アイコン バーナンキショック/株暴落の中国 パニック金融市場へ資金供給

自国経済のみ念頭にドルばら撒き政策の転換を発表した経済超大国アメリカのFRB(連邦準備委員会)バーナンキ議長。
今や、ばら撒かれたドルは世界中の債券市場に溢れ、特に東及び東南アジアへ流れ込み、日本などの株価上昇や各国の株価の下支えをしてきた。6月19日のバーナンキ議長がドル垂れ流し政策の転換を明確にしたことから、世界中の債券市場がパニック状態に陥っている。

中国では特に、経済悪化指標に、外国人投資家が引き上げるさなか、バーナンキショックによる米国株安の連鎖から金融機関の決済資金まで不足する事態に陥り、21日・24日と倒産寸前に至った金融機関まで現れ、高利貸し並みの金利で資金調達するなどパニック状態となった。
 中国当局(中央銀行=中国人民銀行)は、流動性資金は大量に市場にあるとして25日になっても静観の構えを見せていたが、25日夜、金融機関の連鎖破綻が現実化使用とするなか、やっと資金を市場へ供給したと発表した。
中国では、金融当局が、不動産などの乱開発を防ごうと、市場に出回る資金量を抑えようとしたことなどから、銀行間で資金をやり取りする短期金融市場の金利が、2%から4%の水準から、先週末21日・週明けの24日、一時13%台まで急激に上昇した。

中国では、欧州経済の長引く低迷から輸出が鈍化して経済指標が悪化している。また、中国はこれまで不動産バブルやインフレも顕在化し、その沈静化のため、資金供給量をセーブしていた。
しかし、今では、インフレも沈静化、経済指標の悪化から、経済の回復を図るため、最近では資金供給量を増加させていた。
ところが、中国特有のアンダーグランド資金(シャドーバンキング)にそうした資金が投機筋に流れ、不動産価格も都市部で再度上昇局面に入っていた。
そうしたことから、市場に出回る流動性資金が実質減少していたことから、今回の外国ファンドの債券市場からの引き上げに伴い資金が枯渇、金融パニックを引き起こした。アンダーグランド資金量は350兆円とも400兆円(中国の国家歳出予算額は約195兆円、GDPは約800兆円)もいわれ、中国当局がまったく把握していない資金となっている。 
そのため、中国金融当局は、金融機関に対して、健全性と管理を徹底するよう通告しているが、大手金融機関からは、企業(中小の金融機関や大企業・国営企業)へ資金が流れるものの、その資金は企業の投資に回らず、アンダーグランド市場へ流れ(低利で借り入れ、高利で貸付けサヤ稼ぎ)、投機資金として利用されていた。そのため、資金供給のコントロールが効かず、資金量を増加させても末端の経済回復が遅々として進まないものとなっている。
ただ、中国金融当局も、アンダーグランド資金の規模がデカイため、下手に締め付けたら、高利で借り入れている企業倒産が山と発生し、連鎖して大企業や金融機関の破綻へもつながることから、厳しい選択を余儀なくされている。
中国政府は、開放経済でも、経済に関し何でもかんでも開放しすぎるとそのツケは貧富の格差どころか未曾有なものとなって帰ってこようが、今その問題に初めて直面した。

25日のアメリカNY市場は100ドル高となった。米国経済指標の耐久財受注が、防衛産業除く航空機が牽引して前月比3.6%増と好調に推移、航空機以外でも1.1%増となった。予想は0.3%増であり、株価上昇の一因となった。また、中国の金融不安に対して、中国金融当局が資金を供給したと発表したことから、ダウ平均は乱高下するなか前日比上昇して終えた。

[ 2013年6月26日 ]
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