福岡県の分譲マンション着工件数5ヶ年推移
福岡のマンション業界の現状⑤
長期にわたり調整局面
皆で渡れば怖くないのは信号だけ、デベロッパーは需要を創出さすとして需給バランスを無視して分譲マンション開発を行ってきた結果、不況による購買力の減退も手伝い供給過多状態となってしまった。
07年6月改正建築基準法による確認申請のゴタゴタがなければ、もっと悲惨な目に当業界はなっていたかもしれない。
07年7月にはサブプライムローン問題が株式市場で表面化したが、06年夏頃からアメリカではサブプライムローン問題が燻り始めていた。そのため外資が資金を引き揚げにかかり、銀行も投資用マンション開発業者や分譲マンション業者に対する融資を、慎重姿勢に転じさせ、九州では変わって九州リースサービスや第一ゼネラルサービスなどノンバンクが台頭したものの、資金量が小さかった。またデベの中には、九州建設や吉原建設などのゼネコンと組んだ共同開発案件も増加した。しかし、高松組とロワールの共同開発が無残にも両社破綻という結末を迎えてケースもある。
着工件数は、07年6月の改正建築基準法による申請書類の複雑化による着工遅れなどあり、前年の06年11,828戸のピークから翌年の07年には6,276戸と半分近くまで減少した。
そうした中で、サブプライムローン問題が顕在化していったが、デベロッパーは開発用不動産など既に調達しており、世の中の動きを無視して開発した結果、08年は8,762と再び増勢に転じた。しかし08年5月からは国内のデベロッパーが金融機関の引き締めや販売不振からバタバタと破綻していった。08年9月のリーマンショックにより不動産業界は、大きな痛手を負い、現在も供給過多と不景気による購買力の減衰により、完成在庫の販売や処分が行われてきた。最近では、新栄住宅やファミリーに見られるように販売強化により大幅に完成在庫を減少させてきた。しかし、そうしたデベロッパー自身が新規開発にナーバスになっている。当然金融機関も慎重姿勢を維持したままである。
具体的数値は下に表あり。
着工件数 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
2005年 | 719 | 1,078 | 940 | 432 | 359 | 957 |
2006年 | 822 | 1,276 | 715 | 640 | 602 | 1,266 |
2007年 | 484 | 1,001 | 1,053 | 693 | 399 | 1,060 |
2008年 | 1,139 | 424 | 337 | 662 | 1,424 | 461 |
2009年 | 249 | 955 | 286 | 348 | 695 | 195 |
着工件数 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年計 |
2005年 | 987 | 533 | 1,046 | 1,230 | 1,168 | 1,152 | 10,601 |
2006年 | 711 | 883 | 1,149 | 955 | 1,564 | 1,245 | 11,828 |
2007年 | 306 | 346 | 212 | 78 | 143 | 501 | 6,276 |
2008年 | 780 | 1,034 | 870 | 595 | 427 | 609 | 8,762 |
2009年 | 196 |