アイコン 富士通③<秋草直之相談役/間塚会長/非取締役山本正己氏>×野副州旦前社長

富士通には、長い間トップに座する秋草相談役がいる。社長5年、会長5年、その後相談役になったが、取締役の籍を外さない富士通の怪物である。昨年9月野副社長を更迭したのも秋草相談役といわれている。富士通は、秋草相談役は間塚道義会長に社長を兼務させ、今4月からは執行役員(取締役ではない)の山本氏を社長に大抜擢する人事を1月22日発表している。

野副氏は、平成20年6月社長に就任して以来15ヶ月、明確なビジョンを打ち出し、改革路線を突っ走っていた矢先での辞任劇であり、当時のマスコミでは驚きをもって捉えられていた。

 
秋草直之相談役略歴
和36年4月
入社 (昭和1312月生、71歳)
昭和61年12月
システム本部長代理
昭和63年6月
取締役
平成3年6月
常務取締役
平成4年6月
専務取締役
平成10年6月
代表取締役社長
平成15年6月
代表取締役会長
平成20年6月
取締役相談役(現在に至る)
 
野副州旦前社長略歴
昭和46年4月
当社入社(昭和22年7月生 62歳)
 
この間海外勤務長い
平成13年4月
政策推進本部長
平成14年6月
執行役
平成1710
経営執行役常務
平成19年6月
経営執行役上席常務
平成20年4月
経営執行役副社長
平成20年6月
代表取締役社長
平成21年9月
社長更迭、相談役
 
○間塚道義会長は、同社副社長から会長になった人、社長経験なし(昨年9月から今月まで臨時的に社長に就任)、秋草采配?。
○4月から社長に就任予定の山本正己氏は、取締役ではない。会社を代表する社長が、謄本に取締役として掲載されていない人である。少なくとも6月末の株主総会までは、取締役でなく、代表権も当然ない、公印も付けない、お人である。大抜擢するにしても6月の株主総会で取締役に就任させてから、社長にするのが普通であるが、これが秋草采配なのであろう。
 
昨年9月の野副社長の失脚は、野副氏の富士通再建のための強気な事業計画およびそのための大幅なリストラ計画が、富士通の最高権力者といわれる秋草取締役相談役の逆鱗に触れ、失脚したとの見方が今では有力視されている。
今回の野副元社長の「社長辞任の取り消し」問題は、現実的かどうかは別にして、波風を立て過ぎた秋草相談役の次期株主総会での失脚は間違いなさそうであるが、あまりにも長い間君臨していると弊害も出てくるとともに老害まで出てしまう。世界中が激動のIT産業の中にあり、秋草氏は権力欲から引き時を見失ったようだ。権力への執着は、秋草氏の父親が電電公社総裁であったことからしても血筋なのだろうか・・・。
可能ならば、国際派の野副氏に復帰してもらい、落ち目で弱体化している日本IT産業のトップリーダーとなってもらい、IT領域で世界の日本に復活させてもらいたいものである。それほどのリーダーシップが必要な日本のIT産業である。
なお、野副氏は福岡県直方市出身。
 
蛇足、こうしてみていると、山口銀行の会長によるクーデターによる社長失脚事件に酷似している。山口銀行でも東京支店長が頭取に抜擢されたものの、急進的な改革路線を敷いた社長が、会長から更迭された(取締役会において1票差で更迭された)事件があった。
[ 2010年3月 8日 ]
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