小宮山印刷工業(株)(東京都新宿区)が、宮城県気仙沼市に所在する宮城工場を対象に、雇用調整助成金約4億5000万円を不正受給していたことが分かった。宮城労働局が2026年8月6日に公表した。宮城労働局がこれまで公表した不正受給事案では過去最大の金額となる。
宮城労働局の公表資料によると、不正受給を理由として返還を命じた元本は4億5045万5457円。対象となったのは気仙沼市本吉町猪の鼻169-7の「小宮山印刷工業(株)宮城工場」で、代表者は小宮山恒敏氏。従業員が実際には休業していないにもかかわらず、休業したとするなど虚偽の申請書類を作成し、雇用調整助成金を不正に受給したとしている。2026年6月8日に支給決定が取り消され、公表時点では返還額の一部が返済済みとなっている。
不正受給は2021年2月から2023年3月までの約2年間にわたって行われたとされ、新型コロナ禍で実施された雇用調整助成金制度を利用していた。仙台放送の報道によると、同社は「不正受給は故意ではないが、労働局が指摘する内容は認める」と説明し、ルールに従って返還するとして、2026年度中に全額を返還する方針を示している。
同社は1921年10月に東京都新宿区で「小宮山印刷所」として創業し、1951年1月に株式会社へ改組した老舗印刷会社。同社の会社概要によると、資本金は1700万円、従業員は254人で、本社を東京都新宿区天神町78番地に置く。書籍や学術書、医学書、商業印刷、伝票、ステーショナリー、箔押し、レンチキュラー印刷などを手がけている。
同社の沿革によると、宮城工場は1968年に開設され、1989年には新築増設された。同社の生産拠点として半世紀以上の歴史があり、仙台市には営業所「KOPAS」も設置している。
今回の公表資料では、同社のほかにも複数の不正受給事業者が公表されたが、小宮山印刷工業の4億5045万5457円は突出している。例えば、これまでの大型事案だった東日本急行(株)は約1億1454万円、(株)ツアー・ウェーブも約1億1453万円であり、小宮山印刷工業はその約4倍に達する。
なお、現時点で宮城労働局が公表しているのは「不正受給の認定」「支給決定の取消し」「返還命令」までで、刑事告発の有無については確認できない。このため、刑事事件化を示唆する表現については慎重に扱う必要がある。