アイコン 米中レアアース戦争 自動車産業直撃か、半導体、防衛産業にも深刻な影響へ


中国は11月1日よりレアアース輸出を再度規制するとともに、規制対象を増加させ、製造機械装置なども対象とするほか、その管理に至るまで厳しい内容となっている。
米中レアアース戦争、米国の対中関税爆弾や制裁爆弾に対抗して、中国はその垣根を高くし続けているレアアース、果たして軍配は・・・。

第2ラウンドは11月1日から始まるが、10月30日のAPEC米中首脳会談で双方がいろいろ譲歩し棚上げされるか・・・。

これを受け、世界の自動車業界は、中国産レアアース(希土類)磁石の不足で数週間内にも自動車工場が閉鎖に追い込まれる可能性があると警鐘を鳴らしている。
世界中の自動車メーカーなどが重要素材のレアアース(稀土類)を大慌てで探し回っている。

米国自動車イノベーション協会(AAI)は、中国産レアアース(希土類)磁石の不足で11月中にも自動車工場が閉鎖に追い込まれる可能性があると警鐘を鳴らしている。

自動車メーカーやサプライヤーは、中国の輸出規制発動前に在庫を確保していたが、4月の中国の輸出規制で在庫を吐き出しており、レアアースは中国が圧倒的なシェアを占め、自動車メーカー幹部は部品不足や工場の操業停止が起きかねないと懸念している。

 

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★中国は、レアメタル・レアアースの「採掘」、「製錬・分離」、「金属精錬」、「製品」、「磁性材料製造」、「リサイクル」で、中国技術の製造方法・製造機械・装置を有しており、今回の輸出規制では、それらにも厳格な輸出規制はかった。

<鉱業や自動車、再生可能エネルギーなどへの影響も投資家は注視>
ホルミウム、ユウロピウム、イッテルビウム、ツリウム、エルビウム。こうしたレアアース(希土類)の名前は、投資の教科書にはほとんど登場しない。だが今や、ウォール街の辞書に欠かせない存在となりつつある。
 
★レアアースは、高性能兵器や最先端の半導体、ハイテク自動車の製造に使用されている材料。世界のレアアース採掘の約70%、精製の約90%を支配する中国が、これらの資源へのアクセスを制限している。

  投資家にとって影響は広範囲に及ぶ。米国を中心に各国は、中国以外の鉱山会社への投資を通じてレアアースの確保に奔走。
ASMLホールディング(UAV極端紫外線露光の半導体製造装置)やフォード・モーター、現代自動車などのエンドユーザーは、供給を確保するか、レアアースを使わない技術への転換や減らす技術の確立を迫られる。
僅か一つの素材が欠けても、生産ライン全体が停滞する恐れがあるため、影響は甚大。
 
 4月4日に中国が7種類のレアアース輸出を制限した際には、自動車メーカーの一部で生産が滞った。より広範な輸出規制が発効すれば、市場に一層大きく影響が及ぶ。

レアアース関連企業の株価も暴騰
バークレイズのテーマ投資アナリスト、キャサリン・オグンディヤ氏は「輸出規制の対象となるレアアースの数が増えることで、より多くの産業に影響が及ぶ公算が大きい」と述べている。
問題は、より多くの金属が規制の対象となるだけでなく、規制対象となる製品の数が急増していることにある。
これに伴いレアアース採掘・加工業者の株式が積極的に買われ、その多くは株価が年初来で3倍に上昇した。

  一方、レアアースを使用する企業の株価の反応はこれまでのところ控えめで、市場では、中国が新たな規制を交渉の切り札に使っているとの見方もある。

★鍵握るトランプ米大統領
 米中の関税戦争は、現在の30:10は、暫定合意中で別途24%は2回引き延ばしされ交渉中となっている。
 9月に入っても米国は、①中国企業を新たに制裁、②10月14日からは中国製や中国船籍の船舶に対して米入港料を徴収。③印パ戦争ではトランプ氏がパキスタンに急接近、相互関税率19%、印パ戦で将校が将軍に格上げされホワイトハウスへ招聘、インドに対しては50%の関税を課し、もともとパキスタンと友好関係を持つ中国を苛立てさせている(パ将軍としての訪中計画を中国が断ったとの情報も・・・)。
 
