アイコン トステム防火樹脂サッシ問題 協会に責があるのでは?・・・国交省見解付

トステムの防火樹脂サッシの不適合問題による改修は1万棟におよぶ大きな問題となっている。防火樹脂サッシは、以前から製造され、法律での防火性能は、火災において20分間防火機能を保持しなければならないが、当該品は一部に8分間の防火性能しかなかったとされている。トステムは、メーカーとして当然ながら1万棟について全部改修するとしている。

<トステムの見解>
 トステムでは、協会(社団法人 カーテンウォール・防火開口部協会)とのやり取りの中で仕様書の運用面において一部変更の仕様が認められ、その指示どおり製作していたということであった。見方を変えれば協会にその責任があるとも聞こえた。 
当該の防火樹脂サッシは、樹脂サッシに防火用部材をセットして、トータルで防火樹脂サッシというもの。その防火用部材の一部に問題があった。
 
<社団法人 カーテンウォール・防火開口部協会の見解>
 当問題は、当初国交省から認定を受けた仕様書が、その時々でデザインや改良などにより、仕様書の運用により変化していく。その運用面を当協会は、仕様書に準じているかなどチェックしているが、今回のような認定された防火樹脂サッシは、仕様書に基づく製品の派生商品(デザイン変更や改良)であり、防火性能のチェックまでは行っていない。
認定を受けた平成9年からデザインなどの仕様が若干変わり、当然防火性能は満足しているという前提で一部仕様変更などの審査を行い了承していた。
当協会は、防火性能の検査機関ではなく、国交省認定仕様の運用面のチェックしているだけであり、こうした防火性能に問題が生じるという前提ではなかったとも述べている。
また、当協会は、仕様書の運用面について協会の規定どおりに行っており、当方に問題はないが、こうした問題が生じた以上、今後防火性能試験等の添付書面が必要になってくるかもしれないとも述べている。

こうした防火性能試験は、1件で数百万円かかり、コスト意識から、デザイン変更などにおいては殆どのメーカーが行っていないようだ。しかし、住宅は人の命を火災などから一定時間保証するものでなければならない。また防火区域などでは、そうした認定品でしか施工できないようになっている。メーカーは、デザイン変更や改良などの場合、国交省から義務付けられていないとしても、必ずそうした性能検査のコストをかけてでも、安全第一の商品を住宅に納品する義務があるのは当然である。ましてや今回の事例は問題である。

国交省は、耐震偽装問題から建築業界の細々にわたり、国交省認定品等の抜き打ち検査を実行しており、当問題も抜き打ち検査で発覚した。
アルミ建材メーカーの団体である「社団法人 カーテンウォール・防火開口部協会」は、身内の会員であるメーカーに対して、多くの要求ができなかった可能性も否定できない。

責任の所在は、許可を出した協会にあるようでもあるし、性能は暗黙の了解でありそれを満たしていなかったトステムにあるようでもある。(国交省見解は次のとおり)

<国交省見解>
 協会さんは、業界団体の中で自主的に協会員から持ち込まれる国交省の認定仕様書製品のデザイン変更などの認証を行っておられるが、国交省とはまったく関係ありません。
ましてや、業界の団体であり、第3者機関でもありません。トステムさん自身で問題のない認定書に基づいた製品を出荷されたらよいことであり、トステムさんは協会を外部チェック機関として利用されていたのでしょうとのことであった。
また、トステムさんは業界の№1企業であり、こうした問題を発生させていたのでは・・・・。
過去、エクセルシャノン(トクヤマの子会社、三協・新日軽へもOEM供給)による防火樹脂サッシの大問題が発生。その時にトステムさんは、自社の防火樹脂サッシ製品のチェックを行うべきではなかったのでしょうかとのことであった。

ということで、トステムの見解である協会の製品認定仕様の変更認証は、国交省とは全く関係ないものであることが判明した。

樹脂サッシは最近の住宅断熱化ブームのため、利用されるケースが多くなっている。また樹脂サッシに防火性能を求める客も多く、そのため1万棟という改修が必要になっているようだ。

 

[ 2011年2月 1日 ]
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