米国民は、車両価格と借入コストの高騰に圧迫され、最長8年に及ぶローンを組んで年式の古い車を購入している。
月々の返済額は抑えられるが、維持費がかさみ、売却も難しい車の借金に家計が縛られることになる。
市場は機能不全に向かっているように見える。その影響は、ウォール街で最大級の証券化市場の一つに及ぶ恐れがある。
他のさまざまな経済動向と同様、こうした兆候はコロナ禍で加速している。
自動車調査会社ケリー・ブルー・ブックのデータによると、供給不足と5兆ドル規模の景気刺激策によって自動車平均価格は急騰し、2020年2月の3万8,550ドルから今年9月には5万0,089ドルと30%上昇している。
デトロイトを本拠とするGMとフォードは、キャデラックやピックアップトラック「F─150」の新車価格引き上げにより、それぞれ数十億ドル規模の利益を押し上げた効果を得た。
米労働省労働統計局(BLS)によると、中古車価格はピークを越えたものの、2019年12月と比べると依然として30%近く高い。
自動車購入者は単に借入額と返済額を増やすことで対応してきた。
信用情報会社エクスペリアンによると、米国の新車ローンの月々の平均返済額は、19年半ばの550ドルから今年半ばには765ドルと39%上昇している。
融資の審査を担う側が、これほど積極的な貸し出しから手を引いていないのは不思議に思えるかもしれない。
一因はクレジット・スコアにある。コロナ禍での政府支援に加え、学生ローン返済や住宅差し押さえの猶予措置によって、多くの家計の資金繰りが一時的に改善した。
信用情報会社トランスユニオンによると、その結果、消費者のクレジット・スコアの中央値は20年第1・四半期から22年第1・四半期にかけて20%上昇し、676となった。しかし、コロナ禍に伴う財政支出が終わると、この改善は見せかけだったことが明らかになった。
同社によると、21年と22年に実行された自動車ローンのは、過去の平均を大きく上回っている。
全体としても、負担の増大は、所得に占める返済額の比率上昇にも表れている。
データプラットフォームのローンテープによると、この比率は長らく10%前後で推移していたが、クレジット・スコアの低い「サブプライム」層の借り手では、22年初めまでに12%近くに上昇している。
米国では通常、購入者は販売店でローンのあっせんを受ける。金利を決めるのは銀行で、車両価格を決めるのはメーカー。購入を検討する顧客の月々のローン返済額を抑えようとする販売員にできることは限られている。
主な手段は、年式の古い安価な車種か、返済期間の長いローンに誘導することだ。結局、元本返済を十分な年数に引き延ばせば、ローンは無理なく返済できるように見える。しかし、担保となる車は返済期間中も古くなり続け、その価値も恐らく下がり続ける。
自動車情報会社エドマンズの推計によると、今年第2・四半期に1万5000~2万ドルで購入された車の平均車齢は6年と、2019年半ばの3年強から倍近く上昇している。
エクスペリアンによると、同じ期間に中古車ローンの平均返済期間は64.7ヶ月から67.9ヶ月に延びた。これは販売店のビジネスモデルに欠かせない下取りや買い替えにも影響する。販売員はオプションなどをより多く売りたいと考え、購入者の多くは、それまで乗っていた車の下取額を次の車の購入資金に充てる。
装備の充実に伴う費用がローン残高に上乗せされる一方、車が古くなって価値が下がると、ローン残高が車両価値を上回る「ネガティブ・エクイティ」状態に陥りかねない。
それでも、買替時には、下取額で賄えないローン残高を新たな借り入れに組み込める場合が多い。
その結果、エドマンズによると、「ネガティブ・エクイティ」の状態にある中古車購入者の26年の借入残高は、車両価値を平均5,114ドル上回った。20年初めには3,774ドルであったことから35.5%増加している。
新車購入者の場合は、同期間に5,483ドルから7,023ドルに28.1%増加している。
サブプライム層の借手は、さらに重い経済的負担を背負って販売店を後にしている。今年上半期にこうした顧客向けに実行されたローンの30%超は、完済予定時点で車齢が12年を超える。19年末にはわずか7%と4倍以上増加している。
12年を超えればほとんどが無価値の評価となる。
これは、米国の一般消費者にとって極めて大きな懸念材料となる。自動車ローンは住宅ローンに次ぐ第2の借入項目であり、米連邦準備理事会(FRB)によると、その残高は1兆7000億ドルに上る。
問題は消費者にとどまらない。これらの債権を組み替えて作られた資産担保証券(ABS)に投資する資産運用会社や保険会社、年金基金にも及ぶ。
フィッチ・レーティングスが集計する自動車ローンABSの裏付けとなるサブプライムローンの60日以上延滞率は、過去最高水準に上昇し、足元では6%前後で推移している。
S&Pグローバル・インテリジェンスによると、昨年の証券化商品の発行額は1270億ドルに上る巨大市場だ。
その市場を通じ、大手資産運用会社は今、自動車がより多額の債務をより長期間にわたり支え続けられるという賭けに巻き込まれている。
しかも、年式の古い車では維持費が増えるため、貸し手が融資審査に用いる指標では、月々の自動車関連支出の実態を十分に捉えられない。
修理費の捻出に苦しむ借り手にとって、もはや安心して走れない車のローンを払い続ける動機は乏しい。
貸し手や資産運用会社、保険会社、そしてそれらが資金を預かる年金受給者や保険契約者にとっての危険は、消費者が返済を賄えなくなることだけではない。
ローンを裏付ける担保が、債務の返済終了前に寿命を迎える恐れがあることだ。ローン期間をいくら延長しても、この問題は解決できない。
以上、ロイター等参照
2008年のリーマンショック、その内容は住宅のサブプライムローン問題だったが、銀行から住宅ローンを借り入れられない人たちが、金利が高い金融機関から借り入れ、そのローンの塊が証券化され、投資家に回っていたところ、元利金を支払えない人たちが続出、その証券の償還がパニックに陥り、こうしたローンの再至近化が大々的に行われていたことから、総じて信用不安を引き押し、一機にショック大暴落となった。
最近では2023年3月、物価高騰から金利が上昇し、連れて米国の長期国債の利回りも急騰、(安価な利率の国債を)保有していた金融機関が財務内容を急悪化させ、信用不安に陥り、数行が破綻した。SVBなど数行が破綻した。
