エチオピアが12月26日、国債の3300万ドルの利払いを実施できず、デフォルト(債務不履行)に陥った。アフリカ諸国のデフォルトは、過去3年でザンビア、ガーナに続き3ヶ国目。
10億ドルの国債の利払い日は12月11日で、26日が14日間の猶予期間の最終日だった。
関係者によると、猶予期限前の最後の営業日となる12月22日中に利払いが確認されなかった。
今後、20ヶ国・地域(G20)の低所得国の債務軽減措置「共通枠組」にザンビア、ガーナとともに加わる見通し。
エチオピアは、内戦やコロナ禍で経済・財政が疲弊。中国を含む債権国とは11月に返済一時停止で合意したが、12月8日に年金基金、その他の民間債権者との交渉が決裂したと発表していた。
以上、
エチオピア 2022年 IMF版
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人口
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1.1億人
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GDP
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1203億ドル
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22年輸出
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39億ドル
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22年輸入
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186億ドル
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政府債務残高
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GDP比46.4%
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外貨準備高2020年
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30億ドル
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中国国策銀行の中国輸出入銀行と中国交通建設だけでもエチオピアに対して2000年以降、121億円以上を投融資している。
中国はエチオピアではスマホの通信関係と鉄道関係に多額の投融資を行っている。しかし、インフラの建設資材も労働力も中国から送り込まれ、融資の金利も5%前後と先進国のODAによる低利融資とはまったく異なる異次元の金利。スマホも安価な中国製、鉄道の運行も管理も中国人となっている。
現在のエチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)との左派連立政権は、インフラ投資を積極化させ産業を起こす計画だったが、1億人の人口以外、これといった資源がないエチオピア、今では借金返済に追われ、身動きが取れなくなってきている。
あの中国でさえエチオピアの新規投資については躊躇している。
アジスアベバからインド洋に面するジブチまでのエチオピア鉄道、中国が運営しているが、鉄道料金が高く、エチオピア国民は、人も物も安価に運べるトラック利用を優先している。金持ちたちには鉄道が利用されている程度。鉄道建設費もアフリカ全体の平均建設価格より大幅に高い。
主要線は完成し運行しているが、路線の主要都市から北部への鉄道計画などはジブチ線の経営が赤字から中国は投融資を見送っている。
しかし、開発が遅れると地域の部族の不満が高まり、政情不安にも陥る。ティグレ族の不満はそこにある。
同国北部のティグレ州のティグレ人民解放戦線(TPLF)は2020年11月与党から離脱、政府軍と内戦状態に発展したが、昨年11月AUの仲介で停戦が実現、TPLFは北部の自州に撤退している。ほかにはエチオピア中南部のオロミヤ州ではオロモ開放戦線が活動している。
中国のインフラ投資が滞り、中国インフラ投融資の恩恵にならなかった州では不満が蓄積しており、またいつドンパチが始まるかわからない。
中国のインフラ融資は政権の裏表で潤沢な資金となるが、政権外は関係ない話。まず、賄賂の提供からお近づきになる中国のインフラ融資国殺法。
相手国の政権が長期にわたり安定していればよいが、大きく変われば、中国の投融資金についても反故にする政権が誕生する可能性もある。
それでも地獄の底まで借金の返済を求めていく中国習政権、それを監視するためにもすでに世界各地に橋頭堡を構築している。
今では多くの国が借金の返済ができなくなり、中国は返済を猶予する代わりに高利の利息を元金に組み入れ、借金を膨張させ続け、経済支配を強化している。
エチオピアの名目GDPは2010年の385億ブルから2022年には6157億ブルと12年間で16倍も経済規模は増加している。中国インフラさま様のようだ。