米テキサス州のアボット知事は9月14日、水の消費に関する詳細の開示を怠ったデータセンターに罰則を科すよう州規制当局に指示した。
当報道を受け、9月14日のNY市場では、半導体SOX指数が▲5.8ポイント下落し11,181ドルまで落ちた。
これは巨大AIデータセンター建設ブームにより上昇し過去最高値となった今年6月22日の14,634ドルから▲25%下落した数値となっている。
8月4日には電力使用も制限
テキサス州知事アボットが全新規データセンターにPUCT(テキサス公益事業委員会)とERCOT(テキサス電力信頼性評議会)が共同で行う監査を義務付け、実質的に新たな建設を一時停止させている。
ERCOTの系統接続待機キューは、半年で233GWから474GWへ倍増し、約9割をデータセンターが占め最大需要の5倍超に達した(開発権を転売するハゲタカ開発業者の見込み申請がほとんど)。
規制の緩さで集積地となったテキサスの転換点であり、GoogleやMicrosoftの立地戦略と電力を軸にしたAIインフラ競争に影響する。
(1ヶ所のAIデータセンター当たり電力必要量は30ギガ前後)
(バージニア州も前共和党知事時代にデータセンター誘致策、現在北部では電力不足問題を抱えている。/今年1月から民主党知事)
これまでテキサス州はほかの州に比べ規制が緩やかで、企業誘致に積極的、電力も水使用規制も緩やかで、最近、大量に水を必要とする巨大AIデータセンターや半導体製造工場が急速に大量に進出している。
2015年から知事を務めるアボット氏はトランプ氏との関係が強いものの、ロッキー山脈の積雪が減少、天候不順、高温乾燥が広がり、河川の水量は大幅に減少、地下水も汲み上げ過ぎによる弊害も出ている。
南部テキサス州から北のカンザス州-ノースダコタ州に至るグレートプレーンズ(プレーリー)は、ロッキー山脈の東に位置し、豊富な地下水ダムにより農業が急速に広がったが、農作物用に地下水を汲み上げ過ぎた結果、現在では多くの農地が砂漠化し、巨大竜巻の発生源にもなっている。
テキサス州は人工知能(AI)インフラの拡大が世界で最も急速な地域の一つで、電力・水使用量などの問題を巡る審査が終わるまで、新規データセンターの州送電網への接続を停止しており、データセンターに対する規制の在り方を全面的に見直している。
アボット知事は、データセンターなど大量の水を消費する事業体に水使用の報告義務を順守させるため、「法的措置」を講じるよう、テキサス州水資源開発委員会(TWDB)に指示した。
アボット氏の事務所は声明で、「データセンターを含む主要な水利用者は、TWDBに水使用に関する必要な情報を提供しなかったことにより、民事・刑事上の違反を犯した可能性がある」と述べている。
テキサス州の水資源規制当局は現在、データセンターに対し、水使用量および予想消費量に関する調査を実施しようとしている。データセンターが期限までに調査票を提出しなかった場合、施設運営に必要な新規または更新時の環境許可が拒否される。
以上、
データセンターは大量の電源と水を必要とし、条件を満たす建設地は限られている。データセンターを実質開発運営するビッグテックは今では水と電力を求め世界中に進出させ、進出先でも多くの問題を引き起こし始めている。
すでに同州では、開発業者が大量の大型AIデータセンターの申請書を提出し、認可も受けている。しかし架空の申請書がほとんどで、水や消費電力も過少申請、そうして申請認可されたものでもビッグテックが開発権を購入し、建設しているAIデータセンターもあり、ビッグテックは資金量で電力から水源迄購入し運用することから、州としての統制が効かなくなっている。
ロッキー山脈一帯も例に漏れず火災が多発、地球温暖化により高温少雨・小雪により、河川の水量、ダムの水量、地下水枯渇現象をロッキー山脈東一帯は広範囲に受けている。
データセンターは建設以外、雇用は限られ、地域経済に落とす経済波及効果は限りなく限られている。
国産国消のトランプ政権により、韓国や台湾の半導体工場も計画外の米国への進出を強制され、建設したものの水問題を抱えている。
米国ばかりか世界が米国至上主義のトランプ政権により、経済の一貫性は破壊されている。
環境規制に大幅に緩やかな共和党保守政権でもあり、人気があるテキサス州の共和党アボット知事も率先してトランプ1・2政策を支持してきた。しかし、半導体・AIデータセンター誘致では、現在、電力不足・水不足問題という深刻な問題を抱え、規制に動かざるを得なくなっている。
data center.comによると、2025年9月現在の全世界のデータセンター数は10,846。
うち、
1、米国が4,071(38%)で圧倒的に多く、
2、英国が490(5%)、
3、ドイツが484(4%)
9位は日本で223(2%)。
米国の内訳は、
バージニア州が641(16%)、アパラチヤ山脈東部、シェナンド―川
テキサス州が392(10%)、ロッキー山脈東部、リオ・グランデ川
(コロラド州を源流とする当河川は少雨が続くとメキシコ湾まで到達しない)
カリフォルニア州の319(8%)、ロッキー山脈西部、
(近年、大規模山林火災が毎年発生し、山林の保水力が大幅に落ちている)
と続いている。
こうした問題は、量子コンピュータが開発普及しない限り解決しない。