中国がまたもや日本を取り込もうとしている。1月中旬に北京で行われた自民党・森山裕幹事長と中国の王毅外相の会談で、王氏が2月前半に開催される冬季アジア大会に合わせた石破茂首相の訪中を非公式に提案していたことが明らかになった。日中外交筋によると、中国側は日本との関係を急速に安定させるため、トップ外交のカードを切ろうとしているという。
背景には、中国がトランプ米政権への対応に追われる中、日本との関係を強化し、自国に有利な国際環境を作りたい狙いがあると見られる。しかし、日本政府は2月7日を軸にワシントンでの石破氏とトランプ大統領との首脳会談を最優先する方針を固めており、同時期の訪中は難しい状況だ。
中国側は、日中韓首脳会談に合わせた李強首相の訪日や、新型コロナ禍の影響で延期されている習近平国家主席の訪日を実現するための環境整備を進めているとされる。つまり、日本を中国外交の駒として利用しようという思惑が透けて見えるのだ。