そんなこんなで中国がトランプの言動に対して苛立ち、その対抗として再度レアアースの規制強化を米国はじめ各国へ通知した。
中国も強かで、今回はレアアースの規制対象範囲を大きく広げており、米国にとっても交渉はこれまで以上に厄介となっている。

トランプ氏は10月17日、対中発言のトーンをやや和らげた。
ただ、トランプが中国に喧嘩を売った喧嘩、鞘に納めることなど毛頭ない。何か問題が生じてもその性格上、民主党のセイだ、中国のセイだと責任転嫁し、放置する可能性が高い。
両国間の緊張が収まる兆しは乏しく、用意周到なトレーダーらは、すでに規制が発効した場合の展開を想定し始めている。


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レアアース生産と埋蔵/USGS版 2023年

レアアースの生産

レアアースの埋蔵量/酸化物換算トン

2023年 

シェア

2023年 

シェア

Mトン

中国

67.8%

中国

48.9%

44.0

ミャンマー

11.4%

ブラジル

23.3%

21.0

米国

11.1%

インド

7.7%

6.9

オーストラリア

4.3%

オーストラリア

6.3%

5.7

ナイジェリア

1.9%

ロシア

4.2%

3.8

その他

3.5%

ベトナム

3.9%

3.5

2024年の生産量は約30万トン/USGS

米国

2.1%

1.9

グリーンランド

1.7%

1.5

その他

1.9%

1.7

合計

 

89.9

 

 

<注視すべき主なセクターと企業は次の通り>
1、採掘業
  中国以外でレアアースを採掘できる企業の株価は急騰している。オーストラリアの「ライナス・レアアース」は年初来で株価がほぼ3倍となった。
  米「MPマテリアルズ」の株価は、米政府の出資決定後に生産能力拡大期待から150%余り上昇。
カナダの「クリティカル・メタルズ」はグリーンランドでの鉱床開発を進めており、米政府が出資を検討しているとの報道を受けて株価が急伸した。ただ、カナダ買収に失敗したトランプ政権はその後、報道内容を否定している。

2、半導体
  人工知能(AI)ブームで世界の株価指数の最重要プレーヤーとなっている半導体企業にとって、レアアースは生産に不可欠。
セリウムを含む研磨液はウエハー製造工程で使用され、
イットリウムのコーティングは装置部品を腐食から守る。
ランタンは光学システムに添加される。
  これらのほとんどの供給を中国が支配しており、半導体製造装置メーカーのボトルネックとなる恐れがあると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリストらは指摘する。
  
レアアースが半導体生産コストに占める割合はごく僅かだが、「供給が止まれば打撃は大きい」とCRUグループのプリンシパルコンサルタント、ウィリス・トーマス氏は話す。
  
影響を受け得る企業として、「アプライド・マテリアルズ」、「東京エレクトロン」、「ASMインターナショナル(蘭の半導体製造装置メーカー)」、「ラムリサーチ(米)」などが挙げられる。

3、防衛
兵器やドローン(無人機)の製造にもレアアースは不可欠。
ロッキード・マーチン製の戦闘機F35には約900ポンド(約410キロ)のレアアースが使われている。
ゼネラル・ダイナミクスとハンティントン・インガルス・インダストリーズが製造するバージニア級の原子力潜水艦では約9200ポンドを要する。
1基のドローンモーターにもレアアースで作られた12~60個の磁石が使われる。 

問題は、軍事用途のレアアース輸出が実質的に禁止された場合、これらの製造業者が生産に不可欠な鉱物を引き続き入手できるかどうかとなる。
MWBリサーチのイェンスペーター・リーク氏は「サプライヤーが1社しかないことも多いだけに数十万ユーロ相当の部品が調達できないだけで生産が止まる場合もある」と指摘した。

