アイコン 原油高騰原因のイラク 政府軍逃走兵続出崩壊の危機 イランとアメリカがタッグ

イラク北部の要衝タルアファルで17日、同市を制圧したイスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国」と、奪回を目指すイラク軍との激しい戦闘が続き、多数の死傷者が出ている。治安悪化が進む首都バグダッドなどで爆弾テロが相次ぎ、計21人が死亡した。
 マリキ首相は17日、同国第2の都市、北部モスルが「イスラム国」に10日に制圧されたことなどの責任を問い、軍将校4人を解任した。攻勢を受け逃走する兵士が続出しており、政権側は軍の引き締めに躍起になっている。
16日、17日には、首都バグダッド北方約50キロの主要都市バクバでもイラク軍と激しく交戦、北部や中部の各地でも戦闘が続いている。
バクバの警察署では16日夜、「イスラム国」の襲撃があり、政権側のシーア派民兵と衝突。警察署に拘束されていた少なくとも44人が死亡した。
  イラク軍は、中部ディヤラ州の州都「バクバ」を中部の中核都市「サマラ」とともに防衛ラインと位置付けている。
 以上。

すでにイランは、政権側のシーア派と反政府側のスンニ派との宗派戦争となっており、シリア戦線で力を増したイスラム原理主義過激派組織アルカイダ軍が、イラクのシーア派政権から政権内から追い出されたスンニ派をうまく取り込み「イラク・シリアのイスラム国」として、シーア派の政府軍と戦っている。

バグバの同国最大の石油精製施設は操業を停止、北部の大油田地帯のキルークークはすでにアラブ人とは異なるクルド人が支配している。

このままでは、イラク政府軍や政権は崩壊する危機に陥り、アメリカとイランがどういう形で政府軍を支援するのか動向が注目されている。
ただ、シーア派の拠点は、米国と敵対関係にあるイランとイラクの現政権(多数派)、シリア政府軍(イラン支援)とレバノンのゲリラ組織ビズボラ(シリア政権支援中)あたりであり、ほかの中東諸国はスンニ派が占めており、親米の中東諸国も1枚岩ではなく、米国がイラクの現在の問題に関しイランに擦り寄っても、その先の展望は開けてこない。
スンニ派でも国益の観点から、エジプト軍事政権に関しては、サウジが軍事政権を支援し、カタールは軍事政権に批判的でもある。中東は、いろいろな王様や部族長たちが支配しており、問題がややこしすぎる。イラクも宗派と部族長の双方の力が入り混じっている。

ただ、イラクの政治的・な軍事的な混迷を影で喜んでいるのは、原油価格が上昇してボロ儲けする中東・アフリカ・北欧などの産油国と産油にかかわる米国の石油メジャーである。

泣くのは貿易不均衡の観点から海洋のメタンハイドレートなど資源開発を進めてこなかった政権を持つ日本の国民である。原油にしろLNGにしろ、産油国で米国石油メジャーがボロ儲けしており、米国は円安による貿易問題を摩擦までは発展させない。

[ 2014年6月18日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサード リンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索