石川県能美郡川北町の美容機器販売・エステ関連事業、(株)クールプロジェクトの負債総額が約3億3,000万円に上ることが分かった。債権者は約20人とみられる。
同社は美容機器や化粧品の国内販売に加え、中国や東南アジア向けの輸出、エステサロン関連事業などを展開し、ピーク時には年間売上高約6億5,600万円を計上していた。しかし、主要市場だった中国向け販売の低迷や、コロナ禍以降のエステサロン事業の収益悪化が重なり、2025年8月に解散を決議していた。
2026年9月28日に金沢地裁から特別清算開始命令を受けており、当サイトは10月13日に報じていた。今回、負債額と経営悪化の経緯が新たに判明した。
2002年設立、エステサロンから美容機器の海外販売まで展開
クールプロジェクトは2002年9月に設立された美容関連企業。石川県野々市市を拠点にエステティックサロン事業を展開し、業務用美容機器や化粧品の開発・販売、サロン向けの経営コンサルティングなどへ事業領域を広げていた。
過去には「クールエステティック」「クールグランボディ」「クールフェイシャルボーテ」などのサロンブランドを展開。2017年の業界専門誌では、北陸3県で計9店舗を展開する事業規模が紹介されていた。
美容機器部門「J.B.MACHINERIE(ジェイ・ビー・マシナリー)」では、業務用LED美容機器「LEDist(レディスト)」や家庭用美容機器「LEDitch(レディッチ)」などを取り扱っていた。
LEDitchシリーズでは、スキンケア、オーラルケア、ヘアケアに対応した多機能型美容機器「LEDitch Tri-Pro」なども展開。2021年にはLEDモジュールに関する特許取得を発表し、2022年には美容・健康産業の展示会に出展するなど販路の拡大を図っていた。
国内だけでなく、中国や東南アジアのエステサロン、理美容業者などにも販売網を広げ、ピーク時の年間売上高は約6億5,600万円に達していた。
中国向け美容機器販売が低迷 コロナ禍でサロン収益も悪化
一方、主要な海外市場としていた中国向けの美容機器販売が低迷し、事業環境が悪化。さらに新型コロナウイルスの感染拡大以降、エステサロン事業の収益も落ち込み、経営の立て直しが難しくなっていた。
同社は美容機器の海外輸出や国内のネット販売、サロンのフランチャイズ関連事業など複数の収益源を持っていたが、海外販売と国内サロン事業の双方で環境が悪化したことが経営を圧迫したとされる。
2023年にはアジア・ASEAN地域の海外代理店との契約を進めていたものの、中国市場の低迷を補うまでには至らず、最終的に事業継続を断念した。
2025年8月31日の株主総会決議により会社を解散し、営業活動を停止。その後、法的な清算手続きを進めていた。
2024年に「Dr.Caviet」を譲渡 美容機器事業を再編
経営悪化が進むなか、同社は美容機器ブランドの一部について事業再編を進めていた。
J.B.MACHINERIEの公式サイトによると、2024年3月22日、「Dr.Caviet(ドクターキャビエット)」ブランドを同年4月1日付で岐阜県の美容機器メーカー、(株)A. GLOBALに譲渡すると発表していた。
Dr.Cavietは痩身・ボディケア向けの美容機器ブランドで、同社が過去に展開していた主要製品の一つ。今回特別清算開始命令を受けたクールプロジェクトと、ブランド譲受会社のA. GLOBALは別法人となる。
なお、LEDitchやLEDistなど、その他のブランドについては、2026年10月時点の販売・運営主体や権利の承継状況をすべて確認できているわけではない。
旧「クールエステティック」は別会社運営の「花蔵クール」に
一方、同社が関係していたエステサロン事業についても、会社解散に先立って運営体制の変更が進んでいた。
旧「クールエステティック」は2025年5月、「花蔵クール」として新たな運営体制へ移行。現在は福井県福井市の(株)アフロディテが運営を手掛けている。
アフロディテの公式案内では、旧クールエステティック時代の契約内容を花蔵クールへ引き継ぐため、利用者に再契約手続きを求めていたことも確認できる。
現在の花蔵クール公式サイトには、石川県の金沢店、富山県の富山・二口店と高岡店、福井県の福井店と鯖江店の計5店舗が掲載されている。
旧サロン事業は2025年に運営会社が変更されており、今回特別清算となったクールプロジェクトが、現在の花蔵クール5店舗を運営しているわけではない。
ただし、旧サロン事業の契約当事者や譲渡条件、個別の資産・債務の承継範囲については確認できていない。
9月28日に特別清算開始命令 債権者約20人、負債3.3億円
クールプロジェクトは2025年8月31日に解散を決議した後、2026年9月18日に本店を石川県野々市市から能美郡川北町へ移転。同月28日、金沢地裁から特別清算開始命令を受けた。
事件番号は令和8年(ヒ)第15号。負債総額は債権者約20人に対し、約3億3,000万円とみられている。
特別清算は、解散した株式会社について、裁判所の監督下で債務の整理と財産の清算を進める手続き。今回の法的整理は破産手続開始決定とは異なる。
同社の解散前の直近売上高や債務の内訳、債権者への具体的な弁済見込みについては確認できていない。
クールプロジェクトの会社概要
|
法人名 |
株式会社クールプロジェクト |
|
所在地 |
石川県能美郡川北町 |
|
旧本店所在地 |
石川県野々市市 |
|
設立 |
2002年9月 |
|
主な事業 |
美容機器・化粧品の開発販売、輸出、エステサロン関連事業、経営コンサルティング |
|
過去の主要ブランド |
LEDist、LEDitch、Pico Donna、Dr.Cavietなど |
|
ピーク売上高 |
約6億5,600万円(対象年度は未確認) |
|
ブランド譲渡 |
2024年4月1日、Dr.CavietをA. GLOBALへ譲渡 |
|
解散決議 |
2025年8月31日 |
|
本店移転 |
2026年9月18日 |
|
特別清算開始命令 |
2026年9月28日・金沢地裁 |
|
事件番号 |
令和8年(ヒ)第15号 |
|
債権者数 |
約20人 |
|
負債総額 |
約3億3,000万円 |
|
法人番号 |
3220001008356 |
関連記事:【石川】美容機器・エステ事業のクールプロジェクトが特別清算 LEDitchなど展開、2024年に美容機器ブランド譲渡