アイコン 日産、創業の地「横浜工場」縮小へ 国内部品も聖域なきリストラ、全固体電池で再起期す

Posted:[ 2026年5月19日 ]

経営再建中の日産自動車が、創業の地である横浜工場(横浜市)の規模縮小を検討していることが分かった。世界規模での完成車工場の再編に伴う措置で、国内の部品工場にメスを入れるのは初めてとなる見通し。深刻な販売不振を背景に「聖域なきリストラ」を断行して生産効率を高める一方、次世代電気自動車(EV)の切り札となる「全固体電池」の開発拠点は維持し、反転攻勢への足場を残す構えだ。

関係者によると、縮小の時期は令和10(2028)年以降となる見込み。横浜工場は主に小型車「ノート」やSUV(スポーツ用多目的車)「エクストレイル」向けのエンジンなど、パワートレイン(駆動装置)を製造しており、年40万~50万基の生産能力を有する主力拠点だ。横浜市の神奈川、鶴見両区にまたがる計3地区からなり、地区単位での整理・縮小を視野に入れる。

 



スポンサーリンク

横浜工場は昭和10(1935)年に稼働を開始した日産の「創業の地」であり、日本の自動車産業を牽引(けんいん)してきた象徴的な存在だ。敷地面積は約54万平方メートルに及び、現在も約3000人が勤務する。

この歴史的拠点の縮小という苦渋の決断に至った背景には、同社の極めて厳しい台所事情がある。日産は世界的な販売不振に直面し、2期連続で5000億円超の最終赤字を計上。すでに追浜工場(神奈川県横須賀市)や子会社である日産車体の湘南工場(同県平塚市)において、令和9(2027)年度末までに車両生産を終了することを決めている。これによって国内の車両生産能力は年40万台程度減る見込みであり、完成車の減産に合わせて、稼働率が低く老朽化が進む横浜工場の生産体制も見直しが不可避となっていた。今後は、いわき工場(福島県)など他の拠点に駆動装置の生産を集約し、コスト削減を急ぐ。

もっとも、日産は横浜工場を完全閉鎖する方針ではない。同工場内では現在、EVの航続距離を飛躍的に延ばし、充電時間を短縮する次世代電池「全固体電池」の試作開発が進められているためだ。

エンジンからEVへと自動車産業が100年に1度の大転換期を迎える中、日産は創業の地である横浜の地を、単なる「過去の遺産」の整理にとどめず、中国勢などが台頭する世界のEV市場で日本勢が巻き返すための「未来の技術拠点」として再定義する狙いがあるとみられる。名門復活に向けた日産の正念場が続く。

 

 


スポンサーリンク

HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

 




スポンサーリンク

スポンサーリンク