アイコン ネクスペリア半導体 ドイツでも操業時短 独製造業の1割が半導体不足影響

Posted:[ 2025年11月 7日 ]

経過、
オランダ政府は10月1日、中国の企業の聞泰科技の完全子会社であるネクスペリアを事実上、国有化し、半導体の中国輸出を停止した。
当処置について、当初、安保上とされたが、最近では中国・東莞工場(ネクスペリアの中国工場もしくは中国現地法人の工場)が、ネクスペリア側への支払いを変更したことに起因しているという。

★ネクスペリアは製造した半導体を東莞工場に送り、東莞工場でパッケージングして世界の自動車・家電メーカーなどへ輸出していた。その代金のオランダ本体への還流問題。

これに対して、中国商務省は10月4日、オランダの大手半導体メーカーのネクスペリアが、広東省東莞市などで組み立てている半導体の外国への輸出を禁止すると発表した。ネクスペリアは、ディスクリート半導体の重要なサプライヤー。
その影響は、ホンダのメキシコ工場の一部車両の生産停止、ドイツ企業もすでに影響を受けているという。

これを受け中国商務省は11月1日、正常な取引であれば輸出を再開すると発表した。
しかし、ネクスペリアはオランダからの中国への半導体輸出を停止しており、東莞工場の在庫が無くなれば、そうした輸出もできなくなる。

 



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一方、ネクスペリアは東莞工場以外で何とかパッケージングして顧客に提供するとしている。しかし、東莞工場が7割を占め、同社が別に有しているフィリピンとマレーのパッケージング工場の生産量は全体の3割、生産量を倍にしても6割にしかならず、不足し続けることになる。

ディスクリート半導体とは、トランジスタやダイオードなど、単一機能を持つ個別半導体のこと。集積回路(IC)と異なり、ディスクリート半導体は1つの素子で1つの機能に特化している。(価格は安価で生産メーカーは限られている)

自動車に欠かせないディスクリート半導体
 コンサルタント企業S&Pは、「ネクスペリアが生産している半導体は、コモディティーと呼ばれる基本的な半導体。売上額で見ると、世界のディスクリート半導体市場に占めるシェアは約5%前後にとどまる。しかし、使われている数で見ると、大きな市場シェアを持っている」と推定している。
つまりネクスペリアの半導体は、「自動車産業のコメ」とも呼ぶべき重要な役割を演じている。
 ネクスペリアは毎年1000億個を超えるディスクリート半導体を生産し、そのうちの約50%を、欧州などの自動車メーカーや自動車部品メーカーに供給している。
同社が生産する約6000種類のディスクリート半導体は、フロントガラスに雨が落ちたことを感知するセンサーや、エアコン、エアバッグ、運転補助機構など、自動車の様々な部分に使われている。
欧州で生産される乗用車1台につき、ネクスペリアのディスクリート半導体が約500個使われているという。
業界関係者は「全ての自動車メーカーが、ネクスペリアの半導体を使っている」と語る。つまり同社は、自動車産業にとって欠かせないサプライヤーである。

ネクスペリアは、オランダのフィリップスが2006年にスピンオフさせた半導体部門NXPを母体に2017年に分離設立された半導体メーカー。従業員数は約11万2500人。

同社はドイツのハンブルク工場と英国のマンチェスター工場で生産した半導体部品を中国東莞市の工場に送り、パッケージングと呼ばれる半導体の加工やテストを行った後、欧州などの自動車メーカーや自動車部品メーカーに輸出していた。その理由は、中国の人件費が欧州よりも低いからである。

ネクスペリアはパッケージングとテストのための設備の80%を中国に置き、同社の半導体の約70%を中国経由で、顧客に送っていた。ネクスペリアの年間売上額の約48%は、中国で生み出されている。

ドイツの自動車部品メーカーが労働時間短縮へ
 このため10月4日の中国政府の発表は、ドイツの自動車業界、特に部品メーカーに強い衝撃を与えた。
★世界最大の自動車部品メーカー、ボッシュは11月3日、「ネクスペリア製半導体の不足により、ザルツギッターの工場で労働時間を短縮する、と連邦労働局に伝えた」と発表した。
ドイツ企業の経営者は従業員の労働時間短縮や工場閉鎖などを、連邦労働局に対し事前に通告するよう義務付けられている。
★ドイツの自動車部品大手ZFも、国内工場で労働時間短縮へ向けた準備を始めた。
☆欧州自動車工業会(ACEA)は10月16日、「ネクスペリアは、自動車の電気系統を制御する半導体の供給者として重要な地位にある。同社の半導体がなければ、多くのサプライヤーが部品を生産できなくなり、自動車メーカーの生産停止につながりかねない。ネクスペリア以外のメーカーから半導体を調達し、部品の生産体制を構築するには、数ヶ月かかる。一部のサプライヤーは、ネクスペリアの半導体の在庫があと数週間で底をつく」という悲観的な声明を発表した。
★フォルクスワーゲン、BMW、メルセデス・ベンツなど独大手自動車メーカーは対策本部を設置し、ネクスペリア製半導体の供給停止が長期化した場合の影響を分析。
このうち、フォルクスワーゲンは10月31日、「我が社はネクスペリアから直接半導体を買っていないが、サプライヤーから調達する部品にネクスペリアの半導体が使われている。今のところ、生産に影響は出ない見通し」というコメントを発表した。
★ミュンヘンのifo経済研究所が行ったアンケートによると、ドイツの製造企業のうち10.4%が「半導体不足に直面している」と答えている。

 

 


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