アイコン 原弘産とサブプライムローン問題-生き残りへの厳しい道(4)

上場から拡大期

 原弘産は、原代表が積水ハウス勤務時代、設計部門から配置転換で、営業部門に回され、同部門で資産活用建物を多く手掛け36歳で独立した会社。そのため不動産事業を核にしながら色々な分野に手を染めている。悪く言えば経営に一貫性がない、ブレである。

原代表は、上場で会社がバブル化するなか、平成17年から不動産開発事業に関しても買収や新会社設立など矢継ぎ早に行っている。一方新規事業は風力発電事業に進出、平成17年3月欧州の有力メーカーであるオランダのZephyros B.V.社を実質買収して、オランダ進出を果たす。将来的には同事業を全事業の50%にする計画であったという。環境ビジネスは、中国やオランダへ進出、環境ビジネスを謳うオバマ効果で同社の株価も上昇する場面も多々あった。しかし、環境事業そのものは同社の経営に貢献するものではなかった。同社にとってもこれからの事業であったのだ。
 
沿 革

昭和613
㈲原弘産設立
平成37
自社分譲マンション(アドバンスシリーズ)販売開始
平成1210
高齢者介護向け賃貸マンション(シニアウエルス下関壱番館)を竣工。本格的なシニア事業を開始
平成13年9月
大阪証券取引所市場第2部に上場。
平成14年2月
原弘産ビルを流動化し、原弘産ビル一優先出資証券の募集を開始。
平成15年2月
開発型不動産の証券化を行い、山口県下関市及び東京都港区で販売する分譲マンションの資金調達を行う。
平成15年7月
第三セクター方式による油谷風力発電㈱(現・関連会社)において、風力発電が稼動。
平成16年9月
ISO14001を認証取得。
平成1612
欧州風力発電機メーカーZephyros B.V.とライセンス契約を締結。
平成17年2月
㈱日本製鋼所と風力発電機の製造及び販売についての基本合意を行う。
平成17年3月
㈱エストラスト(現・連結子会社)の株式を取得し子会社化。また、Harakosan Europe B.V.(現・連結子会社)を新規設立し子会社化。
平成17年4月
住吉重工業㈱(現・連結子会社)の株式を取得し子会社化。
平成17年9月
別大コミュニティー㈱の株式を取得し子会社化。
平成1711
㈱原弘産ライフサービス(現・連結子会社)を新規設立し子会社化。㈱エストラストが㈱トラストコミュニティを設立し子会社化。
平成18年1月
㈱ベツダイ(現・連結子会社)を子会社化。別大不動産販売㈱及び別大都市開発事業協同組合(現・連結子会社)を子会社化。
平成18年4月
㈱原弘産PFIインヴェストメント(現・連結子会社)を新規設立し子会社化。
平成18年6月
中国の湘潭電機株式有限公司と合弁会社湖南湘電風能有限公司(現・関連会社)を設立。
 
 
㈲ニューハーバー・プロパティー・ホールディングス(現・連結子会社)を匿名組合出資により子会社化。
 
平成18年9月
㈱レーベック(現・連結子会社)の株式を取得し子会社化。井上投資㈱(現・連結子会社)を株式交換により子会社化
平成19年5月
中国の湘潭電機置業有限公司と合作会社湖南湘電原弘産房地産開発有限公司(現・連結子会社)を設立。
 
㈱原弘産レジデンス(現・連結子会社)を新規設立し子会社化。
平成206
日本ハウズイングへのTOB断念、日本ハウズイングの株主総会で過半数の賛同得ず。
平成2010
エストラスト売却
 
ゴーイングコンサーン提起
平成2011
浜崎常務取締役財務・経営企画室長辞任
平成211
ベツダイ売却
平成212
2012年満期の総額60億円の社債を85%カットすることを表明
 平成213
特別償還差額金85%の51億円を22年2月期に特別利益で計上表明

[ 2009年4月23日 ]
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