アイコン 中国報道問題シリーズ④

報道されない中国

①  三鹿有毒粉ミルク事件で、メラミン混入の粉ミルクを飲んだ多くの子どもが死亡または肝臓病にかかっていることは報道されたが、フランスでは中国から輸入した大豆加工品にも基準値の50倍のメラミンが混入、EUは中国からの大豆を原料とする幼児食品の輸入全面禁止を宣言している。
※中国政府は、昨年加工食品の輸出に対して、チェック体制を強化するとしているが、先進国では日本のように信任されていない。しかし発展途上国に対しては大量に輸出されている。

②  2005年当時、四川省の保健機構・衛生庁のある幹部は、「省内で少なくとも17人は謎の疾病で亡くなり、死因はSARS(重症急性呼吸器症候群、03年700人が死亡)でもなければ、鳥インフルエンザでもない、豚の間で流行するウイルスが死因」と発言していた。それが事実であれば、中国では2005年にすでに豚インフルエンザが発生したと推測できる。

③ 09年3月福建省福清市城頭鎮の一部河川では、半月以上も百頭以上の豚の死骸が川面に 
浮かび悪臭を放っている。これらの死骸は麻袋に詰められ、多くの麻袋に入った豚は腐乱し、河には 蠅が飛び交っているという。また09年2月、山西省洪洞県でも約千頭の豚が発生した病気で死亡した事件があったという。地元政府部門は2月3日に発表した統計によると、洪洞県だけでも少なくとも1300頭以上の豚が死亡したという。

④ 「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、2年前に中国ではある種の流行病が原因で約多くの豚が死亡。当時の豚の病死率が深刻であったため、豚肉の価格も一気に90%まで急騰した。獣医らは豚の死亡を引き起こした原因が、豚生殖器・呼吸器症候群(PRRS)であるとし、人間には影響しないとの見解だった。中国側からの報道は一切なされていない。

⑤ 北京大学の孫教授は、中国衛生部専門家委員、北京大学司法鑑定室主任である。その孫教授が『「陳情者の99%」を「偏屈型精神障害患者」と見なし、全員を精神病院に送り込み強制治療することは、陳情者の人権を尊重することである』と主張。その結果大きな反発を引き起こし、北京大学には連日、抗議する陳情者が絶えなかった。その抗議者が多数集まったところを警察は検挙したという。抗議した者も結果強制治療することになろう。

こうした現象は、メラミン混入などは拝金主義の生産工場において発生しており、一昨年に始まったことではない。メラミン等に対する国の使用規制のなさが問題である。
また貧困層である農民における豚・鳥の肥育につき、衛生管理上の問題があり、こうした問題に対して貧困から対策出来ないのが実情で今後とも問題は発生し続ける。

日本も一日にして現在があるわけではなく、森永砒素ミルク事件・カネミ油症事件・チッソ水俣病事件・三井金属鉱業神岡鉱山亜鉛精錬所によるイタイイタイ病など多くの公害を発生させてきた。中国のではそうした経験のなさが急成長の影に潜んでおり、いつしかまた大問題化する。09年にも中国は世界一の輸出国になる。こうした世界の教訓を活かさなければ単なる問題輸出国、世界からそっぽを向かれよう。裕福になる者が先に裕福になれば良い中国であるが、食品公害のような自国や他国の犠牲の上に裕福があってはならない。

08年の国別輸出ランキング
 
(単位:億ドル)
 
国名
輸出額
シェアー
08年の伸率
1
ドイツ
14,650
9.1
6.0%
2
中国
14,280
8.9
19.0%
3
アメリカ
13,010
8.1
 
4
日本
7,820
4.9
 
5
オランダ
6,340
3.9
 
6
フランス
6,090
3.8
 
7
イタリア
5,400
3.3
 
8
ベルギー
4,770
3.0
 
9
ロシア
4,720
2.9
 
10
イギリス
4,580
2.8
 
 
 
81,660
50.7
 
※09年は、世界不況で輸出額は減少している。


 

[ 2009年5月14日 ]
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