【経済ミニコラム】石破政権が“命運を託す”と表現するほど、コメ問題は政治のど真ん中にある。高止まりする米価は家計を直撃し、有権者の関心も高い。そんな中、小泉進次郎氏が農相に起用された背景には、単なる人気取り以上の計算がある。JA改革の実績、発信力、そしてなにより消費者目線を前面に出す姿勢が期待されている。だが、需給構造の複雑さや既得権との対峙など、短期決戦で結果を出すには難所が多い。選挙を見据えた政治のスピード感と、農政に必要な地道な構造改革。この矛盾をどう乗り越えるか。コメ（米）とコメ（米国）を握るという政権の言葉が、軽くならぬよう注視したい。