4、最大の問題産業・自動車
 レアアース磁石だけでも EV含む自動車のサイドミラー、スピーカー、オイルポンプ、ワイパー、燃料漏れ検知センサーやブレーキセンサーなどさまざまな部品のモーターに使われており、EVでは駆動のトラクションモーターに大量に使用され必須アイテム。ブレーキシステムなどの部品にもレアアースは不可欠となっている。
 半導体製造にもレアアースは必須アイテム、半導体メーカーの在庫次第では自動車や多くの産業機器に組み込まれている制御装置に影響してくる。
 さらに、

  中国の4月4日の規制を受け、フォードは5月にレアアース部品不足を理由にシカゴ工場の操業を一時停止した。
モーニングスターのアナリスト、レラ・サスキン氏によると、BMWやルノーは一部モデルで、レアアース磁石を使用しないモーター技術を導入。
テスラは23年に、将来のモデルでレアアース不使用を目指す計画を公表している。
  
<調達先を中国以外に移す動きも加速>
ゼネラル・モーターズ(GM)は8月、テキサス州の「ノビオン・マグネティクス」との契約を含め国内で3件のレアアース磁石契約を結んだ。
 中国は今回、リチウムイオン電池や電池素材の輸出にも制限を設けた。EVへシフしている自動車業界は大きな打撃を受ける。ただ、欧米日のEVは韓国勢も造る3元系リチウムイオン電池であり問題はないが、製造する韓国勢は中国の原材料に依存しており、韓国勢はこのままだと製造できなくなる。リチウムイオン電池は蓄電池電化製品・モバイルほか、発電蓄電の産業用ESSのほか、自動車や潜水艦などにも大量に用いられている。
欧米の中国製EVに対する輸入規制・高関税制裁の逆制裁と見られる。

今回の中国のレアアース輸出規制は、11月1日から再度規制すると10月9日発表、トランプが激怒し、10月30日の韓国APECにて米中首脳会談により、どこまで譲歩をそれぞれ引き出すか、ただ、大豆だったり、AI半導体や半導体製造装置だったり、フェンタニルだったり、露産原油・天然ガス・・・双方とも引き出しだらけにしている。

5、再生可能エネルギー
  風力タービンメーカーも、サプライチェーンの多様化を進めている。シーメンス・エナジーは6月、日本のTDKと磁石調達契約を締結。豪アラフラ・レアアースは、シーメンス・エナジーやGEベルノバにも供給している。
  ネオジムとジスプロシウムは風力発電産業にとって重要な二つの元素であり、貿易制限がなくても供給が需要に追いつかないリスクがあるとアナリストは警告している。
 CIS型薄膜太陽電池などの化合物系では、インジウム、ガリウム、セレンなどのレアアースやレアメタルが使用されている。
普及型の安価なシリコン系では、大量の電気を必要とし、世界一の生産量を誇る石炭を燃やして安価な発電力により、シリコンが結晶化されている。・・・環境にやさしくない。

米中レアアース戦争
もともと米国でもレアアースは採掘されていた。しかし、環境問題から対応には莫大なコストがかかることから、ほとんど撤退し、含有鉱石を採掘しても中国企業へ売却し、国内で生産されているのは僅かな元素分となっている。
中国は8割のシェアを持つレアアースの輸出国であるが、レアメタルやレアアースの8割を輸入する国でもある。この輸入はほとんど含有鉱石として輸入されているもの。製品化して

