アイコン ゼネコン研究シリーズ①「日本建設」「機動建設工業」

日本インテグランドホールディングス(代表:桐野 誠和)は機動建設工業の持株会社として設立され、機動建設工業の変わりに08年7月大証2部に上場していたが、09年5月に企業価値の再構築を図るとして上場を廃止した。

当ホールディングスを頭に機動建設工業があり、その子会社に日本建設(子会社化、06年3月)が存在していたが、日本建設はその後当ホールディングスの直接子会社になっている。
一連の絵を描いているのは桐野代表であるが、資金スポンサーにシーエルエスエー サンライズ キャピタル,エル.ピー(代表:リチャード・パイビス、本社地ケイマン)という投資会社があり、機動建設工業も当ファンドに買収されていた。
当ホールディングスは、企業価値を高めるためとして関係社に公開買い付けさせ上場を廃止したが、財務内容が良い機動建設工業も官公庁工事に依存しており、ジリ貧の日本建設はより厳しい民間建築工事にシフトしている。
果たして、このスキームが成功するか、リーマンショックで過度に民間建築工事は落ち込んでおり、不良債権の発生や評価損も含めて同グループを注視していく必要がある。

08年5月期の連結売上高は、
土木工事112億39百万円(07/5期比10.0%増)、建築工事391億56百万円(同16.1%増)となり、建設事業全体で503億95百万円と前年比14.7%増の増収、連結経常利益8億83百万円、当期連結利益4百万円であった。
機動建設工業単独では、売上高133億74百万円、営業利益3億56百万円、経常利益1億62百万円 当期損失▲26百万円、自己資本84億23百万円(同率49.6%)となっていた。
 日本建設単独(08/2月期)の売上高は、392億12百万円、粗利28億27百万円、経常利益7億1百万円、自己資本9億68百万円、自己資本率4.38%、総資産221億7百万円であった。

日本インテグランド 

同グループ(機動建設工業)の長所は、08年11月中間期の有利子負債(日本建設含)が、24億31百万円と極端に少ないことにある。しかし、日本建設を単独で見た場合、当グループは投資ファンド傘下にあり、今不況を乗り切れば少しは明るさも見えてこようが長引けば、ファンドには必ず出資者がおり、出資者がそれまで耐えられるか。また不良債権等発生した場合など日本建設に企業価値を見出せるか不安定な要素を残すと見る。

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[ 2009年6月30日 ]
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