アイコン 福岡のマンション業界の現状⑥

福岡の巨艦、新栄住宅の動き

福岡のデベロッパーのナンバー1は新栄住宅である。現在福岡市東区のアイランドシティに42階建て超高層トリプルタワーマンション「アイランドタワー スカイクラブ」(総戸数409戸、08年8月竣工、記念碑的物件であるためアンピールの冠は付けていない)を販売中である。

当物件は竹中工務店により建築中、サブプライムローン問題からリーマンショックまで生じ、販売に苦戦していたが、残在庫も83戸までに漕ぎ着けた。
ところで、アイランドタワーを除き、昨夏300戸近くあった販売中物件は、どうなったのであろうか。現在の販売物件は、アンピール大宰府の残2戸と箱崎(1月竣工、残30戸/109戸)しかない。新栄住宅は底力を発揮して懸命な販売により、この残戸数まで販売してきたのである。
しかし、新規開発物件が見当たらない。豊富な自己資金を背景にアイランドタワーの販売が厳しい時期には福岡銀行も厳しい見方をしていたようであるが、本流のアンピールシリーズもタワーも販売促進が効果を発揮し、新規開発には当然銀行も融資してくる。
※販売促進のため、現在でもベスト電器並みに決算キャンペーンセールを行っている。
考えられることは、
① 社長が高齢であり、今回の不況=販売不振対策の販促で疲れ、景気回復まで一時休止。
(後継者は子息で決定済み)
② 今回の販売不振の元凶はアメリカの金融問題、日本だけ見ていても不動産デベロッパーは危険極まりないことを痛感。金融のグローバル化で予知できない危険性が高いことから、分譲マンション開発からの方向転換。

この間、100戸以上の大型マンションを九州に造り続けてきた新栄住宅の豪腕社長、そんじょそこらのことで、新規開発をここまでしないということは到底考えられない。
ならば、大きく方向転換したとしか考えられず、今後自社所有型の賃貸マンション事業へ駒を進めるものと思われる。
しかし、当分野も先般の和製ハゲタカによる賃貸マンション開発による物件が建ち並び、市場は供給過多により需給バランスが崩れている状態である。
同社の今後の動きが注目される。

なお、「アイランドタワー スカイクラブ」は、総戸数409戸、住人が利用できる共用スペースを各種持ち、低層階などは価格的にも非常にコストパフォーマンスに優れた物件である。
大きな地震が起きたら少しは揺れようが、竹中の技術の粋を集めた免震建物であり、非常に安全な建物でもある。
http://www.island-tower.com/web/

豊富な自己資金を背景に自社用投資物件へ方向転換。

[ 2009年9月 3日 ]
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