アイコン 倫理指針違反 臨床試験後も試験継続 金沢大学土屋弘行教授グループ カフェインに溺れたか

国立大学法人「金沢大学」付属病院(金沢市)は22日、同大医学系研究グループががん患者に対して実施した治療法の臨床試験で、厚労省の定める「倫理指針」に違反する可能性のある行為があったと発表した。
試験期間終了後も、新たな患者に臨床試験を行うなどしたという。
 同大によると、違反行為が疑われているのは、同大医学系機能再建学の土屋弘行教授のグループが実施した骨や筋肉にできたがんの治療法「カフェイン併用化学療法」の臨床試験。

同大倫理審査委員会で2008年3月~12年3月の期間で承認され、カフェイン剤を抗がん剤と併せて投与し、有効性などを検証していた。
だが、グループは、試験期間が過ぎた後も約50人の患者に対し、臨床試験を継続、昨年12月に前病院長の富田勝郎氏の指示で中止されたが、公表はしていなかったという。
 また、グループは、同委員会の適格基準を満たさない患者にも試験を行ったほか、10年3月に適格基準外で臨床試験を受けていた患者1人が死亡した際、同委員会に報告しなかった。当時、医療事故とは判断されなかったという。
 金沢大で記者会見した並木幹夫・病院長は調査委員会を設け、1~2か月後に中間報告をまとめる意向を示している。

<過去の土屋弘行教授の研究掲載紙面>熊本日々新聞2004年1月28日
抗がん剤を使う際にカフェインを併用投与すると、効いている抗がん剤は一層、効いていない場合も効くようになることが多い。金沢大付属病院の整形外科は、独自開発したカフェイン併用療法を術前に用い、骨肉腫や軟部腫瘍の治療に大きな効果を上げている。
この併用療法を開発した土屋弘行・整形外科助教授によると、カフェインには抗がん剤が破壊したがん細胞のDNAの修復を阻害する作用がある。

カフェインに着目したのは18年前。がん細胞に対し、放射線や紫外線照射の際に併用投与すると効果が増強するという論文があった。効かない抗がん剤を、効くようにと考えて抗がん剤で試した。 
試験管内の実験で非常に効果があり、抗がん剤が効かない人の骨肉腫を植え付けたヌードマウスでもよく効いた。臨床に応用したら、全く効かなかった抗がん剤が、90~100%も効くケースが出てきた。・・・・
土屋助教授は「整形外科が扱う骨肉腫や軟部腫瘍は、症例が少ないため、時間がかかった。しかし既に百例を超え、間違いなく効くと言えるようになった。骨肉腫にはものすごく効く。いろいろながんに使ってみたらよいと思う。絶対に損はない。使う価値がある補助剤だ」としていた。
厚労省は2003年11月、この併用療法を高度先進医療として承認している。
 

[ 2014年4月23日 ]
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