アイコン 9月の政府月例経済報告 11ヶ月ぶりに下方修正 消費弱い 政策悪

スポンサード リンク
 

政府は9月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を「このところ一部に鈍い動きもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、昨年10月以来、11ヶ月ぶりに下方修正した。
一時的な減少とみていた個人消費などの戻りの鈍さを反映させた。

政府は8月に比べ、やや弱めの表現に変更したが、個人消費や輸出、生産などの項目について判断を据え置き、景気は引き続き「緩やかな回復基調が続いている」との判断は維持した。

 

 企業収益や雇用・所得環境が改善しているものの、企業の設備投資の鈍さや業況判断が弱いことが背景にある。

先行きについては、前回同様「緩やかに回復していくことが期待される」とした。加えて、米国の金融政策が正常化に向かうなかで、中国やアジアの新興国などの景気後退懸念や、市場の変動が長期化した場合の影響に留意する必要があると表記を明確化した。
 
基調判断を構成する14項目の判断のうち、上方修正したのは1項目、下方修正したものは1項目、表現変更したのは2項目だった。

業況判断は「一部に慎重さがみられるものの、おおむね横ばいとなっている」とし10ヶ月ぶりに判断を引き下げた。
日銀や民間企業による業況判断指数に改善を示す目立った指標がないという。

 企業収益の判断は「改善している」とし、前月の「総じて改善傾向にある」から6ヶ月ぶりに判断を引き上げた。4~6月期の法人企業統計によると、企業の経常利益が過去最高水準にあるため。

 一方、設備投資の判断は「このところ持ち直しの動きがみられる」から「総じて持ち直しの動きがみられる」に表現を変えた。
国内企業物価は「このところ緩やかに下落している」とし「このところ横ばいとなっている」から表現変更した。
以上、

消費総合指数( 実質)は、4~6月および7月は前年比マイナスながら、「個人消費は、総じてみれば底堅い動きとなっている。」と、すばらしい表現をしている。

 民間設備投資は、「総じて持ち直しの動きがみられる」との政府判断。気になるのは、設備稼働率指数が低下しているにもかかわらず、製造業の設備判断DI(景況感)が伸び続けリーマンショック前までの水準に達し、その乖離が大きくなるばかりであり、何か気になる。
DIのように設備稼働率も上昇し続ければ、設備投資が通常、大幅に増加してくるものであるが、少しは伸びているものの2011・12年当時の水準で推移している。設備投資(実数額指数)は、リーマンショック前150ポイント(2000年=100)、現在110ポイント程度。
結果、製造業の整備投資は気持ちばかり高ぶり、実質投資が付いてきていないことを表している。
外部環境(中国・東南アジア経済)が悪化する中、膨大な公共投資増と大幅金融緩和により内需拡大が期待されるが、金融緩和では超円安へシフトしたことから、企業業績は空前の改善を見ているものの、国民消費は、超円安の弊害である物価が上がり、また税増もあり、消費支出に大きく影響、政府が期待した消費拡大・インフレへの転換政策が、消費拡大への好循環をもたらしていないことを晒け出している。

<リーマンショック前とまったく同じ企業の動き>
大企業や輸出企業は、超円安や便乗値上げで空前の業績改善や法人税の減税で得た巨額利益を、「設備投資」や消費拡大に直結する「労働分配率」を高めるなどの方策を一切採らず、「ハゲタカ対策」に自己株式を購入するなど株主対策に使用、愚かな企業経営を取り続けている。
米ハゲタカから脅されたファナックは、溜め込んだ利益剰余金で自己株式を購入し、結果、株価が上昇、ハゲタカはその上昇過程で売り抜けたものと見られる。株価は一時的に上がったが、今では元の木阿弥である。

リーマンショック前の好景気時も利益(外部環境も良く、また正社員を減らし、低賃金の非正規雇用社員を増加させ、コスト減から利益を拡大させた)を、「ハゲタカ対策」に使用し、配当性向を高め、自己資本率を高めるため借入金返済に充当した現象とまったく同じだ、内需の好循環など期待できないものとなっている。
当然、それは企業・財界に対して政治が主導するものであるが、政治はそれを結果、「良し」としており、消費拡大の内需の好循環など望みようもない。

<ファナックの株価>
米ハゲタカが利益剰余金について脅す、自己株式購入発表、株価急上昇、同社販売先の中国経済低迷で下落。

0925_03.jpg

[ 2015年9月25日 ]
スポンサード リンク
 

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 
JCNET注目記事!
【訃報】大村市長 松本崇市長 逝去(09/25 08:50) 2015:09:25:08:50:01
PR いま建設業界の求人が急増中、当サイトおすすめのワークポートが便利です。


PICK UP

↑トップへ