アイコン イラク油田危機で原油上昇 イラク内戦 欧米がアラブの春でバラ撒いた武器の反動

アラブの春は一般市民にとって、西側諸国によりバラ撒かれた武器により死の春となっている。
世界有数の産油国イラクで、スンニ派を取り込んだアルカイダ系イスラム原理主義過激派やクルド人民兵たちが、キルクークなど一部油田を制圧する構えを見せるなど勢力範囲を拡大、石油の供給不安から世界的に原油価格が急伸している。地政学的リスクが高まっている。
 13日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)7月渡しが1バレル=106.91ドルで取引を終え、中心限月の終値として約9ヶ月ぶりの高値水準を更新した。日本の依存度が高い中東産ドバイ原油も大幅上昇している。
 WTIは今年に入り90~100ドル前後で落ち着いて推移していたが、11日から3日続伸している。イラクの原油生産量は、石油輸出国機構(OPEC)の中でサウジアラビアに次いで第2位。
イスラム過激派が、制圧した北部の油田は小規模だが、イランよりの南部の大規模油田にも戦火が及ぶ事態になれば原油価格は(WTIで)150ドルを超えてもおかしくないとされる。

今後をめぐってはオバマ米大統領は13日、米軍地上部隊を派遣しない考えを明確にした。事態沈静化への道筋が見えないことに加え、過激派の勢力範囲が拡大しなくても「短期的な需給悪化懸念から、原油価格はさらに上昇する」との見方が広がっている。
 以上、報道参照
 

アメリカオバマは悪の枢軸と言明したイランに対して擦り寄ろうとしている。オバマはすでにイラクから米兵を撤退させており、再度派兵することはしない。しかし、爆撃やトマホークミサイルでの攻撃、無人爆撃機での参戦はいくらでも可能性はある。一方、イランは民族(ペルシャ人とアラブ人)こそ異なるがイスラム宗派はイラク政権と同じシーア派、いつでもイラク政権を軍事支援する用意があると表明している。
アメリカがいくら空爆をしても、民間人への誤爆が表面化するだけで、どこにいるのかも不明なイスラム過激派ゲリラを掃討・殲滅することはできない。当然、地上戦が必要となるが、オバマは米兵派遣の代わりにイランの力を借りたい一心だ。
しかし、過去の経緯もあり、イラクにイラン保証つきのシーア派政権を樹立させることは、スンニ派のアラビア半島の親米産油国も許容しない。(現在でもシーア派が全政権を奪取しているがイランの政治的関与は少ない)
イラクの東の隣国シリアは内戦状態であるが、政府軍にはイランが、反政府軍には仏米はじめスンニ派のクエートが大量の武器と金銭的支援をもたらしている。
シリアに大量に持ち込まれた武器は、アルカイダ系イスラム過激派がシリアに反政府勢力として参戦したことにより大量取得、ところが、今では、その武器をイラクへ持ち込み、イラク北部の同国第2の都市モスラでは、政府軍を奔走させる武器となった。
モスラではさらに、欧米から送られた政府軍の戦車や携帯ミサイルなどの武器を、政府軍が放棄して遁走したことにより、イスラム過激派が山のように取得している。
常に武器が戦争や内戦を拡大させる結果を招いているが、喜ぶのは世界各国の武器メーカーと武器商社だけである。

シリア内戦で、アメリカが派兵することを一番期待したのはフランスである。シリアは元フランスの植民地であり、米兵とともに仏軍を派兵させ、アサド政権崩壊では宗主国として石油利権を漁ろうとしていたことは見え見えである。戦争参戦や派兵は常に自国民の命と引き換えに自国の直接的利益に鑑み判断されている。どっかの国のような金魚の糞ではない。
しかし、今日のイラクの状況では、アメリカは石油利権のための過去の派兵・戦争は完全に失敗していることになる。
こうしたイラクの事態に困るのは韓国もしかりだ。イラクから大量の受注をして建設に当たっている。当然、そうしたリスクがあるからこそ、欧米主導のイラクであり、中国は受注参加できず、韓国が受注できたのであるが、そのリスクが表面化しようとしている。こん日のイラクの事態を早期に収拾できなければ、大損害を出すおそれもある。代表例としては、韓国の建設4社が共同して石油製油所建設を60億4000万ドルで受注している。韓国石油公社もイラク各地で石油探索に当たっている。

<WTI原油日足チャート>
<WTI原油日足チャート>
 

[ 2014年6月17日 ]
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