アイコン 長崎国体施設 工事中断の「新諫早市体育館」現場内部公開

諫早市が同市小船越町の県立総合運動公園に建設中の新諫早市体育館(仮称)で、コンクリートの一部が発注内容と違う仕様になっている問題で、建設主体の堀内組・大誠ハウス共同企業体(JV)は14日、報道陣に現場内部を公開した。
問題では、ひび割れが起きにくいAランクの骨材を使う予定だったのが、コンクリートを納入した4社のうち1社「みのる建材」(同市小野島町)がBランクの骨材を故意に納入。 
(「故意」:わざとすること) 

諫早体育館工事

打設したコンクリート約4700立方メートルのうち約2100立方メートルにA、B混在のコンクリートが使われた。
「耐久性に影響する可能性がある」として工事の一部が中断、「みのる建材」は今月6日付でJIS認証登録を取り消された。
 
現場を案内したJV担当者によると、問題のコンクリートは体育館1階部分のアリーナを取り囲む壁や観覧席部分に(問題の生コンを)打設。今後の対応が未定のため本体工事に入れないという。 

  別の担当者は、来年6月まで延期された完成がさらにずれ込む可能性や、対応方針が決まるまでいったん(諫早)市に工事中止命令を出すよう要請していることを明らかにした上で「とにかく関係者で協議を重ね、早期の事態打開を図りたい」と強調した。
以上、長崎新聞報道

今回の報道では、すべての責任を、Bランクの骨材入り生コンを納入した「みのる建材」1社に押し付け、現場を受注した堀内組・大誠ハウスは、間接的な責任しかないようにも受け取れる記事内容となっている。
受注ゼネコンの現場監督は、現場での生コン打設では、必ずミキサー車や生コン圧送ポンプ車から打設される生コンをチェックするのが常識である(通常、生コン打設では、現場監督が現場の陣頭指揮を取る)。両ゼネコンのうちどっちが担当していた工事区域か不明だが、素人まがいに現場を監督させていたのであろうか。

もたもたしていたら、長崎国体(平成26年開催)のメイン会場の一つとしての利用が、間に合わなくなる。
まさか、今後、御用学者の有識者を集め、「Bランクの骨材でも耐久性や安全性に支障や問題はない」と結論をほじくり出させ、そのまま本体工事を継続させるつもりであろうか。こわっ。

<JVで受注した大誠ハウス(株)>
大誠ハウスは、年商17億88百万円の注文住宅建築会社であり、分譲地開発販売を行っている。こうした大規模体育館の建築を施行できる能力や実績は殆ど皆無といえよう。
そうしたことからもJVのチャンピオンはあくまで堀内組、実施工事は堀内組が行っていたものと推量される。

<チャンピオンの(株)堀内組>
堀内組の業務内容は、過去3ヶ年平均の完工高ベースで、土木工事52.5%、舗装10.3%、建築工事29.3%であり、メインは土木工事の会社。
今回市体育館のように建築物の生コンの品質は、安全性の問題から厳しく指定されている。土木部門の現場監督を当現場の監督にしていた場合、チェックはなかなかできないが・・・。

早い話、確実に工期も含め建築する必要がある長崎国体でも使用される新諫早市体育館新築工事を、大手ゼネコンではなく、施行管理能力が欠落した地元ゼネコンに発注していたことから、こうした問題が発生したといえる。何か大きな大きな力が作用しての受注であったのだろうか。

通常、こうした大規模建築工事は、地元ゼネコンを参加させるにしても、大手ゼネコンと地元ゼネコンを組ませJV工事として発注するのが普通である。それは、建築物の品質や工期に担保が必要であることからである。
 

(株)堀内組 平成23年5月期   /百万円
流動資産
2,236
流動負債
1,607
 
 
固定負債
659
固定資産
1,123
自己資本
1,093
 
 
(資本金)
80
総資産
3,359
 
3,359
自己資本率:32.5%、売上高39億44百万円、経常利益80百万円

 
 

 ㈱堀内組の過去3ヶ年平均 平成23年5月期
職種
完工高 /百万円
比率 /%
土木工事
2,175
52.5
舗装工事
430
10.3
土工・鳶
160
3.8
建築工事
1,214
29.3
その他
162
4.1
合計
4,141
100.0

 
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[ 2011年12月17日 ]
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