マレーシア航空の旅客機が１７日、ウクライナ東部上空で地対空ミサイルによって撃墜された。ロシアのインタファクス通信がウクライナ内務省高官の情報として報じた。
それによると、乗客２８０人と乗員１５人の合計２９５人全員が死亡した。
マレーシア航空は、短文投稿サイト「ツイッター」上で、アムステルダム発のマレーシア航空１７便との交信が途絶えたとした上で、「機体が最後に確認された地点はウクライナ上空だった」と明らかにした。

＜政府側と親ロシア派武装勢力　双方とも関与否定＞
マレーシア航空の旅客機が消息を絶った理由について、ウクライナ政府側と、親ロシア派の武装集団はいずれも撃墜されたという見方をしているものの、それぞれ関与を否定している。
ウクライナの大統領府によると、ポロシェンコ大統領は、「ここ数日間で、ウクライナの軍用機２機が撃墜されており、マレーシア機が撃墜された可能性は否定できない」と述べ、新ロシア派の武装集団によって撃墜された可能性を示唆した。
そのうえでポロシェンコ大統領は、「ウクライナ軍は、空中の飛行機を狙うような行動は一切とっていない」と強調し、ウクライナ軍が攻撃したとする親ロシア派の主張を否定した。
その一方で、「ドネツク人民共和国」を名乗るウクライナ東部の親ロシア派は、「われわれは上空１０キロを飛ぶ航空機を撃墜できる武器を持っていない。ウクライナ軍が撃墜した」としており、双方の立場は真っ向から対立している。

以上。
使用されたミサイルは、旧ソ連製のミサイル"БУК",だとウクライナ内務省当局が述べている。
しかし、当ミサイルはウクライナも所有している。双方が徹底して否認すれば、どちらが発射したかは不明となる。
ミサイル「Бук」9K37・「ブーク」9К37 は、旧ソ連で開発された中・低高度防空ミサイル・システム。迎撃可能範囲50km、高度25km。
撃墜地点は、国境から50-60km、高度10km、しかも運用できるのは正規軍のミサイル部隊しかできないのでは・・・といわれている。
ＢＢＣ放送は「上空1万mを飛行中の旅客機を撃墜するには、高精度の地対空ミサイルクラスでないと難しい。これを親ロシア派が持っているとも疑わしい」と撃墜には懐疑説も伝えて事故の可能性も見ている。
ロシアがこうした特殊部隊員とミサイルをウクライナ東部に親ロシア派の義勇兵として送り込んだ可能性もある。しかし、このような高度射程のミサイルはロシアに余っていれば別だが必要ないだろう。

＜内戦状態地上空を何故民間機飛ばす＞
マレーシア航空機は内戦状態のウクライナ東部のドネツク上空を何故に飛行していたのだろうか。ドネツク空港は５月、ウクライナ政府軍と親ロシア派が交戦し４０名超が死亡したところだ。いくら、規定の航空路線であったとしても、先日もウクライナの戦闘機が撃墜され、その前にも兵員輸送の貨物機が撃墜された東ウクライナだ。
こうも危ういマレーシア航空機は、何か魔物にでも取り付かれているようだ。
マレーシア政府も自国航空機の海外での飛行ルートくらい安全かどうか管理しなれば・・・。
また、ウクライナ政府は、同国東部上空を飛行する民間機に対して、何故にその危険性を国連や該当国際機関に通知していなかったのだろうか。マレーシアもウクライナも後進国といえども、こうした情報の共有は世界共通である。

ロイター写真