【経済ミニコラム】かつて世界の海を席巻した日本の造船業が、国家主導で再生の舵を切る。国の後押しでドックの整備やGX投資、さらには米国との連携まで進める構えだ。背景にあるのは、建造・修繕ともに中国にほぼ独占された現状への危機感。特に海運インフラの中国依存は、経済安全保障上のリスクとして無視できない。注目は、日米造船再生ファンド構想。防衛にも直結するデュアルユース分野での連携は、トランプ氏再登場の可能性を見据えた「関税カード」にもなり得る。かつての“造船王国ニッポン”が、次世代燃料船や砕氷艦技術を武器に再浮上できるか。その成否は、官民連携とスピード感にかかっている。