中国の不動産価格 前月比上昇が17都市に増加 主要70都市中
中国の民間不動産調査会社の中国指数研究院が12月1日発表した11月の国内100都市の新築住宅平均価格は前月比0.36%上昇し、伸び率は10月の0.29%から加速した。前年同月比でも2.08%上昇から2.40%上昇に拡大した。
中国政府は9月24日から数度にわたり、住宅購入時の減税や頭金減額など各種規制を緩和し、マイホーム機運を刺激する経済対策に乗り出しており、その効果が表れたとみられる。
また、12月16日に発表された国家統計局の主要70都市の集計データでは、11月の新築住宅価格は前月比で1年5ヶ月ぶりの小幅な下落となった。政府が不動産セクター支援に向けた刺激策を強化したことを受けた。一部の主要都市で安定化の兆しが出ている。
調査対象の70都市中、上昇に転じたのは17都市で、前月から10都市増えた(別途、変わらずの100.0%が4都市)。
上海で0.6%、深センで0.3%、それぞれ上昇した一方、北京は▲0.5%下落した。
統計局データに基づくロイターの算出によると、11月の新築住宅価格は前月比▲0.1%下落。下落率は10月の▲0.5%から鈍化し、昨年6月以来最も小幅となった。前年同月比では▲5.7%下落、10月は▲5.9%下落だった。
ロイター調査によると、一連の政策の効果が出始めたことで、2024年と25年の住宅価格は下落ペースが緩やかになり、26年には価格が安定化する見通しを予測している。
以上、ロイター、国家統計局参照
前月比では不動産対策が奏功しているが、前年同月比ではまだまだ低い(94%以下)都市が多い。価格上昇は買いによる価格上昇だが、刺激策が一巡して再び下落する可能性もあり、若年失業率‘(10月17.1%)や消費動向を注視する必要がある。内需が不動産含む消費拡大により回復しない限り、内需不振のままでは不動産だけ価格上昇には限界がある。
スクロール→
2024年 中国主要70都市の住宅価格指数 |
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|
11月 |
10月 |
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|
|
前月比 |
前年比 |
前月比 |
前年比 |
1 |
天津 |
100.3 |
97.1 |
99.5 |
97.2 |
2 |
太原 |
100.1 |
100.5 |
100.2 |
100.2 |
3 |
長春 |
100.2 |
96.8 |
99.8 |
96.1 |
4 |
上海 |
100.6 |
105.0 |
100.3 |
105.0 |
5 |
南京 |
100.1 |
92.4 |
99.4 |
91.4 |
6 |
杭州 |
100.9 |
97.4 |
99.6 |
97.0 |
7 |
寧波 |
100.2 |
91.2 |
98.9 |
90.6 |
8 |
アモイ |
100.5 |
90.0 |
100.2 |
89.1 |
9 |
武漢 |
100.4 |
90.6 |
99.0 |
89.9 |
10 |
深セン |
100.3 |
92.9 |
100.1 |
91.9 |
11 |
南寧 |
100.0 |
92.3 |
99.1 |
91.4 |
12 |
重慶 |
100.3 |
94.2 |
99.8 |
93.7 |
13 |
成都 |
100.5 |
95.5 |
99.6 |
95.3 |
14 |
貴陽 |
100.0 |
94.9 |
99.4 |
94.3 |
15 |
ウルムチ |
100.0 |
96.4 |
99.9 |
96.3 |
16 |
錦州 |
100.3 |
95.0 |
99.4 |
94.3 |
17 |
韓州 |
100.0 |
93.8 |
99.9 |
93.2 |
18 |
平頂山 |
100.1 |
97.8 |
100.2 |
97.5 |
19 |
宣昌 |
100.3 |
94.9 |
99.5 |
94.8 |
20 |
湛江 |
100.9 |
91.8 |
99.2 |
90.4 |
21 |
南充 |
100.3 |
96.7 |
99.7 |
96.3 |
ほかの主要都市 |
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|
北京 |
99.5 |
94.7 |
99.3 |
95.1 |
|
瀋陽 |
99.9 |
95.6 |
100.1 |
94.9 |
|
大連 |
99.2 |
93.6 |
99.4 |
93.5 |
|
青島 |
99.8 |
93.1 |
99.4 |
92.8 |
|
広州 |
99.7 |
90.1 |
99.3 |
89.6 |
|
西安 |
99.8 |
100.3 |
99.4 |
100.7 |
|
吉林 |
99.7 |
94.7 |
99.5 |
95.3 |
|
桂林 |
99.8 |
96.2 |
100.2 |
96.3 |