の最初の利上げに伴う、円売りを財務省が米国債を売却してドル売り・円買いで支えたものと見られる。
まだ8月までしか公表されておらず、財務省の神田財務官が表舞台に登場した9月から、ドル売り・円買いのため、保有する米国債はさらに大幅に売却されたものと見られる。
日本は外貨準備高に占める米国債保有残高保有比率は92.8%と異常に高い。もう相手にもされていないにもかかわらず、政治家は日米貿易戦争が30年前と同じく生じていると錯覚しているようだ、超高齢政治家たちの加齢アレルギーのせいだろう。
貿易のため、他国の国債などを政府系が戦略的に保有することが求められようが、そうしないところが米国の腰巾着・金魚の糞と揶揄される所以なのだろう。外貨準備高の有効活用術の査定は30点。
スクロール→
日本の米国債保有高/米財務省/ほか
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日本の米国債保有高
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外貨
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対ドル円
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米国債10年もの利回り
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米国債保有高/億ドル
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増減
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準備高
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日本売り
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21/4月
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12,768
|
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13,784
|
108.706
|
1.616
|
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21/9月
|
12,996
|
|
14,093
|
110.155
|
1.513
|
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21/10月
|
13,204
|
208
|
14,045
|
113.150
|
1.582
|
|
21/11月
|
13,286
|
82
|
14,057
|
114.039
|
1.440
|
|
21/12月
|
13,040
|
-246
|
14,057
|
113.919
|
1.506
|
|
22/1月
|
13,031
|
-9
|
13,859
|
115.100
|
1.821
|
|
22/2月
|
13,063
|
32
|
13,845
|
114.990
|
1.795
|
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22/3月
|
12,324
|
-739
|
13,560
|
121.660
|
2.386
|
|
22/4月
|
12,185
|
-139
|
13,221
|
129.830
|
2.887
|
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22/5月
|
12,237
|
52
|
13,296
|
128.110
|
2.884
|
|
22/6月
|
12,363
|
126
|
13,112
|
133.830
|
2.972
|
|
22/7月
|
12,343
|
-20
|
13,230
|
135.061
|
2.642
|
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22/8月
|
11,998
|
-345
|
12,921
|
138.960
|
3.133
|
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22/9月
|
未発表
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12,381
|
144.750
|
3.804
|
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10月22日
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|
147.711
|
4.219
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ピーク比
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-1,288
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-1,712
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30.5%
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←円安
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同率
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-9.7%
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-12.1%
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前年同月比
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・3月10日から大幅円安進行、米金利高と露制裁に起因
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・日本の10年もの国債利回りは上限0.25%、日銀買いオペで塩漬け。米10年もの国債利回りと比較し、金利差が拡大し続け、円安が進む。
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・各月末数値/出典は米財務省、日本財務省、日経リアルタイムチャート。
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