アイコン 富士通④/野副州旦相談役を解任・辞任も解任劇であった/双方の応酬始まる

 

富士通は、6日開催した臨時取締役会で野副州旦相談役を解任したとリリースした。また9月25日の辞任の真相も、実質解任劇であったことを公表した。それに反論する野副氏側。

富士通の公表内容は次の通り
 
2009 年2 月ころ、野副氏と長年にわたり親交の深い人物が代表取締役をつとめる企業が、野副氏が推進していたプロジェクトの一部に関与しておりました。当該企業グループについては好ましくない風評があったため、調査いたしましたところ、当社の理念・行動規範である FUJITSU Way の観点からも、当社が取引等の関係を持つことはふさわしくないとの判断に到りました。この旨を野副氏に対し、取締役、監査役から注意したところ、野副氏もこれを認め、当該企業を当社プロジェクトからはずすと明言しました。
しかし、野副氏は、その後も当該企業との関係を継続していることが判明しました。当社代表取締役社長は、FUJITSU Way の最高の体現者であり、当社グループを率いていくためにも最も高い倫理性を求められる立場にあります。
一方で当社取締役会は、代表取締役社長の業務執行を常に監視、監督し、その内容が妥当ではないと判断した場合には、これを是正し、状況によっては解職するということが、コーポレートガバナンス上の重責です。 
以上から、当社取締役、監査役は、事前に取締役会メンバーの過半数の同意を得た上で、昨年9 月25日、野副氏の事情聴取と弁明の機会を設け、野副氏と当該企業との関係が調査結果どおりであれば代表取締役社長を解職すること、ただし野副氏に辞任の意向があればこれを受け入れることとし、野副氏と面談を行いました。
野副氏の弁明は当該企業の親会社自体は絶対当該事業に関与させてはならないと認識しており、現にそのように指示していたこと、また野副氏と親交のある人物は、野副氏の言葉を借りれば当該親会社の代表者の「手先」「窓口」として機能していると認識しているとしながら、一方で当該人物についてはあくまで個人として見ており当該企業グループとは切り離して考え、当社プロジェクトに関与させていたとのことでした。
しかしながら、野副氏も、当社代表取締役社長という立場からは、そのような認識は通用しないことを理解し、辞任を選択されたものです。
なお、当該企業が当社の事業に関与すること、また当社の代表取締役社長という立場にある者が当該企業と関係することが FUJITSU Way の観点からふさわしくないというのは、あくまで当社の事業遂行上の、また、当社取締役会による代表取締役社長選定上の判断であります。このため、当社が当該企業の評価を公表したり、当社の調査結果を開示する立場にはありません。
また、本件において、野副氏が何らかの違法行為や不正行為を行っていたという訳でもありません。あくまで、野副氏がとられてきた行動が、当社の代表取締役社長という立場から見てどうであったか、また、仮に当該企業の風評ないし評価が真実であった場合、当社にどのようなリスクを発生させるかという観点から、当社代表取締役社長という地位にある者はいかに対処すべきかという経営判断の問題です。
この観点で、当社代表取締役社長は、万が一のリスクが重大であればあるほど、一片の疑いも持たれない行動を取るべきというのが当社の判断であり、野副氏もこれを十分に理解された結果、辞任されたものと理解しております。
このように本件は、あくまで当社代表取締役としての適格性の問題であること、前記のとおり、当社は当該企業の評価を公表する立場にないこと、しかしながら、野副氏が辞任された背景に触れるとすれば、当該企業の評価が取り沙汰され、当該企業に何らかの影響を及ぼさざるを得ないこと、これらの事情を総合的に勘案して、当時、野副氏自身が体調を崩していた事実もあったことから、野副氏本人合意の上、辞任理由を病気として発表いたしました。
発表時点では全ての事情についてお伝えしなかった事については、事情ご賢察の上ご理解いただきたく存じます。
以 上
 
・・・・富士通は、ここまでリリースするぐらいだったら、当該会社=反社会的な会社とはどこであったのか、具体的な内容を示すべきである。今回の文書内容もまた多く作文されているのであろう。
誰が何の目的のために裏調査したのか・・・・・。
不信感の固まり、誰かの目ばかり気にしていては真っ当な経営はできなかろう。
FUJITSU Wayとは・・・誰が仕切っているのか。・・・・
 
<野副氏の辞任取り消し要求の内容>
野副氏は「病気療養のため辞任した」という発表内容を知ったのは昨年9月25日会社の記者会見後。一方、富士通の広報担当者は「病気を辞任理由とすることは野副氏も合意していた」と述べて異なる。野副氏の代理人畑弁護士は「野副氏の名誉回復が必要だ」として2月末に富士通に書面を送った。
内容は
1)社長辞任の取り消し。
2)臨時取締役会を開催して、野副氏に弁明の機会を与える。
3)外部調査委員会を開き、富士通のガバナンスに問題がなかったかを検証する。
3点を求めた。
 
 <6日発表内容に対する野副氏側の反論>
 富士通が6日発表した内容について畑弁護士は、
1)       野副氏が「違法行為や不正行為を行っていたわけではない」なら、何が解職理由なのか。
2)       (野副氏の交際問題などの)調査結果は存在しない。野副氏は見たことも、聞いたこともない。
3)       「事前に取締役会メンバーの過半数の同意を得たうえで、9月25日に野副氏の事情聴取と弁明の機会を設けた」とあるが、会社法上、これは何の法的拘束力もない。
と指摘している。
 
なるほどであるが、9月25日、いきなり秋草相談役から野副氏は詰められ、最後には辞表に印鑑を捺印したと思われる(辞任には本人の印鑑が必要)。その経過は謎が深まるばかりである。しかし、もうこれで秋草さんの次期取締役はなくなったと思われる。
 
[ 2010年3月 8日 ]
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