新コロナ事態では、ホームワークが拡大し、オフィスの借り手が大幅減少、オフィス稼働率が大幅悪化、そうしたビルに融資した不動産担保ローンの問題も生じた。不動産担保ローンが当然、証券化されており、サブプライムローン問題の可能性もあったが、販売する投資会社が証券化にあたって、いくつかの商品を組み合わせていたため、これまで難を逃れてきた。
そして、今回は、自動車購入ローン問題、新コロナ対策の政府投資やウクライナ戦争における露制裁により、インフレに陥り、インフレ退治の金利政策から金利が上昇、審査も厳しくなり、ローンが組めない人たちが続出、そうした人たち向けに、さらに高利の自動車ローンがあり、多くがそうした自動車ローンを組んでいる。
また、自動車は新車も中古車もローンを組むことから、高利のローンの場合、中古車ではローン耐用年数8年を過ぎても支払い続ける必要があり、すでに高年式による故障コストも高くつき、物価高もあり、購入者の生活を圧迫している。
そうしたローンも証券化され再資金化されており、再度物価高、金利高騰事態の再来に、サブプライムローン化するのではと恐れられている。
米国では自動車ローンで2つの問題を抱えている。
自動車価格の高騰=借入ローン代金の増加、生活圧迫。
金利上昇による自動車ローンの返済額の増加、生活圧迫
維持費も上昇、ガソリン価格はトランプ戦争以前より4割上昇、ディーゼル油(軽油)も6割も上昇し、生活を圧迫している。
サブプライムローンの滞納率は6%まで上昇、何かをきっかけに急上昇する可能性も秘めている。
さらにEVがバイデン政権下、購入時の税金控除もあり販売台数急増、 しかし、高価格問題、1充電走行距離問題、充電設備のインフラ問題、蓄電池の耐用年数問題などから、EVの中古車価格が暴落、EV離れが生じる中、トランプ政権になり、税金控除も廃止され、さらにEV販売台数は激減、EV中古車価格もさらに下落している。EV購入者は借入ローン額も大きく、乗り潰すしかない。ただ、EVの蓄電池保証は8年間しか設定されておらず、性能も価値も低下する。
以上、ロイター等参照
自動車新車価格が30%上昇
自動車購入ローンの金利上昇
中古車価格も30%上昇、
(金利は政策金利に連動、銀行→信販系→他金融系で金利はこの3段階で高くなる)
購入1件当たりの自動車ローン借入高は39%上昇、
自動車ローン貸付残高は29%増加の1.7兆ドル。
クレジットスコアの低いサブプライム層借入が10%から近時12%に増加
中古車ローンでは、自動車の耐用年数超過のローン期間の貸し付けも増加。
スクロール→
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米国の自動車販売台数 商用車含む 2026年9月まで
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19年
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22年
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23年
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24年
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25年
|
26年
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1月
|
1,643
|
1,444
|
1,515
|
1,506
|
1,547
|
1,461
|
|
2月
|
1,645
|
1,374
|
1,494
|
1,575
|
1,597
|
1,551
|
|
3月
|
1,733
|
1,376
|
1,512
|
1,572
|
1,789
|
1,629
|
|
4月
|
1,639
|
1,416
|
1,585
|
1,597
|
1,713
|
1,626
|
|
5月
|
1,739
|
1,283
|
1,539
|
1,588
|
1,558
|
1,632
|
|
6月
|
1,725
|
1,335
|
1,607
|
1,532
|
1,582
|
1,656
|
|
7月
|
1,709
|
1,338
|
1,581
|
1,584
|
1,657
|
1,630
|
|
8月
|
1,734
|
1,369
|
1,570
|
1,548
|
1,650
|
1,680
|
|
9月
|
1,716
|
1,363
|
1,570
|
1,586
|
1,660
|
1,600
|
|
10月
|
1,653
|
1,459
|
1,527
|
1,602
|
1,550
|
|
|
11月
|
1,702
|
1,407
|
1,530
|
1,641
|
1,566
|
|
|
12月
|
1,642
|
1,336
|
1,583
|
1,684
|
1,600
|
|
|
合計
|
20,280
|
16,500
|
18,613
|
19,015
|
19,469
|
14,465
|
|
前年比
|
|
|
12.8%
|
2.2%
|
2.4%
|
-2.0%
|
|
金利
|
2.5-1.75
|
0.25-4.5
|
4.5-5.5
|
5.5-4.5
|
4.5-3.75
|
3.75-4.0
|
|
|
|
米国の自動車ローン残高 商用車含む /兆ドル
|
|
|
19年
|
22年
|
23年
|
24年
|
25年
|
26年
|
|
1Q
|
1.280
|
1.469
|
1.562
|
1.616
|
1.642
|
1.685
|
|
2Q
|
1.297
|
1.502
|
1.582
|
1.626
|
1.655
|
1.713
|
|
3Q
|
1.315
|
1.524
|
1.595
|
1.644
|
1.655
|
|
|
4Q
|
1.331
|
1.552
|
1.607
|
1.655
|
1.670
|
|
|
前比
|
|
16.6%
|
3.5%
|
3.0%
|
0.9%
|
3.5%
|