トランプが仕掛けた関税戦争に対抗した中国のレアアース輸出規制、まず、自動車産業から悲鳴が上がり、トランプはグリーンランド(デンマークから買収計画)、ウクライナ(戦費代を開発権益で支払わせる契約締結)、ミャンマー(関税通告したことで軍事政権が認められたと大喜び)、パキスタン(印パ戦争停止仲介/パキスタンがトランプ氏はノーベル平和賞者だ゜と陸軍大将が発言しホワイトハウスへ招聘/戦闘機を撃墜されたインドは面白くなく、米国の仲介で停戦したものではないと発言/結果、50%関税となった。露原油は口実)、何れもレアアースが埋蔵している国や地域であり、オーストラリアとも共同開発を締結し、アキレス腱になっているレアアース問題から早期に逸脱したいトランプにとってし、中国を貿易戦争でコテンパにやっつけたい一心。

中国は世界の
①レアアース採掘の最大70%、
②レアアースの精製能力の85%、
③レアアースの合金と磁石の生産の約90%を握る。

今回は4月の7種に加え、自動車生産に関係するイッテルピウム、ホルミウム、ユーロピウムの3種のレアアーかも輸出規制管理リストに加え、10種としている。

ただ、生産には含有鉱石が見つかったとしても、精製には多くの技術的な問題を抱えており、装置があってもすぐに大量生産できるものではない。
その間に、窮鼠は猫を噛み、世界の産業は嚙み殺されてしまう。


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レアメタル一覧

リチウム

ベリリウム

ホウ素

(希土類)

チタン

バナジウム

クロム

マンガン

コバルト

ニッケル

ガリウム

ゲルマニウム

セレン

ルビジウム

ストロンチウム

ジルコニウム

ニオブ

モリブデン

 

 

パラジウム

インジウム

アンチモン

テルル

セシウム

バリウム

ハフニウム

タンタル

タングステン

レニウム

白金

タリウム

ビスマス

 

 

24/12月~

←黒煙を加え4種を輸出禁止・軍需用にも利用のため

希土類元素(レアアース)17種類

スカンジウム

イットリウム

ランタン

ユウロピウム

ツリウム

ネオジム

プロメチウム

サマリウム

エルビウム

 

テルビウム

ジスプロシウム

ホルミウム

プラセオジム

 

イッテルビウム

ルテチウム

セリウム

ガドリニウム

 

 

4/45/12

←中国輸出規制7種

  11/1

←7種に追加規制

・中国はネオジム磁石について厳しい輸出統制を取る・・・2025/11/1から

 

↓トランプ政権は2027年までにレアアース磁石の中国輸入を禁止した。


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米国のネオジム磁石の国別輸入額

米国際貿易委員会(USITC2020年版

 

国・地域名

輸入額 /ドル

 シェア%

1

中国

106,534,143

70.2

2

日本

18,395,452

12.1

3

ドイツ

6,935,970

4.6

4

フィリピン

6,188,669

4.1

5

オランダ

3,340,299

2.2

6

韓国

1,999,104

1.3

7

フィンランド

1,711,518

1.1

8

ラトビア

1,466,689

1.0

9

マレーシア

1,180,329

0.8

10

スロバキア

960,288

0.6

11

オーストラリア

938,448

0.6

12

メキシコ

364,962

0.2

13

台湾

350,591

0.2

14

デンマーク

324,105

0.2

15

スイス

276,209

0.2

 

その他

797,625

0.5

 

合計

151,764,401

 

 

韓国勢は、韓国内のほか米国や欧州の工場でも、3元系のリチウムイオン電池を製造し、欧米自動車メーカーに供給している。

半導体は、メモリー系のHBMSSDNVIDIAの最新AI半導体チップの必須アイテム、巨額投資の巨大データセンターで経済好調な米経済にあり、SBGも参戦して目白押しのデータセンター開設だが、その構築にも大きな支障が出る。

 

孫氏曰ク、

知彼知己者、百戰不殆」

不知彼而知己、一勝一負」

「不知彼不知己、毎戰必殆」


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2023年韓国の中国依存度/韓国紙

マンガン

80.8%

電池

リチウム

78.0%

電池

コバルト

57.1%

電池

黒煙(グラファイト)

46.3%

電池

レアアース

61.7%

半導体

 

 

[ 2025年10月27日 ]

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