アイコン 今の韓国を象徴する南大門(崇礼門) 韓国技術の粋を集める

0516_03.jpg 2008年に放火で焼失し、昨年5月に復旧工事が終了した国宝第1号「崇礼門(南大門)」の手抜き施工問題をめぐり、韓国の監査院は15日「工事は手抜きだらけだと指摘。塗装・地盤・瓦などは施工をやり直す必要がある」と発表した。
「命脈の絶えた伝統技法で工期内に完成させようとして、丹青・地盤・金物・瓦などの不正工事を招いた」
監 査院は、昨年12月から今年2月にかけて、文化財庁やソウル特別市など九つの公共機関を対象として「文化財の補修および管理の実態」に関する監査を行い、 15日にその結果を公表した。監査院は「文化財庁は、断絶した伝統技法の再現・施工に必要な時間などを考慮せず、慣例どおりに工期(5年)を設定したた め、これに合わせようと不正な施工が行われた」と指摘した。

(1) 丹青匠、ニカワに化学接着剤を混ぜる
(当初、日本製の塗料に問題があるなど新聞社はほざいていた)
 最大の問題は、建物を塗装する「丹青」。文化財庁は、丹青を担当する「丹青匠」の名声だけを信じ、耐久性などが検証されていないニカワや「水干粉彩」などの技法を適用して予算を浪費、伝統技法の再現に失敗した。
顔料が流れ落ちてニカワがまとわり付く問題が発生したため、丹青匠がひそかに合成樹脂接着剤をニカワに混ぜて使っていたことが判明した。
その結果、ニカワと化学接着剤の張力の差が原因で塗装が剥げたが、文化財庁はこうした事実を知らなかったという。
さらに丹青匠は、安い化学接着剤の利用によって、3億ウォン(現在のレートで約3000万円)の不当利益を得ていた、と監査院は発表した。また監査院は、丹青に塗った桐油を早く乾燥させるため、丹青匠が桐油とテレビン油を混ぜて崇礼門全体に塗ったことから、火災の危険性が最大4倍になったと指摘した。

(2)瓦の規格を勝手に変更
 瓦は、考証を経て、火災前の伝統的な瓦の規格通りに作ることになっていた。しかし業者から「施工が厄介」という意見が出たため、現在の韓国の国家規格であるKS規格に変更された。伝統的な瓦で再現するという当初の趣旨に反し、工場産の瓦のようなやり方で施工した。
また、人力で土を混ぜて固めるという原則に反し、実際には土工場で加工した土を購入、使用していたことも判明した。しかし「冬場に凍結で破損する可能性がある」という疑惑については、監査院が韓国化学融合試験研究院と韓国伝統文化財学校保存科学研究所に試験を依頼した結果、耐凍害性能・吸収率・曲げ強さなどの点で、韓国産業標準を満たしていたという。

(3)伝統的な金物の再現に失敗
 伝統技法に対する検証もなく、安易に「伝統の金物で復旧する」と発表したものの、伝統の金物の再現に失敗した。
文化財庁は、景福宮に保管されていた朝鮮王朝時代の金物を持ち出して利用し、足りない分は鉄工所で現代の金物を1万1965点(30.9%)購入、使用していたことが明らかになった。

(4)かさ上げされていた地盤は30センチしか取り除かず
 文化財庁は、発掘の結果に基づいて、後からかさ上げされた土を全て取り去り、朝鮮王朝時代中・後期の地盤面に合わせるという原則を打ち出したが、施工上の便宜のため、30センチしか土を除去していなかったことが判明した。その結果、陸上部分は朝鮮王朝時代中・後期の地盤面より10-30センチ高く施工され、虹霓(こうげい。アーチ)の下部には現代の土が少なくとも43センチ残るなど、ずさんな形で復元され、一部再施行が必要と監査院は指摘した。

(5)木材の亀裂は安全上問題なし
 当初問題になっていた崇礼門上層の柱の亀裂は、構造的安全性の面で問題はない、と結論付けられた。
崇礼門が昨年復旧した後、マツの柱のうち1本に幅1.6センチのひびが入り「総体的な手抜き工事」と批判された。
監査院は「崇礼門総合点検団で、昨年10月から11月にかけて、崇礼門2階にある『高柱』など4本の柱の亀裂を測定した結果、これ以上ひびが広がることはなく、それぞれの柱にできたひびの幅は最大13ミリから20ミリで、『文化財修理標準仕様書』上の木材規格(60ミリ未満)に適合しているとの結論を下した」と発表した。

(6)慶州の瞻星台は毎年1ミリずつ傾斜
 既存の文化財の管理にも問題が多かった。慶尚北道慶州市にある瞻星台(国宝第31号)は、地盤沈下のため、毎年1ミリずつ傾いていることが09年に確認されている。慶州市は昨年末に安全診断を行ったが、さらなる沈下の可能性や沈下の原因確認などに必要な地盤の状態の調査は行わなかったという。
 監査院は「丹青は、徹底した考証を経て合理的なやり方で再施行し、地盤は、残っている現代の土をさらに取り除き、瓦は、火災前の規格に交換すべき」と文化財庁に通知した。
また、監査院は、工事の管理を十分に行わなかった崇礼門復旧団長など5人について懲戒を要求し、丹青匠については、今年3月に警察へ捜査を要請した。
以上。
以上のように誤魔化しの限りを尽くし、国から工事用に支給された木材の一部を普通材に取り替え、乾燥もしてない木材を使用して塗装が剥げたり、ゆがんだり、今の韓国の国家を象徴する南大門=崇礼門である。
   

[ 2014年5月16日 ]
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