12日の米株式市場で半導体メモリー大手マイクロン・テクノロジーが大幅安となった。
人工知能(AI)に関連している競合より見劣りする株価動向が続くと、BNPパリバ・エクサンが警告した。
アナリストのカール・アッカーマン氏は「アウトパフォーム」としていたマイクロン株の投資判断を、「アンダーパフォーム」に2段階引き下げた。
ブルームバーグがモニターするアナリストの中でマイクロン株の売りを推奨したのは同氏1人だけ。株価目標も140ドルから半分以下の67ドルに引き下げ、ウォール街のアナリストで最も低くなった。
対照的にアナリストの9割強はマイクロンに「買い」相当の投資判断を与えており、目標株価の平均値は156ドル。現在の株価を約80%上回る。
「直近の業績に対する下振れリスクを正しく想定している投資家も一部にはいるが、マイクロンがAI関連半導体メーカーをアンダーパフォームする状況は来年いっぱい続くと当社ではみている」とアッカーマン氏はリポートに記した。
広帯域メモリ(HBM)の容量供給超過によって「従来型DRAMの平均販売価格(ASP)の調整局面は、想定よりも早くやってくる」とも指摘した。
マイクロン株は一時7%余り下落し、84.12ドル。6月高値からの値下がりは下落率は40%を超え、2月安値に接近している。
アッカーマン氏はこうした株価下落を踏まえた上で「現行水準でのリスクリワードは依然として好ましくない」と判断した。
マイクロン株は年初来ではほぼ横ばいだが、フィラデルフィア半導体株指数は16%上げている。
AI半導体大手のエヌビディアに至っては、年初からの値上がり率が140%に近づいている。
以上、
メモリ半導体DRAMの価格は昨年10月底を打ち、その後反転している。しかし、大票田の中国経済の低迷により、半導体の需要は限られ、汎用メモリ半導体は今年7月をピークに早、価格が下落している。
現在、メモリ半導体メーカーの業績を牽引しているのは、最先端半導体であり、DRAMではAI半導体とセットされるHBM(広帯域メモリ)やPCの主力となっているSSD(NAND系)の高性能版であり、ともにデータセンターや最新生成AIを搭載したスマホやPCに引っ張りダコとなっており、需給バランスもとれ高価格取引、半導体メーカーの業績を牽引している。ただ、HBMにしても韓国勢2社のシェアが8割とされ、ほかのメーカーはAI半導体ブームの利益をあまり享受できていない。
米マイクロンもHBMは開発しているが、向こう見ずに投資し続ける韓国勢に比し、製造工場に制約があり、その生産数量は限られている。
市場の評価ではNVIDIAと取引や同社製品のGPUとセットする半導体を製造しているメーカーは利益を享受しているが、そうでないメーカーは業績の回復度合いが遅れている。前年同月比で見た場合、汎用メモリ半導体の相場は大幅に改善されているものの、HBMでNVIDIAのGPUにセットされるとSKハイニックスは、まだN社に納品していないサムスン電子とでは業績の回復度合いが異なっている。
NVIDIA製品を製造する台湾TSMCも好業績を納めている。
汎用製品であるメモリ半導体を製造するキオクシアなどは資金も限られ、最新の高性能NANDやSSD開発にも遅れをとっており、このままだと淘汰されることになる。
サムスンにAI半導体セット向けのV-NAND開発・業界初
サムスン電子は12日、業界で初めて1テラビット(Tb)容量のクアッドレベルセル(QLC)9世代の垂直型ナンド(V-NAND)製品を量産する。
人工知能(AI)時代に需要が大きい大容量メモリ半導体の一種であり、サムスンの人工知能半導体競争力が改善されるか注目される。
クアッドレベルセルは、一つのセル内に4 ビットのデータを記録できる製品を指す。3ビットを記録するトリプルレベルセル(TLC)よりデータ処理速度は落ちるが、単位面積当たりの容量が大きくなる。
ただ、欧州はインフレ退治の高金利に景気は悪化し、金利を下げている。米国では雇用指数の悪化を受け18日にも高金利を下げる動きに入る。金利と景気にはタイムラグがあり、また、景気悪化に至らず、ソフトランディングするとする米国経済、それに基づいて、株価は過去最高値水準にある。しかし、中国経済は振るわず、欧州経済の回復が遅れれば、AI半導体搭載のスマホ・電子製品・電化製品なども消費が低迷し、メーカー主導の景気が一巡すれば、低迷することも予想される。