アイコン フィッチ/中国のシャドーバンキングに警告 影の金融システム 担保会社

フィッチ・レーティングスは10日、中国におけるシャドーバンキング(影の金融、私的融資や信託ローン、ノンバンクからの借り入れなど)が同国の金融安定に及ぼすリスクが高まっているほか、リスクが中国以外の国々に飛び火する恐れもあるとの見解を示した。
中国には数万規模のノンバンク系機関が存在すると言われ、業務規模は拡大の一途をたどっていると見られるが、資金の流れや主体などはほとんど分かっておらず、制度的リスクが増しているとの懸念が根強い。

フィッチのシニアディレクター、チャーリーン・シュウ氏は当地での会合で、中国のシャドーバンキングの実態が「多くの点で荒れ野に等しいことも、不安視する一因となっている」と指摘。シャドーバンキングは透明性や統率に欠ける形で拡大しているため、重大なリスクを招きかねないと警告した。
中国では、信託や富裕層向け関連商品ですでにデフォルト(債務不履行)が発生しており、問題は一部表面化している恐れがあるとした。
さらに資金手当ては主に国内で行われているとはいえ、中国の銀行に出資する外資は2008年の金融危機に伴い多額の評価損を計上しており、同様の事態が再び起きる可能性は否定できないと述べているという。
以上、ロイターが伝えている。

シャドーバンキングは高利貸であり、2番手グループの金融機関のほか、大手企業や国有企業が金融機関から借り入れ、その金を高利貸しのノンバンクに高利で貸付け、鞘抜きして儲かっているのが実態である。
資料は古いが2011年8月末で、上場企業64社が第3者向けに融資している額は170億元にのぼり、前年比38.2%増となっていた。
中国証券報は、浙江省だけで、高利貸し経由の融資残高は兆元単位に上り、年利子率は60%に達しているとしている。
中国銀監会の理事長も2011年9月、沿海地区では3兆元に上るノンバンク向けの銀行融資残高があることを明らかにしている。ノンバンクは「担保会社」と呼ばれ短期貸出、月利息は8%前後、高いものは24.5%にも上るという。
また、国有企業の中国揚子船業(株)の(2011年)第2四半期の粗利益のうち、4分の1が他企業に対する貸出しによる利息収入であるという。
中国最大の移動体通信事業者で国有企業のチャイナモバイルは、金融子会社を設立し貸出行業に従事させている。

こうした中国全体の高利貸しの融資総額が、どれほどなのかまったく把握されておらず、不況によるエンドユーザーの破綻が芋づる式に大元の貸付企業や金融機関の信用不安に結びつく可能性をフィッチは指摘している。総額は国家予算にも匹敵いるのではともいわれている。

[ 2013年6月11日 ]
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