生成AI「チャットGPT(ChantGPT)」が2022年11月に登場し、続く2023年は人工知能(AI)の歴史的転換の年となった。
無償や廉価で利用できるオープンソース環境と、テキスト・画像・音声・数値など複数の種類のデータを一度に処理できる統合型のマルチモーダルモデルが一体となってAI研究を大躍進させた。
生成AIが研究室から現実社会へと浸透するに伴い、この新たなテクノロジーに対する考え方も成熟しつつある。
業界の専門家も、2024年のAIトレンドについていくつかの見通しを示している。
それらは主に以下の五つに分類される。
1、■生成AIの急速な発展がさらに続く
2022年11月に登場したAI画像生成ソフトが生成AIの火付け役となり、チャットGPTの発表でその熱気は頂点に達した。
生成AIが脚光を浴びる前は、ほとんどのAIアプリケーションは「予測型AI」だった。その名が示す通り、「予測型AI」は新しいコンテンツを生成することなく、既存のデータに基づいて傾向分析や予測を行うものであった。
これに対し生成AIは機械学習を用いて、訓練データから「思考」のパターンを学習し、独創的なアウトプットを生み出すことができる。
生成AIとAIを用いて作成する偽画像(ディープフェイク)の専門家であるHenry Adjer氏は「私たちは、まだこの生成革命の初期段階にいる。将来的には合成メディアやコンテンツは日常生活の至る所に普及し、また民主化もされると思われる。これは単なる目新しいものではなく、娯楽、教育、情報提供の分野で突出的な進歩をもたらすことだろう」と語っている。
2、■AIモデルは単一モーダルからマルチモーダルへ
従来のAIモデルは、単一モーダル(情報の種別)からの情報処理に特化していた。しかし、現在では「マルチモーダル深層学習」によって、異なるモーダル間の関係を学習させることが可能になり、「テキストを画像に変換」したり、「画像を動画に」、「テキストを音声に」変換したりすることができるようになった。
従来のAIモデルは、単一のモーダルからの情報を処理することに重点を置いてきた。つまり、テキストを画像に「翻訳」したり、画像を動画にしたり、テキストを音声にしたりすることができる。
マルチモーダルモデルは、AIとユーザーとが非常に効率的に相互交信ができるため、昨年から特に注目を浴びている。
また、これはグーグルが、昨年12月に発表した大規模言語モデル「ジェミニ(Gemini)」のプロモーションビデオが話題になった理由でもあった。
ビデオの中で、「ジェミニ」は画像をリアルタイムで認識し、音声や画像を生成して回答を補助しているように見えた。
ところが、その後グーグルは、この映像に編集が加えられていたことを明かした。しかし、それでも、少なくともマルチモーダル型AIが将来どのようなものになるか、その方向性を示したと言える。
3、★AIは業界の垣根を越えて、あらゆる業界のさまざまな業務に組み込まれる
今や多くの人たちが、習慣的にチャットGPTやその他のAIツールを開き、いつでも自分の仕事をアシストしてくれる「秘書」として活用させているはずだ。
1月のダボス会議で、新進気鋭のAI研究開発機関「オープンAI(OpenAI)」の創業者でCEOのサム・アルトマン氏は「AIがもたらす技術革命はこれまでとは異なるが、人々が懸念するほど多くの仕事がAIに取って代わられることはなく、それどころか『生産性を向上させる素晴らしいツール』になる」と強調した。
この未来予想について確かなことが一つある。労働者であるわれわれはAIに関連する新たなスキルを身につけ、適応していく必要があるということだ。
あらゆる機器に組み込まれ、ヒトと同質化して機能するようになる。いずれ脳信号をかつてに読み取り、主体のヒトに情報を提供することだろう。
4、■AIは個性化を増強する
近年、われわれユーザーは「ユーザーごとに個性化されたお薦め」の魅力を実感している。ソーシャルメディアからビデオサイトまで、ますます複雑化されたアルゴリズムは、常にユーザーが何を見たいのかを知っているようで、適切な時に適切なコンテンツを表示してくれる。
AIは、真の「一対一」の応答を究極の目標として、各種メディアの「マス」のコミュニケーションから「ニッチ」な情報交信への変革を加速させている。
AIのスタートアップ企業「シンセシア(Synthesia)」のCEO・ビクトル・リパルベリ氏は「近い将来、マス・コミュニケーションは、ますます過去のものになる。
合成メディアとコンテンツが、個性化された新しいコミュニケーション形態を生み出し、伝統的なメディアの景色は徹底的に変化するだろう」と予測している。
5、■AIの監督管理の重要性
意外なことではないが、今年はAIに対する監督管理が重要視される年になる。AIはますます強力になっていく。
映画『スパイダーマン(Spiderman)』の中の名セリフ、「大いなる力には大いなる責任が伴う」のように責任もまた重くなる。
現在、欧州連合(EU)はAI規制の主導権を握っているようだ。欧州議会とEU各国は昨年12月、AI規制に関し合意に達したと報道された。EUは将来的にAIシステムをさまざまなリスクグループに分類し、それぞれ適切な規制を設けようとしており、その規則が世界中に適用されることを望んでいるという。
以上、AFP参照
日本のAIスピードが特急電車ならば、先進国のスピードはリニアだろうか。
当然、兵器へも応用され、さらに無人攻撃型が増加する。
AIロボット兵器は、破壊されるまで自ら攻撃・防御を最適化し、目標達成まで攻撃し続ける。
米国のAI研究者が2018年2月、韓国のKAISTが軍需企業出資の同大内の研究センターでAI兵器を共同研究していると暴露、KAISTは懸命に否定していた。
それから育成型AIが発表されるまでに6年間を要している。
次のAIはいつ登場するのだろうか。
すでにAI製品の小型化・高性能化を可能にする2ナノ・1ナノの時代に突入している。日本では加速度半導体(PFN)なども開発されており、ますますヒトの回路のスピードに近づく。・・・メモリ半導体のNANDも東芝が開発したものだ。
完全自動運転車も今では大量の情報を、育成型AIで最適化させ、運行させる研究が進んでいる。
テスラの完全自動運転試験車が、交差点で救急車両を認識しなかったこと、車両とぶつかった自転車がテスラ車の前に倒れてきたのを認識しなかったことなどは、育成AIでは考えられなくなることだろう。